2018年7月12日木曜日

財政再建に通貨収縮以外の意味はない

財政再建には特段の意味でもあるかのようにマスコミでは報じられますが、財政再建によって生じる現象を客観的に観察するなら、財政再建に通貨収縮以外の意味はありません。

世俗的・通念的に言えば、財政再建は何やら道徳的な意味合い、借りたカネを返すとか借金財政からの脱却といった意味が付与されるようです。しかしマクロ経済的すなわち科学的に言えば、財政再建によって生じる現象は、世の中の通貨量(マネーストック)あるいは通貨供給(マネーサプライ)の縮小です。それ以外のことは直接に生じません。つまり、マクロ的に言えば、そうしたマスコミが騒ぐような世俗的・通念的な特段の意味は意味を持ちません。

そのようなマクロ経済の観点からニュースの見出しを見直せば、つまり、「財政再建を通貨収縮と読み替える」なら、例えば「財政再建の必要性」とは「通貨収縮(通貨供給の抑制)の必要性」と言っていることになります。「財政再建目標の達成」とは「通貨収縮(通貨供給の抑制)目標の達成」を意味します。そう理解すれば、途端に、マスコミの見出しから受ける印象が変わってきます。「何かへんだな」と感じるはずです。

マクロ経済的に考えると、マスコミの言うほど財政再建に特段のすばらしい意味が無いことは誰にでもすぐに理解できます。なにしろ財政再建とは「世の中のおカネを減らせ、おかねを増やすな」と言っているだけのことなのです。それだけのことです。財政再建という、世の中のおカネを減らす政策にどれほどの意味があるのか?

もちろん、仮に現在の経済がインフレ年率10%を超えるような状態にあるのなら、財政再建は世の中のおカネを減らすことでインフレを抑制する点において意味がある政策と言えるしょう。すなわちインフレ時における財政再建は効果的と言えます。しかし現状はどうでしょう?デフレ状態にあります。つまり「使われるおカネが足りない状態」にあるわけです。こんなデフレのときに財政再建によって世の中のおカネを減らすど、まったくのナンセンスに過ぎないのです。これはマクロ経済的つまり科学的に言えば当たりまえのことです。

財政再建の意味を世俗的・通念的な道徳心によって理解することは誤解と弊害にしかなりません。科学的に言えば、財政再建は通貨収縮政策にすぎません。「財政再建を通貨収縮と読み替える」ことで、世俗的なマスコミ報道のミクロ脳思考を超えて、経済を科学的・客観的に理解する必要があると思うのです。

もし財政再建を科学的・客観的な立場からではなく、世俗的・通念的な道徳観などに基づいて「借金は返すべき」などと主張するなら、まさに非科学的な、それこそ中世の「天動説」を信じているようなものです。その弊害は説明するまでもないでしょう。

残念ながら、新聞マスコミは世俗的・通念的な常識にどっぷり浸かっているままであり、科学性や客観性は欠落したままですが。


2018年6月18日月曜日

未来型ベーシックインカムのコンセプト

様々なタイプのベーシックインカムが主張されるなかで、未来型ベーシックインカムがそれらとどのように違うかを簡単にまとめました。

未来型ベーシックインカムのコンセプト
2018.6.18

未来型ベーシックインカムは、人工知能やロボットが普及する未来のベーシックインカムを目指しているのです。それはみんなが働かなくても十分に豊かな生活を送るだけの所得が分配される社会なのです。もちろん明日から直ぐにそうなるわけじゃないけど、今日からそれを目指して前進するのです。

<未来型ベーシックインカムの達成目標>

・保証されるのは最低限の生活保障ではなく、すべての人の豊かな生活の保障
・テクノロジーを担う人には相応の高い報酬
・全人類の幸福と環境に配慮した持続可能な経済成長

<段階的な導入の概念>

未来型ベーシックインカムの物質的な財源の根拠はテクノロジーによる生産性の向上にあります。それらは今でも徐々に進行しつつあり、ゆえに、ベーシックインカムも徐々に導入されて不思議はありません。また徐々に導入することで、働かなくなるなど多くの懸念に対処できます。

①生活補助段階(実質月額1~5万円程度)
主たる財源は通貨発行で一部は税財源としますが、増税はまったく必要ない段階。いわゆるヘリコプターマネーによってデフレを脱却して景気回復すると税収も増大しますので、増税は考えない。この段階では社会保障はそのまま維持しなければなりません(但し、支給額の調整は必要)。

②最低生活保障段階(実質月額8~12万円程度)
財源は通貨発行、社会保障費の付け替え、税収を考えます。国民の所得向上による景気過熱(高インフレ)を抑える目的もかねて徐々に増税を計画します。この段階では社会保障は必要に応じて維持しなければなりません(但し、支給額の調整は必要)。

③ゆとり生活保障段階(実質月額15~20万円程度以上)
年金や生活保護と同レベル以上の支給が可能になるので、それらの社会保障と統合されるでしょう。なお健康保険は趣旨が異なるため(保険と保障は違う)、永久に統合はあり得ません。保険料の無料化の方向へ進むでしょう。

目標達成期間 例えばレベル②までに10年間。

<通貨財源の基本的な考え>

通貨的な財源としては、通貨を発行して投入し、それを回収して再投入することによる通貨循環システムを導入する。未来における通貨循環予想(図)から考えて、基本的に企業サイドで回収する方式とする。ただしインフレなどの状況に応じて家計の通貨回収も検討する。



<課題>

景気が良くなりすぎるため、景気を冷やす必要が生じてくる。そのため増税が検討される。景気が良すぎて増税するのだから、やむを得ない部分があるが、国民の理解を得ることはできるか。

<未来型ベーシックインカムとは対極にある悪いベーシックインカムの例>

・搾取型ベーシックインカム
・貧困型ベーシックインカム
・緊縮型ベーシックインカム
→悪いベーシックインカム には十分な注意が必要です。

本編サイトに同時掲載

2018年6月17日日曜日

悪いベーシックインカムについて

ベーシックインカムにも様々なタイプがあるため、なかには私たちの生活をかえって貧しくしたり、格差を広げるようなタイプがあると思われます。そうしたリスクに注意する必要があるでしょう。

(じいちゃん)
今日は悪いベーシックインカムについて考えてみよう。

(ねこ)
ふにゃ、ベーシックインカムに良いとか悪いとかあるのかにゃ。ベーシックインカムはすべて良いものじゃないのかにゃ。

(じいちゃん)
ベーシックインカムと言えども、何でもかんでも良いわけではないのじゃ。前回も説明したように、ベーシックインカムは様々な立場の人が主張しておる。目的も様々じゃ。じゃから、なかには人々の生活を貧しくしたり、あるいは格差を広げるような「悪いベーシックインカム」が混在しているリスクがある。そのような点に十分に注意して、悪いベーシックインカムが社会に導入されないようにしなければならんのじゃ。

さて、ワシが考えるには、悪いベーシックインカムには3つのタイプがあると思うのじゃよ。

①搾取型ベーシックインカム

ベーシックインカムの定義に「最低限の生活保障」がある。このため、ベーシックインカムによる支給金額をあくまでも「最低限の生活」に制限し、それ以上に増やす必要はないとする規定を制度化する恐れもある。しかし考えれば直ぐわかることじゃが、テクノロジーが進化すれば社会全体の生産能力が向上するのだから、ベーシックインカムによる支給額を最低額に留め置く必要はないはずじゃ。それをあえて最低限に制限すればどうなるか。

テクノロジーが進化するほど人手が不要になるのじゃから、多くの人には仕事がなくなる。そうした多くの人の生活は最低限に留め置かれることになる。仕事に従事してもっと生活を向上させたいと思っても、機械が進化した社会では仕事そのものがないから難しい。一方で生産力が向上してより豊富で高品質な商品やサービスを生産できるが、それらは一部の労働者や生産資本を所有している富裕層だけで独占するようになる。その結果、最低所得に留め置かれた多くの人々と、富裕層労働者や資本家という、二極化した格差社会が生まれるリスクもある。

搾取型ベーシックインカムの主張は、社会の支配層やその代弁者である政治家や企業から出てくる可能性があると思う。彼らの目的は庶民の生活向上より企業利益、株主利益を優先するものになると思われるからじゃ。例えば彼らのベーシックインカムの導入目的は人工知能やロボットによる生産性の向上をスムーズに進めるためかも知れない。もしベーシックインカムなしに機械化を進めれば失業者が増加して社会問題となり、余剰人員の削減に世間の非難が集中するじゃろう。じゃから、不必要になった社員を簡単に解雇することを目的としてベーシックインカムを提案してくる可能性もある。これは搾取型のベーシックインカムになると思うのじゃ。

これらを主張する人の中には、社会保障そのものを削減することを目的とする人もおり、健康保険までベーシックインカムに含めてしまおうと考える人々が居るかも知れないが、これは非常に危険なベーシックインカムになるじゃろう。そもそもベーシックインカムは生活「保障」なのであって、疾病のリスクに対応するための「保険」とは根本的に異なる概念じゃ。ベーシックインカムと健康保険がリンクすることは、あってはならないのじゃよ。

②貧困型ベーシックインカム

この考え方の根底には「日本はもう経済成長しない」という前提があるのじゃ。日本は少子高齢化によって坂を下るように経済が縮小することが避けられない。どうせ貧しくなるのだから「平等に貧しくなろう」という考え方じゃ。しかし考えれば直ぐわかることじゃが、テクノロジーが進化すれば人間ではなく機械が財(モノやサービス)を生産するようになるのじゃから、少子高齢化であっても経済成長が可能であることは明白じゃ。仮に人口が減って総生産量がまったく増えなくとも、人口が減少するのだから1人当たりに分配される財の量は増加する。

しかし、なぜか日本が経済成長することを強く否定し、むしろ国民が貧しくなることを喜ぶような雰囲気さえ感じられる。そこには「豊かさ=悪」「貧しさ=善」のような思想、清貧思想のようなものを強く感じてしまうのじゃよ。まあそう信じるのは人それぞれに勝手じゃが、それが政策内容に影響すると本当に日本全てが貧しい社会になる恐れもある。

例えば通貨供給。経済が成長するためには通貨供給が欠かせない。今日の長期的なデフレ不況も通貨の供給が不足していることに原因があると考えられている。じゃから人工知能やロボットが進化し、社会に普及するに伴って通貨をどんどん供給しなければならないのじゃ。ところが「日本は成長しないのだから、通貨供給はインフレを高めるだけだ」として意図的に通貨供給を絞るリスクがある。

通貨が不足するとデフレ不況に突入するため経済は衰退を始める。当然ながら失業者が増加するが、ベーシックインカムによって失業者の最低生活は保障されているので、社会的大問題にはならないじゃろう。しかしデフレ不況を放置することで日本経済は継続的に縮小を続け、総生産量が減少するためにベーシックインカムの支給額も減り続けることになる。つまり「国民全体が徐々に貧困化する」。最終的に日本経済はデフレで破綻するが「少子高齢化社会だから仕方がない」と言って、済まされてしまう恐れがあると思うのじゃよ。

③緊縮型ベーシックインカム

財政再建や緊縮主義が優先するベーシックインカムのことじゃな。財政再建や緊縮財政を行なうと景気が悪化することはこれまでの経験から明らかじゃ。景気が悪化すると失業が増大して貧困や格差の問題が拡大する。そのことが財政再建や緊縮財政の歯止めになっていると言える。ベーシックインカムを導入すれば、こうした貧困や格差の問題が解決できるため、財政再建や緊縮財政を進めやすくなるじゃろう。しかもベーシックインカムを導入するという大義名分で堂々と消費税を増税することもできる。

財務省やその族議員からこうした考えが出てこないとも限らないと思うのじゃ。この場合、政府は「消費税の増税分はすべてベーシックインカムの財源に使用します」と言いつつ、実際には税収の一部が財政再建のために流用されることになる。そうなると税として集められたおカネの全てが再分配されるわけではないので、徐々に世の中を循環するおカネの量が減り続けてデフレ不況になり、経済成長も阻害されてしまう。しかし財務省に忖度する新聞マスコミが「国の借金を返済するのだから、国民が貧しくなるのは当たり前だ、痛みを伴う改革を受け入れろ」と主張して済まされてしまう恐れがある。

しかし考えれば直ぐわかることじゃが、テクノロジーの進化によって供給力が増大するのだから、本来であれば国民が貧しくなるはずがない。つまりこれは、財政再建や緊縮財政の考え方が根本的に間違っていることを示唆しておるのじゃよ。結論から言えば、カネを発行して財政再建すれば良いだけじゃ。」

(ねこ)
ふにゃ~、悪いベーシックインカムが導入されたら困るのです。

(じいちゃん)
重要なことは「テクノロジーが進化して生産力が増加すれば、国民は必ず以前よりも豊かになるはずだ」という点を忘れないことじゃ。もしテクノロジーが進化しても人々がさっぱり豊かにならない、あるいは逆に貧しくなるようであれば、そのベーシックインカムの方法は根本的に間違っていることは間違いない。

もちろんこれは、今後も順調に人工知能やロボットのようなテクノロジーが進化し、ロボットや自動生産工場の建設等に投資が十分に行われることが前提じゃ。そのためには研究開発や設備投資がとても重要になる。政府の財源が不足しているという理由で研究や投資が十分に行われなければ、悪いベーシックインカムでなかったとしても、人々はあまり豊かになれないかも知れないので注意が必要じゃろう。

(ねこ)
悪いベーシックインカムが導入されたら、もうおしまいなのかにゃ。取り返しが付かないのかにゃ。

(じいちゃん)
そんなことはないぞ。国民運動として支給額の増額を政府に厳しく要求すれば、悪いベーシックインカムを潰すことができる。重要な点は「テクノロジーが進化して生産力が増加すれば、国民は必ず以前よりも豊かになる」じゃ。政府やマスコミの話に納得して、最低限の所得保障に甘んじる必要はないのじゃよ。

本編サイト同時掲載

2018年6月16日土曜日

立場で異なるベーシックインカムの考え

ベーシックインカムは様々な立場の人が主張されており、その立場によって主たる目的が異なる場合があります。そのため同じベーシックインカムでも主張内容に違いがあり、また目指そうとしている社会も違ったものになるかも知れません。

(じいちゃん)
ベーシックインカムと一口に言っても、様々な人の主張内容を聞くと違いが大きいことに気付くはずじゃ。
なぜそうした違いがあるかと言えば、様々な立場の人がそれぞれの目的でベーシックインカムを主張しておるからじゃ。じゃからベーシックインカムは多種多様だといっても過言ではないじゃろう。「すべての国民に基本的な生活を営むためのおカネを無条件に支給する」という点では同じじゃが、それ以外は異なるのじゃ。

(ねこ)
ふ~ん、ややこしいんだにゃ。ただベーシックインカムに賛成あるいは反対という単純な話じゃなくて、どんな内容のベーシックインカムが望ましいかを考える必要があるんだにゃ。

(じいちゃん)
左様じゃ。ではどのような立場でベーシックインカムを主張しているか、ワシなりに分類して考えてみた。

①社会福祉・貧困救済

福祉の向上や貧困救済活動の立場から主張する人々じゃよ。大雑把に言えば左派系じゃな。これは1960年代から1970年代にかけて世界の幾つかの国々で社会運動として行なわれていた。アメリカでは公民権運動で有名なキング牧師もベーシックインカム提唱者だったのじゃ。彼の主張したベーシックインカムは最低限の生活保障ではなく社会の中間の水準の保証であり、また経済成長に比例して所得が増え続けるものだった。こうした運動は黒人、貧しい母子家庭、主婦の間で広がり、イギリスやフランスでも行なわれたという。彼らの目的は貧困の解消であり、女性の所得向上であり、生存権の保障だったわけじゃ。市民運動に近い位置にあるともいえるじゃろう。

②小さな政府・生産性向上

政府による経済や社会への関与を極力減らそうとする立場、いわゆる小さい政府の立場から主張する人々じゃ。現在の社会保障制度には無駄が多いとされる。例えば給付型の社会保障を考えると、年金、失業給付、生活保護、児童手当など多数あってそれぞれが別々に管理運用されておる。これでは管理のために多くのコストが割かれて、国民に再分配される金額が減ってしまう。また生活保護は補足率が非常に低く、本来は保護を受けられる人が受けられなかったり、不正受給の問題も生じる。そこでそれらをベーシックインカムの形に一本化することで行政コストを削減しつつ支給額も増やそうとする考え方じゃ。小さい政府を主張する人々は新自由主義者であるとも言われる。新自由主義を主張する人々は現在の資本主義経済の信奉者でもあって、市場原理を重視し、企業の立場にも近い。

③エンジニア・未来科学者・AI起業家

人工知能やロボットの急速な進化に伴って最近増えてきた立場じゃ。人工知能やロボットが進化すれば人間の労働の価値が低下あるいは不要になってくる。賃金が低下して失業も増大する(技術的失業問題)。こうした事態に対処するためには、労働とは無関係に人々に所得を分配するベーシックインカムが必要不可欠になるとの考えじゃ。これは人工知能の研究者あるいは最先端の起業家、例えばテスラを率いるイーロン・マスク氏、FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏も主張しておる。また理想的な未来社会では自動生産工場やロボットによって生活に必要な生産活動のほとんどが行なわれるようになるはずじゃから、そうした社会に向けてベーシックインカムの制度を徐々に整える必要があるとも考えられる。

④自由主義

人間の自由な活動を大切にする人々じゃ。とはいえ自由主義は説明が難しい。これはいわゆる新自由主義とは異なる。新自由主義は経済活動を中心とした経済学の考え方じゃが、自由主義の考えは人間の行動を束縛するあらゆる物事を極力排除して、人間本来の自由な活動を取り戻したいとする考えじゃ。例えば、今の世の中は自由主義だというが、実際には資本の活動が自由なだけであって、人間の活動が自由だとは必ずしも言えないのじゃ。昔の時代であれば土地や海(生産手段)はすべての人の共有財産じゃった。そうした時代であれば生まれた人間はまさに自分の自由な活動で生活することもできた。しかし現代の生産手段はすべてに所有権があり、資本を持たずに生まれてきた大部分の人々は賃金労働者として生活するしか生存する方法はない(事実上の強制性)。これが「長時間労働」「過労死」のような人々の自由を大きく損なう事態を引き起こしているとも言える。こうした状況を脱するためにベーシックインカムは大変有効だと考えられるのじゃよ。

(ねこ)
なるほどにゃ、ベーシックインカムを主張する立場はいろいろあるんだにゃ。おまけにそれぞれの立場が重複したり、重複のウエイトが異なるから、ベーシックインカムには実に多くのバリエーションが考えられるんだにゃ。

(じいちゃん)
そうじゃな。ベーシックインカムはある意味で「同床異夢」であるとも言える。例えば同じようにベーシックインカムを主張する立場でも、社会福祉・貧困対策を主張する立場は大きい政府だし、市場経済には批判的じゃ。同様にベーシックインカムを主張する小さい政府や新自由主義の立場はどちらかと言えばその反対に位置する。じゃからベーシックインカムが実際に導入される段になれば、誰が主導権を得るか、何を制度に盛り込むかによって激しい対立が生じることがあるかも知れない。

こうした中で、ワシらは「どんなベーシックインカムが良いのか」を自ら考えて選択する必要があるじゃろう。ベーシックインカムのあるべき姿は、マスコミや、まして政治家の話によって決めるべきものではない。支給金額、導入方法、社会保障等との関係などは、「国民が当事者意識を持って決める」ものだと思うのじゃよ。

本編サイト同時掲載

ベーシックインカムに関する特集ページを作りました

本編のサイトに、ベーシックインカムに関する特集ページを作りました。

当サイトの記事を集めたリンクのほか、ベーシックインカムの簡単な歴史、関連情報へのリンク集、最近運用を開始したツイッター「未来型ベーシックインカムBOT」に登録されているツイートを掲載しております。

https://sites.google.com/site/nekodemokeizai/beshikkuinkamu/tokushu_bi

2018年6月12日火曜日

未来型ベーシックインカム・ツイートBOT

ツイッターに「未来型ベーシックインカムBOT」を立ち上げました。ベーシックインカムを推進するツイートを発信すると同時に、未来型と称して、他のベーシックインカムとの違いも打ち出します。

自動でツイートするほか、時々ベーシックインカムのワードで検索し、関連の深そうなツイートをリツイートします(反対意見はリツイートしません)。2018年6月12日現在の登録ツイート数は168あり、5日間で最初に戻ります。ご興味があればアクセスしてください。

https://twitter.com/himaneko100_100

2018年6月11日月曜日

経済をおカネのやり繰りで考えるな

現在は貨幣経済の制度であるため、経済活動において大きく扱われるのはおカネです。そのため、おカネにばかり意識が集中して、経済の本質を忘れてる人が多すぎます。経済の原点は生産と消費です。

これはどんな経済学派でも、その根幹に生産と消費があるはずです。ただし、計画経済とは違って市場経済の場合は供給力を直接に操作するのではなく、おカネを使って(=投資)、より適切な供給力を構築すること、そして消費のための分配の仕組みを構築する必要があります。

ただし、方法が間接的なので、様々な方法論が考えられるわけで、そこで「俺の方が正しい」と喧嘩になるわけです。どの理論が正しいか、それは最終的には結果でしか判断できないかも知れません。

しかし、本質はいかに供給能力(生産力)を高めるか、そして、それによって生産された財をいかに消費(分配)に結びつけるか、これが核心です。大切なのは「モノやサービス」です。

老後のためにいくらおカネを貯めても、それだけで老後の生活が保障されるわけではありません。老後の生活を支えるための供給力をいかに維持拡大するかが重要です。デフレを放置して供給力が低下してしまえば、いくらおカネを貯めても、まったく意味がありません。

もちろん、前世紀のように投資が活発な時代であれば、貯蓄はどんどん投資に向けられますから、貯蓄=供給力の強化になりました。しかし時代とともに経済環境は変化し、今や貯蓄過剰・投資不足です。貯蓄するだけでは、投資は行われません。いつまでも古い時代の常識は通用しません。

こうしたことは、おカネから少し離れて客観的に考えるなら、誰でもわかることでしょう。しかし新聞テレビに出てくる話は「供給力」ではなく、ことごとく「おカネ」なのです。そのため、本質を見通す思考力がすっかり落ちてしまいます。

「借金ガー」というのもカネの話です。財政再建して、それで供給力はどうなるのか?あるいは消費はどうなるのか?そのような視点がまったくありません。あるのはカネの帳尻を合わせることだけ。しかし冷静に考えるなら、財政が破綻するより、供給力が破綻するほうが遥かに深刻な問題です。なぜなら、最悪でも財政の破綻はカネを刷れば解決できますが、供給力の破綻を解決する事は極めて難しいからです。

世界大恐慌は財政破綻が原因じゃありません。デフレです。

世の中のおカネを回し、デフレを解消して供給力を拡大しなければ、財政黒字は達成しても、いずれすべての国民が貧困化してしまうでしょう。


2018年6月10日日曜日

日銀の出口戦略は暴落のシグナル

マスコミはしきりに日銀に出口戦略を求めているが、暢気なモノですね。日銀が出口戦略に踏み切れば、それが株価暴落、デフレ逆噴射のシグナルとなるでしょう。

かつて、日銀が金融引き締めを行なうと、そのほとんど直後にバブルが崩壊し、日本の景気はそのたびに叩きのめされてきた歴史があります。

その始めはおなじみ1991年の日本のバブル崩壊です。その前年の1990年に日銀は大幅な金融引き締めを実施し、その後もさらに引き締めたため、日本経済は完膚なきまで叩きのめされました。

その次は2001年のITバブル崩壊です。その前年の2000年に日銀は金融引き締めを行い、翌年2001年にバブルが崩壊しました。

その次は2007年のサブプライムローン・バブルの崩壊です。その前年の2006年に日銀は金融引き締めを実施し、その翌年にバブルが崩壊しました。このときは日銀がバブル崩壊後も引き締めを継続したため、日本はデフレが悪化してブラック企業が台頭、円が暴騰して産業空洞化もすすみました。

このような歴史を見ると、次のような予測ができます。

①マスコミに押されて日銀が時期尚早の出口戦略を始める。
②同じタイミングで世界のどこかでバブルが崩壊。
③日本がデフレ不況に逆噴射する
④日銀やマスコミがおかしな言い訳を始める。

日銀に対する世間の非難が高まると、俄然としてマスコミが「日銀の独立性は絶対善」と言い出すでしょう。目に見えるような気がします。

しかし冗談ではなく、実際にその危険性はあると思います。なぜなら2019年に消費税が増税され、2020年には東京オリンピックが終了するからです。これは日本にとって間違いなく大きなデフレ圧力になると思われます。ですから、この先しばらくは間違っても出口戦略など実行できないはずなのですが、そこはあの「逆噴射日銀」ですからね、何をするかわかりません。

日銀の出口戦略は暴落のシグナルですから、要注意です。


2018年6月1日金曜日

竹中氏はなぜ嫌われるのか?

例の竹中氏がテレビで高プロに関する発言をし、ネット界隈では非難の声があがっています。なぜ竹中氏が嫌われるのか、それなりの理由があるでしょう。

竹中氏の考え方そのものは奇抜なものではありません。例えば「派遣労働」に関しては、雇用の流動化の考え方があり、これは現在の経済学から言って大間違いの話ではありません。しかし考え方に間違いがなければ、それでどんどん推進すれば良いかと言えば、まったくそうではありません。

様々な政策は、その政策を行なうタイミング、優先順位や同時に行なわれる政策との相互作用が極めて重要になってきます。つまり、個々の政策が一般論として正しい場合でも、その運用を間違えるならかえって社会に害悪を与えることもある、そうした点を考慮することがとても大切です。

こうした考慮を欠き、一般論として正しいからといって強引に推し進め、自らがその改革の結果として利益を得るようなポストに収まっていることが、竹中氏の嫌われる原因であると思います。

では、どうすればよかったのでしょうか?

竹中氏は優先順位として「デフレ脱却」を最優先に推し進めるべきだったのです。もちろん当時は金融緩和も推し進められましたが、デフレ脱却を実現するには至らず、日本の景気はまだ十分に回復していない状況でした。そのため労働者は好むと好まざるとに関わらず、派遣業を利用して仕事を探すしか方法がなく、派遣業者にいいように利用されることになったのです。そして派遣業は大儲けしました。

もし、デフレから完全に脱却し、インフレの状態になり、人手不足によって賃金がどんどん上昇する、労働者にとって売り手市場である経済局面になれば話は別です。こうなれば労働者が派遣業に頼る必要はなく、正社員の雇用も増えます。それでも派遣社員を選択する労働者が居たとしてもそれは個人の自由でしょう。

ですから、もしデフレ脱却を強力に推進してそれを達成し、日本が好景気になってから派遣を解禁したなら、問題はそれほど拡大しなかったと思われます。ただし、その場合は派遣業が儲かるとは限りません。もし、派遣業を儲けさせるために、デフレであるにも関わらず、先行して派遣を解禁したのだとすれば、これは悪質ですが、真相は誰にもわかりません。

一つだけ言える事は、政策の優先順位が間違っていたのであり、高プロのような「脱時間給」にしても同様の傾向が見られます(まだデフレ脱却は不十分、セイフティーネットも不十分)。その点において竹中氏は非難されるに値するし、またそれゆえに嫌われて当然だと思うのです。

2018年5月27日日曜日

高プロ成立をベーシックインカムの好機に

高度プロフェッショナル制度は脱時間給へ向けた「蟻の一穴」になる恐れがあります。しかし、ただ反対しても世界的な時流に押されてしまうでしょう。これに対抗するには「ベーシックインカム」が有効です。

企業が求める「脱時間給」の手始めとして、高度プロフェッショナル制度が導入されました。高プロは対象が限定されるため、これそのものはあまり問題ありません。しかしこれまでの流れから言えば、これが蟻の一穴となり、なし崩し的に「脱時間給」がすべての職種に拡大される恐れがあります。

グローバル資本主義の国際競争社会にあっては、企業のコストダウン競争がますます激化する一方であり、脱時間給もその流れに沿ったものと思われます。こうした動きに対して徹底的に反対し、脱時間給を無きものにしようとする試みは、相当に苦戦を強いられると思います。仮に脱時間給を廃止に追い込んだとしても、日本がグローバル競争で敗退してしまう恐れもあります。

こうした世界的な流れに対しては、新たな社会ステムの導入によって対抗することが賢明だと思います。それが「ベーシックインカム」です。ベーシックインカムは脱時間給がもたらす労働者の不利益を補い、場合によっては脱時間給をむしろ労働者のメリットに代えてしまう可能性もあると思われるからです。もしベーシックインカムが導入されたならどうなるか。

①導入前:成果が出なければ賃金が下がるため、長時間労働してまで会社の要求する成果を出す必要がある。→導入後:ベーシックインカムによって所得が上昇するので、残業して成果を出さなくても生活レベルは維持できる。むしろ労働時間の拘束がないので、毎日6時間労働でも文句は言われない。

※もちろん、長時間労働して成果を出し、会社から多額の報酬を貰うのも自由。

②導入前:脱時間給でブラックな労働環境の会社でも、辞めたら生活できなくなるので、ブラックと知っても働かざるを得ない。→導入後:所得が保障されるので、ブラックな労働環境の会社は、いつでも退職できる。社会からブラック企業を一掃できる。

③導入前:転職したくても失敗すると路頭に迷うので、できない。→導入後:万一失敗しても、所得が保障されているので転職しやすくなる。チャレンジできる。雇用の流動化を促進して社会の生産性を向上させる。

④導入前:景気が悪いと、いくら労働しても成果が出ない。→導入後:国民の購買力上昇によって好景気になり、労働の成果が出易くなる。

最終的には、労働時間と無関係に所得が保障されるので、働いても、働かなくても生活できる社会になります。長時間労働して成果を出せば、リッチな生活にも道は開かれています。社会全体として所得レベルを引き上げるため、大企業だけに偏りがちな賃上げメリットを、すべての労働者に与えることができます。

もちろん、明日から完全にそういう社会が実現できる、という話ではありません。しかし、そのようなビジョンを持って、着実に「脱時間給への対抗策」を進めてゆかなければ、またしても後手に回るだけでしょう。脱時間給の適用範囲が拡大されてから騒いでも遅すぎるのです。

例えば、毎月1万円の小額ベーシックインカムから始めるなら、直ぐにでも始められます。そのようなくさびを打ち込んでおけば、それこそ、それを蟻の一穴にして、完全なベーシックインカムを実現できると思うのです。

2018年5月26日土曜日

人口減少は社会の異常性を示唆する

通常の環境下においてすべての生物種は個体数を増加します。ところが人間は社会が近代化するほど個体数が減少し、生物としてあり得ない方向にあります。これは環境に異常があることを示唆します。

人間も生物種のひとつに過ぎませんので、そうした観点から見る必要があります。生物は通常の生息環境においては、必ず個体数を増やします。生物は環境に強く影響されます。ですから、人間が個体数を減らすことは、その生息環境が劣悪化していると考えることはある意味で当然でしょう。

では、どのような劣悪化が考えられるのか。まだ検討を始めたばかりなので、分析はこれからです。しかし、人口の減少化はいわゆる近代化と深く関わっていることはほぼ間違いないでしょう。なぜなら、原始時代、あるいは途上国においては人口が増加しているからです。つまり、先進国になるほど、いわゆる近代化が進むほど人口減少傾向になるのです。

これは、一見すると近代化は人間の生息環境を改善しているかにみえて、その本質的な部分において、むしろ何らかの環境が劣悪化していると推測されます。それは一体なにか。


単なる価値観の多様性、価値観の変化が人口減少の原因であるとの考え方には否定的です。もし仮に価値観だとしても、その価値観を生み出している社会環境に、繁栄を抑圧する何らかの悪環境があるはずです。

原始時代と現代において、あるいは途上国と近代資本主義国において、どのような環境相違があり、そのうち、どれが人間の個体数増加に対する抑圧を生み出しているのか?これは大きなテーマのような気がします。

翻って、新聞テレビの軽薄なこと。日本が人口減少すれば、移民をつれて来れば良いと主張する。根本的な課題の分析もされず、対症療法で問題解決を先送りする姿勢。絶望的なほどの無能さです。失礼ながら、彼らの知的レベルを疑わざるを得ません。こんな連中の主張を聞いていても、本質は何も理解できず、ただ人類は流されるがままに滅んでゆくかも知れません。




2018年5月20日日曜日

どこから賃金が湧いてくるのか?

世界で日本だけ賃金が減っている。その理由は企業がカネを貯めこんでいるからと言うが、それだけでは説明できません。そもそも世の中のおカネを増やさずに、どこから賃金が湧いて来るのでしょうか?

ネットで拾った図によれば、世界の国は賃金が伸びているのに、日本だけ賃金が伸びていないという。



これは名目賃金ですから、実質賃金であればデフレである日本と、これほどまでの差はないでしょう。しかし人間は感情で動く動物なので、実質よりも名目手にする賃金)が増えるか、増えないかが消費者心理に大きく影響するわけです。

一部の人は「賃金が伸びないのは、企業がカネを貯めこんでいるからだ」と主張します。では、カネを含めて日本の金融資産全体はどうなっているのでしょうか。



日銀資金循環統計を用いて、純資産(資産-負債)の推移をざっくりみると、家計の資産だけがどんどん増え続けています。なぜこうなっているかと言えば、企業の資産が増える一方、企業の負債もそれ以上に増えているからです。つまり企業が一方的に貯めこんでいるとは言い切れないわけです。むしろ家計が一方的に貯めこんでいます。

ところで、世界のマネーサプライの推移はどうでしょうか。


これは通商白書に掲載されたデータを再加工したものですが、「日本だけがおカネを増やしていない」ことが明白です。おカネも増やさないのに、賃金が増えるはずがありません。

そもそも、どこから賃金の元になるカネが湧いて来るのか。働けばおカネが自動的に増えるわけではありません。どんなに働いても、おカネを増やさなければ賃金は決して上がらないのです。

日本だけ賃金が伸びない理由は「日本だけカネを増やさないから」です。企業を悪者にして叩いても、賃金は1円も増えません。おカネを発行して増やし、それを国民に配れば良いだけです(ヘリコプターマネー)。そうすれば給付金で国民所得が増えるだけでなく、名目賃金も間違いなく上昇し、デフレなどウソのように解消すると思います。

2018年5月19日土曜日

プライマリーバランスではなくインタゲが正解

新聞マスコミは財務省の意を受けて「プライマリーバランスの黒字化」をさかんに喧伝します。しかしプライマリーバランスを黒字化しても財政が均衡するだけであり、日本経済にとって何のメリットもありません。インフレターゲットこそ正しい方法です。

プライマリーバランスとは、税収と歳出を均衡させること、つまり税収の範囲で歳出を考えるものです(財政均衡主義)。プライマリーバランスのメリットがあるとすれば、それはいま以上に国債の発行残高が増えることを防げる点です。国のシャッキンガーと年中騒いでいる人たちにとっては良い方法かも知れません。

しかし、プライマリーバランスの均衡にこだわれば、財政は果てしなく収縮する危険性が非常に高いと言えます。なぜなら、貯蓄によって循環するおカネの一定量が常に退蔵(貯めこまれて使われなくなる)されるため、循環するおカネは常に減り続ける性質があるからです。

今日の税制においては、循環するおカネに課税する方式がほとんど(消費税、所得税、法人税など)であるため、通貨の退蔵によって循環する通貨が減ると、必然的に税収が減る仕組みになっています。そのため、税収は毎年必ず減少を続け、それにつれて歳出も毎年縮小せざるを得なくなります。

ですから、もし歳出額を毎年減らすことなくプライマリーバランスの額を均衡させるためには、貯蓄によって退蔵される通貨を上回る量の通貨を通貨循環に投入する必要があります。そのためには、従来、経済成長による通貨量の増加、つまり「信用創造貸し出し)による通貨の増加」が必須でした。

しかし、経済成長に必要とされる投資を促進するには、金利が必要であり、先進諸国の均衡金利がマイナスである今日では、信用創造(貸し出し)で金利をプラスにするだけのインフレを起こすことは難しいと思われます。これが流動性の罠の状態です。

その一方、高齢化に伴って医療費・年金などに必要とされる社会保障費は必ず増大します。毎年のように税収が減る一方で社会保障費は必ず増加する状況でプライマリーバランスを維持するためには、増税(税率の引き上げ・新たな税の導入)しか方法はありません。

しかし、増税は明らかに消費を冷やして経済をデフレへ向かわせてしまいます。これは通貨循環をますます縮小する結果を招き、仮に税率の引き上げによって一時的にプライマリーバランスを保てたとしても、増税が引き起こす景気後退によって徐々に税収が減り、再び増税が必要となるのです。

これは「増税緊縮スパイラル」とも呼ぶべき現象であり、増税→経済不況→増税→経済不況と連続的に経済が収縮し、やがてデフレ恐慌によって破綻し、日本経済は崩壊します。

すなわち、プライマリーバランスは日本経済を崩壊させます。

ではどうすれば良いのでしょうか?そこでプライマリーバランスに代わって用いられる政策が「インフレターゲット政策とヘリコプターマネー政策の併用」です。ヘリコプターマネーによって、毎年のように退蔵される通貨の減少および経済成長に伴い必要とされる循環通貨を投入しつつ、インタゲによってその投入量をコントロールします。

例えば小額ベーシックインカムとして全国民に毎月1万円(年間財政支出15兆円)を実施し、インフレを3%程度に設定しつつ、給付金額を毎年徐々に増やしてやれば、消費拡大によって景気が回復するだけでなく、実質金利がマイナスになって投資も促進されますから、供給力の向上も期待できます。

この方法であれば、日本経済がデフレ恐慌に陥る心配はなく、またハイパーインフレになる心配もなく、しかも国民所得が向上し、日本の供給力も向上を続けることで、間違いなく日本は成長軌道に乗ることができます。

プライマリーバランスはデフレ恐慌への道です。インフレターゲットとヘリコプターマネーの組み合わせにより、景気をやや過熱気味にしたまま、税収も安定させ、社会保障による再分配をフルに活用できる強い日本経済を目指すべきだと思うのです。


2018年5月13日日曜日

「世の中にそんなうまい話はある」のです

おカネを配りましょうと主張すると、世の中にそんなうまい話はない、との反論がマスコミに登場する。それに騙された庶民がそう思っている間に、うまい部分を支配層が持っていく、世の中はそういう仕組みらしい。

国民にタダでおカネを配る行為は、自らの首を絞めることになる、という主張が必ず出てきます。しかし、冷静に考えてみれば、世の中の方向性は「うまい話」に向かって進化しているのです。人工知能やロボット、完全自動生産工場が進歩すれば、やがて人々が労働しなくても機械が生産してくれる世の中になることは自明であり、また、それを目指して文明は進化してきたわけです。

そして機械が生産活動をしてくれるなら、人間はタダでおかねを貰えるようになる事もまた明らかです。もちろん、今はまだ100%そうした状態になっているわけではありません。しかしテクノロジーがこれだけ進化した時代なのですから、10%くらいはそうした時代に足を踏み入れていると考えることは、ごく自然なことでしょう。つまり、毎月1万円や2万円はタダでおカネを貰えるのが当然の社会になっていても不思議はないわけです。

事実、今日の日本経済は消費の伸び悩みが景気回復の足を引っ張っているのであり、これは庶民におカネが不足していることを意味します。こうした状況は、テクノロジーの進化に伴って本来はおカネをタダでくばるべきところ、おカネを配らないがために消費が不足していることを示唆しているとも考えられるのです。

ですから、本来は配られるべきおカネをタダで全国民に配るなら、消費が増えて国民が豊かになると同時に、景気も回復してインフレ基調になります。これがテクノロジーの発達した社会の、本来のあるべき姿だと考えることができるのです。

ところが、こうした考えを完全にスルーして、「タダでおカネを配る(フリーランチ)は、国民の首を絞める」との主張がマスコミに登場します。

しかし、考えてみてください。テクノロジーの進化によって毎月1万円や2万円のおカネをすべての国民がもらえるところを、「そんなことは禁じ手だ」といって封印してしまえばどうなるか。テクノロジーの進化がもたらすはずの利益は、国民へ向かわず一体どこへいくのでしょうか。

支配層の利益に化けると考えることができます。おカネが直接支配層に流れる場合は、それが資産上位1%の富裕層の膨大な貯蓄に化けていると考えることができます。

また、仮におカネが流れなくても「デフレ」というかたちで支配層の利益になります。なぜかと言えば、デフレはおカネの価値が上がること(インフレの逆)ですから、デフレになれば、しこたま溜め込んでいる貯蓄の価値が増えるのです。庶民が消費をしないことで経済がデフレのままであることは、支配層にとって大きな利益になるわけです。

しかし、「働かない人がおカネを貰うことは許されない」という常識の元に暮らしてきた多くの人々は、「タダでおカネを貰えば、自分の首を絞めることになる」というマスコミの主張に騙されがちです。テクノロジーの進化について深く考えることはないからです。

こうして、多くの国民が「タダでおカネを配るなんてうまい話はない」と思い込んでいる間に、そのうまい部分を支配層がすべて持って行く、世の中はそういう仕組みになっていると思われます。

2018年5月12日土曜日

世代間対立の原因は緊縮主義

若者が「自分達は高齢者に搾取されている」と批判し、高齢者が「俺たちは苦労して働いたのだから、若者も苦労しろ」と批判する。実に不毛な世代間対立です。しかし対立の原因は緊縮主義にあります。

日本はバブル崩壊以降、失われた20年の間に賃金が低下し続け、ブラック企業がはびこってしまったため、若い世代には不満を持つ人々も少なくないでしょう。バブル以前の人々だけがいい思いをしたと感じるのです。それに輪をかけて若者に不満を抱かせる事例があります。年金制度です。

新聞マスコミが好んで用いる表が「世代ごとの年金保険料支払い額と支給額のバランス」です。この図では、世代ごとに生涯支払うことになる年金保険料の総額と、生涯受け取ることになる年金支給額の総額の差を計算し、比較しています。

それによれば、今の20~30代の若者世代は負担が大きく、2000万円以上も損するとの試算がされています。それに対して65歳以上の高齢者は2000万円以上も得すると試算されています。こんな表をこれ見よがしに見せられれば、それでなくとも所得の伸び悩んでいる若者は怒るでしょう。そして高齢者を敵視し、悪者扱いし、なかには「若者は高齢者に搾取されている」と主張する者まで現れてきます。

「若者は高齢者に搾取されている」。こうした批判を受けた高齢者もまた、怒るでしょう。高齢者だって昔は若者だったわけで、その時代には、生活するために相当な苦労を強いられてきたわけです。戦後の荒廃した国土の復興に寄与してきたのは、紛れもなく今は高齢者となられた方々です。その彼らには高齢となったいま、ゆっくりと余生を送る権利があって当然でしょう。それを軽率な若者が「高齢者に搾取されている」とわめけば、怒るのは当然です。

その一方、若者に火をつけて、世代間対立を引き起こしている新聞マスコミは、ほくそ笑んでいるでしょう。もちろん、これを消費増税や年金支給額の引き下げに結びつけるためです。したり顔で上から目線でこう言うのです「若者の負担を軽減するため、広く、高齢者にも応分の負担を求める必要があるだろう」。

はあ?

しかし、良く考えてください。生産性、生産能力は向上し続けています。機械化がこれだけ進化した時代、さらには人工知能やロボット、無人工場がますます急速に普及されると予測される時代にあって、なぜ若者の負担が年々増加するのか?高齢化が進行していることは間違いない事実ですが、テクノロジーの進化により、それに見合うだけ生産性は向上しているのです。

単純化して言えば、支えるべき高齢者の数が増えたとしても、それを人工知能やロボットが支えるなら、若者の負担が増えるはずがないし、それが未来の社会の姿のはずなのです。

にもかかわらず、現在の年金システムでは、どんなにテクノロジーが進化しても、そうした未来には到達できません。これは現在の年金システムそのものに、重大な瑕疵があると判断せざるを得ないでしょう。そして年金システムはマクロ経済の大きな部分を占めているのであり、現在の年金システムはマクロとしても大きな欠陥を内在していると思わざるを得ないでしょう。

このような問題に解決方法を提示してくれるのも、ベーシックインカムとその財源に関する考え方でしょう。テクノロジーの進化がもたらす恩恵、高い生産性を、高齢者の生活保障にどうすれば十分に活用できるのか?新しい発想とシステムが求められています。それこそが本質です。

新聞マスコミと財務省連合による、増税、福祉切捨ての誘導に載せられ、世代間で対立している場合ではないと思うのです。

2018年5月7日月曜日

日本には革新政党がない

人工知能、ロボット、3Dプリンタなどテクノロジーの革新は目覚しいものがあります。一方で政治は前世紀の政治闘争から一歩も進化しておらず、革新と呼べる政党はありません。日本にあるのは保守右派と保守左派だけです。

左派と言えば昔は「革新」などと言われたらしいですが、今や懐古趣味おびただしい保守左派に過ぎないと感じます。前世紀から主張がまったく変わらない。いまだに東西冷戦の政治イデオロギー、つまりアメリカ寄りか中国寄りかという争いが色濃く、経済面にしても労働闘争のごとく、労働者=善、企業=悪のステレオタイプな態度から、労働者の権利や賃上げに固執しています。もう50年は同じことをやっているでしょう。

そんな左派が「革新である」などとは間違っても言えません。日本の左派は昔ながらの(=保守)「保守左派」です。そのため、安保闘争時代を懐かしむ高齢者の方々の支持率は高いものの、若者の支持率はむしろ自民党の方が高い。そりゃあ若者にとって今の左派は「保守」の代表みたいなものですからね、未来へ向けて左派は打破すべき古い価値観になってしまいました。

もちろん右派である自民党は名実とも保守そのもの。旧来の資本主義の形を守る政策を行なっています。とはいえ安倍政権は保守左派の主張である労働者の賃上げ、同一労働同一賃金、子育て支援などをたくみに取り込み、保守左派の存在価値を打ち消す戦略に出ています(いわゆる論点つぶし)。実に賢いですね。今の左派は「保守左派」ですから、保守である自民党にとっても与し易いのでしょう。

そうした中で、左派はますます存在感を失うでしょう。今の左派はあまりにも古い。もし左派が情勢を挽回したいと思うなら、前世紀の殻に閉じこもるのではなく、未来を軸に据えた革新政党を目指すべきです。

これからの時代に「革新」と呼べる政党は、急速に進化するテクノロジーによる社会変革を見据えた政策を提案できることはあまりに当然でしょう。テクノロジーの最前線に立つビジネスマンや学者の意見を積極的に取り入れるべきです。具体的な政策は様々でしょうが、少なくとも次の点は重要な政策課題になると思います。

・ベーシックインカムとその導入方法
・通貨改革による政府債務問題の解決
・通貨改革によるバブルとバブル崩壊の解決

左派は相変わらず完全雇用と賃金に固執し、税収の不足に悩まされ、バブル崩壊の歴史を繰り返すことを、ただ受け入れるだけの保守左派政党であり続けるのでしょうか。


2018年5月6日日曜日

ベーシックインカムの財源と通貨循環

2018.5.5

財源を考える際に重要な点は「通貨循環」です。おカネは経済を循環していますから、出て行ったおカネは再び戻り、また出て行く。ですから循環を考えずに歳入と歳出だけで財源を考えることは、ほとんど無意味だとわかります。

(じいちゃん)
今日はベーシックインカムにおける世の中のおカネの循環について考えてみたいのじゃ。

(ねこ)
なんでそんなこと考えるのかにゃ。

(じいちゃん)
世の中の経済は、多くの人々や企業が、生産した財(モノやサービス)を交換することで成り立って居るが、その交換の媒介を担うのがおカネじゃ。人々や企業の間をおカネが循環することで経済が成り立っており、もしその循環が滞ったりすると、たちまち経済が不況になってしまうんじゃ。じゃから、経済にとっておカネの循環が極めて大切であり、ベーシックインカムのような経済の仕組みも、おカネの循環から理解しておく必要があると思うからなんじゃよ。

(ねこ)
ふにゃ、おかねの循環がうまく行かないと、ベーシックインカムもうまく行かないんだにゃ。

(じいちゃん)
その通りじゃ。さて、まずは人間の労働が関係することですべての財が生産されている今日の経済について考えてみよう(図1-A)。なお図は極めて簡略化しており、金額は仕入れや経費のようなもの、あるいは設備投資などはすべて差し引いた後の額(付加価値)と思って欲しいのじゃ。また、金額の数値はあくまでもシミュレーションのための仮の数字であることは言うまでもないのじゃ。



財は生産者である企業で生産される。そして企業は労働の対価として労働者に対して、例えば①賃金100を支払う。労働者は同時に消費者でもあり、家計と呼ばれる。②家計は得られた賃金100を企業に支払い、③財100を得ることができる。企業に支払われた100のおカネは、再び賃金として家計に支払われる原資になる。このように、おカネが生産者(企業)と消費者(家計)をぐるぐると循環することで経済が成り立っておるわけじゃな。

次に、テクノロジーが飛躍的な進化を遂げ、人工知能やロボット、無人工場などですべての財が生産されるようになると、人間は働く必要がなくなり、いわばすべての人が失業状態になると考えられる。もちろんこれは最終的な話じゃが、仮にそうなったら、おカネはどのように循環するのじゃろうか(図1-B)。



すべての仕事を機械が行なうようになると、すべての人は失業状態となってしまう。それでは誰も企業から財を買うことができなくなってしまう。そこでまず①通貨100を発行する。それを②政府がベーシックインカムとして家計に100支給するんじゃ。家計は③100のおカネを代金として支払い、④100の財を得ることができる。⑤企業が代金として受け取った100のおカネは税金として政府に支払われるんじゃ。政府に支払われた100のおカネで、政府は100のおカネをベーシックインカムとして再び家計に支給することができる。

(ねこ)
ふにゃ、売り上げ利益をみんな税金で取られたら企業は潰れないのかにゃ。

(じいちゃん)
それは大丈夫なんじゃ、というのも、最初に100のおカネを発行しておるからじゃ。このおカネはそもそも政府がベーシックインカムを回すために発行したおカネであって、それによって企業の売り上げが生じておる。じゃから企業から政府がそのおカネを回収したとしても、企業には何の問題もない。回収しなければベーシックインカムを継続するためにおカネを発行し続ける必要があるし、一方で、毎年政府が発行する通貨を企業がどんどん貯め込み続ける結果になる。

またその逆に、もし仮に最初に100のおカネを発行せず、初めから税金として100のおカネを企業から回収すれば、企業の資産が100だけ減らされることになるじゃろう。これでは企業は潰れてしまう。

最初に、ベーシックインカムとして循環するためのおカネを発行し、これを家計に支給するところからスタートすれば、仮に税金を課されても経済に大きな悪影響を及ぼす恐れはないと思うのじゃ。

(ねこ)
なるほど、最初におカネを発行することがポイントなんだにゃあ。

(じいちゃん)
さて、それでは、人間の仕事が完全に機械に置き換わってしまう前の場合を考えてみよう。たとえば、50%の仕事が機械に置き換わるとすれば、およそ50%の人が失業状態になるわけじゃから、企業から家計に支払われる賃金も50%にへると予想できる。ならば、残りの50%のおカネをベーシックインカムとして支給する必要があると思うのじゃ。それを(図1-C)にしてみた。



この場合も、①最初にベーシックインカムとして支給する50のおカネを発行する。そして②家計にベーシックインカムとして50のおカネを支給するんじゃ。一方、50%の人は仕事をしておるから、③家計は賃金として50のおカネを受け取る。すると家計はベーシックインカムと賃金を合わせて100のおカネを手にすることになる。④家計は代金として企業に100のおカネを支払い、⑤100の財を得ることができる。企業は100のおカネを受け取り、⑥そのうち50のおカネを税金として政府に納め、残り50は次回に労働者へ支払う賃金の原資となるわけじゃ。そして、政府は企業から回収したおカネを再びベーシックインカムとして家計へ支給できる。

以上が、ベーシックインカムの基本的な通貨循環だとワシは考えておるのじゃよ。なお、ここでは株主へ支払われる利潤は省略しておる点に留意いただきたい。また、いくら政府がベーシックインカムのために発行したおカネだとはいえ、税によってすべて政府に回収されてしまうと、企業のモチベーションが下がるとの話もあるじゃろうから、すべて回収はせずに企業の内部留保などとして蓄えさせ、その分だけ通貨を少し多めに発行するという方法もアリじゃと思う。

(ねこ)
そうにゃ、政府が発行したおカネを企業がすべて貯め込むのは問題だけど、逆にすべて回収するのも酷なのですにゃ。すべて回収するんじゃなくて、企業の成績に応じて企業におカネが残る仕組みも必要なんだにゃ。バランスが大切にゃ。

(じいちゃん)
さて、もう少し具体的に考えてみよう。というのも、企業からベーシックインカムのおカネを回収する際に税制を利用するにしても、税制にはいろいろある。そこで、二つのケースを考えてみたいと思うのじゃ。一つはストック(資産)に課税する方式、もう一つはフロー(利益)に課税する方法じゃ。前者は資産課税、後者は消費税を考えてみよう。

最初は資産課税じゃ。これは内部留保、あるいは剰余金と呼ばれるいわば「企業の貯蓄」に課税する方式じゃな。人間の仕事の50%が機械に置き換わって、50%の人が失業状態にある場合を考える(図2-A)。



まず①通貨を50発行し、②ベーシックインカムとして家計に50を支給する。③家計には企業から50の賃金が支払われるので、家計の所得は合計で100となる。そして④代金として100を払うことで⑤100の財を手に入れる。企業は売り上げとして受け取った100のうち、50を次回の賃金の支払いに使うわけじゃが、残りは⑥企業の利益として貯め込まれることになる。これが剰余金じゃな。普通は企業の利益から株主に配当が支払われるのじゃが、ここでは支払わないものとする。すると企業の剰余金はどんどん増え続けることになるので、⑦これを資産課税として政府が50回収という寸法じゃよ。これがストックに課税する一つの方法じゃ。

ワシとしてはこれが良いと思っておるのじゃが、「内部留保に課税するとはけしからん」と経団連などが大騒ぎするかも知れないのう。おまけに「何が何でも消費税で」という人がいるので、消費税で考えてみよう。また、「働く人からカネを取って働かない人に配るのは反対」という人も多いので、なら消費税という形で消費者全てが広く負担するかたちにすることも一つの方法かも知れない。消費税を財源とすると、次のようになると思われるのじゃ。



まず①通貨を50発行し、②ベーシックインカムとして家計に50を支給する。③家計には企業から50の賃金が支払われるので、家計の所得は合計で100となる。そして④家計が企業に代金を100支払うわけじゃが、この代金には消費税も含まれておる。ここでは分かり易いように消費税を100%にしてある。すると、支払い100のうち50が消費税になる。⑤家計は100の財を手に入れて、企業は100の代金を受け取るが、このうち50は次回に支払う賃金の原資となり、⑥50は消費税の仮受金なので、これは政府に納めることになる。

この方法であれば、企業から文句を言われる筋合いはない、むしろ経団連は消費税を増税したくてウズウズしているほどじゃからのう。だが消費税とは付加価値税でもあるので、企業の付加価値に税を課しているとも言えるんじゃ。付加価値税を増税されて喜ぶ不思議な人たちじゃ。

いずれにせよ、最初にベーシックインカムを行なうためのおカネを発行して供給しておるから、家計にも企業にも大きな負担はないと考えられるのじゃ。つまり、財源が資産課税だろうと消費税だろうと、ベーシックインカムは通貨の発行を先行して行なう必要があると思うのじゃ。

(ねこ)
なるほど、消費税を増税してベーシックインカムを行なう場合でも、通貨を発行し、そのおカネを回すようにすれば、家計や企業に大きな負担を強いることなく運用できるかも知れないにゃ。

(じいちゃん)
ところが「通貨発行などけしからん、ベーシックインカムの財源はあくまで消費税だけ、しかも財政再建しろ」という考えの人も居るようじゃ。こういうタイプのベーシックインカムをワシは「緊縮型ベーシックインカム」と呼んでおる。では、消費税を財源とした、緊縮型ベーシックインカムはどうなるか、考えてみよう(図3)。



緊縮型ベーシックインカムの場合は、通貨発行はしない。税収等で通貨を調達して①ベーシックインカムとして20を支給する。おカネを発行しないのだから、当然、支給される額は小さくなる。②家計は企業から賃金50を受け取るが、ベーシックインカムと合わせて所得は70しかない。もし財100を購入しようとすれば、貯蓄を切り崩す必要がある。そこで③家計は貯蓄30を切り崩し、④代金100を企業に支払って、⑤財100を手に入れる。企業に支払われた代金100のうち、50は次回の賃金支払いに、⑥残り50は消費税として政府に納められる。政府は納められた税金のうち⑦仮に30を財政再建に回すとすれば、残りは20となり、これがベーシックインカムの財源となる。

つまり、このサイクルを繰り返すたびに、家計の貯蓄(金融資産)が切り崩され、政府の借金(負債)が減ることになる。家計の貯蓄を財源として財政再建する仕組みなのじゃよ。なにか妙な気がするかも知れんが、金融資産(おかね)は金融負債(借金)によって生じるのが現代の通貨の基本システムじゃから、借金を返済する以上は、誰かの資産(貯蓄)を取り崩さねばならないわけじゃ。

(ねこ)
酷い話しだにゃあ、もし、家計が貯蓄を切り崩さないとどうなるのかにゃ。

(じいちゃん)
家計が貯蓄を切り崩さなければ、財を買うためのおカネが不足する。この場合、ベーシックインカム20と賃金50の合計である70しか収入がない。だから財の売り上げは100から70に減少する。つまりデフレ不況に突入するというわけじゃよ。最悪の場合、家計の貯蓄が減る上に、さらにデフレ不況になる恐れもある。おそらく、財務省がベーシックインカムを主張し始めると、これが起きると思うのじゃ。緊縮型ベーシックインカムには大きな注意が必要なんじゃ。

(ねこ)
ふにゃ、緊縮型ベーシックインカムには気をつけるのですにゃ。

(じいちゃん)
では、消費税によるベーシックインカムについて、もう少し細かく考えてみよう。無職の人はベーシックインカムだけで生活することになる。このばあいの通貨循環はどうなるじゃろうか(図4-A)。



まず①通貨を50発行して、②ベーシックインカム50を支給する。無職者の家計はこの50がすべての所得なので、③企業に50のおカネを支払って、④財50を入手する。この財の量で最低生活が可能であれば、最低生活保障となる。さて消費税が100%ということは、家計が支払った50のうち、25が消費税に該当する。従って企業は受け取った50のうち⑥消費税として25を政府に納付するが、無職者に賃金を支払うことはない。となると、企業には剰余金として25のおカネが貯まることになる(配当金の支払いがない場合)。そうなれば、政府に回収されるおカネは25となり、ベーシックインカム50を支給するには足りなくなる。これを防止するためには、企業の剰余金25を回収する必要があるため、消費税だけではなく⑦資産課税を併用することで剰余金25を回収する。このように考えられるのじゃよ。

(ねこ)
ふ~ん、消費税単独でベーシックインカムを行なうのは難しそうだにゃ。ちなみに働いている人の場合はどうなるのかにゃ。

(じいちゃん)
働いている人の場合はあまり問題なさそうじゃ(図4-B)。



同じような図を何度も説明しておるので、詳細は省くが、この場合は企業に剰余金が貯まり続けることはないと思うのじゃ。

(ねこ)
うにゃ、それじゃあ、ベーシックインカムの財源としては、「資産課税の方法」と「消費税+資産課税の方法」のどっちでも成り立つから、どっちでも構わないのかにゃあ。

(じいちゃん)
「資産課税の方法」と「消費税+資産課税の方法」のどちらでも同じかと言えば、そうとは限らない。これはおカネの循環を単純化したマクロのモデルに過ぎない。人々がそれに沿って合理的に行動するわけではないのじゃ。実際の社会は個々の人々や企業の多様な行動が合成されて方向性が決まる。たとえば消費税を財源とする場合は、いくら最初におカネを発行して配ります、と言ったところで、いきなり消費税が100%だとそれだけで消費者心理が冷え切って、消費が抑制されてしまうかも知れない。おまけに、このモデルでは家計の貯蓄は考慮していない。人間はおカネを貯め込むのが好きらしいので、そうなった場合は家計の貯蓄に課税する方法も検討する必要が出てくる。人間が常に合理的な行動をするなら、誰も苦労はしないじゃろう。

とはいえ、おカネの循環から考えるとスッキリわかりやすいと思う。財源ガーとかシャッキンガーとか、単にそれだけを見て騒ぐ連中のバカバカしさがより明確になる。税と通貨循環の関係も分かるはずじゃ。マクロにおいてはおカネを介して全てが繋がっており、一体のシステムなのじゃ。

じゃがこうした考え方は新聞マスコミには決して出てこないじゃろう。マスコミの意図がバレてしまうからな。マスコミは報道しないことで世論を操作する。もちろん、これはワシが勝手に考えたシミュレーションじゃから完璧なものではない。ミスもあるじゃろ。じゃが、単にプライマリーバランスだの、国の借金だのという話ではなく、こうした通貨循環から経済、あるいはベーシックインカムを考えることの大切さを理解して欲しいと思うのじゃ。

(ホームページにも同時掲載)

2018年4月29日日曜日

新作著書「最強のベーシックインカム」

「最強のベーシックインカム」
AIとロボットが働く時代のおカネのシステム
毎月1万円から始めて10年後に1人10万円

単行本(ソフトカバー)
出版社: サンクチュアリ出版
発行:SIBAA BOOKS

Amazonのほか、書店にてお買い求めできます。

特長:
経済の初心者向けに基本的な部分をしっかり説明しました。親しみやすい会話形式で理解度もUP。おカネが不足すると経済が回らなくなるという、誰でもわかる簡単な話から始めて、人工知能やロボットにより大量失業が生じる問題を通じて、ベーシックインカムの必要性をスムーズにご理解いただけます。またベーシックインカムの導入方法や財源についてもご説明します。

<目次より一部を抜粋>

第一章 政府は今すぐおカネをばらまこう
・国民がおカネをもらえるワケ
 おカネを配って景気回復しよう
 インフレでも生活は困らない
・人工知能とロボットが仕事を奪う時代
 10~20年後に仕事の半分がなくなる?
 日本は人手不足じゃないのか?
・ベーシックインカムに増税は必要か?
 原則=より多く作れば豊かになる
 貯蓄ではなく循環が社会保障を維持する
・ベーシックインカムのサブタイプ
 ベーシックインカムの導入方法

第二章 「生活のための労働」の終焉
・通用しないこれまでの常識
 働けば働くほど賃金は下がる
 企業の生産性を高めても賃金は増えない
 最低賃金を上げるほど格差が広がる
・おカネを配ると社会がダメになるは本当か
 働く人が減って経済が衰退する?
 介護職の担う人がいなくなる?
 働いている人が損をする?
 人間が堕落して進歩しなくなる?

第三章 ベーシックインカムで問題解決
・ベーシックインカムのメリット
 チャレンジングで明るい社会
 経済の劇的な回復と安定化
 生産性の向上と所得の向上
 資源の効率的利用
 子供の貧困対策と人口増加
 地方経済と農業の活性化
 犯罪や自殺の発生率低下
 社会保障制度の効率化と充実
・グローバリズムや構造改革への対症療法

第四章 おカネに縛られない自由な社会
・ベーシックインカムの基本思想
 ユートピアとしての未来社会
 持続可能なベーシックインカム
・未来はディストピアになるのか?
・すぐ始められる月1万円からのベーシックインカム





誰でも理解できる通貨制度に改革しよう

量的緩和にしろマイナス金利にしろ、MBやMSにしろ、大多数の国民はほとんど理解できていないはずです。なぜなら「仕組みがややこしい」からです。誰でも理解できる簡単かつ自然な通貨制度へ変更すべきでしょう。

通貨制度を変更すると聞くと、私達の生活が激変するような不安を覚えるかも知れません。例えば今の紙幣や硬貨が使えなくなるとか、預金通帳が使えなくなるとか、今までのやり方が変わってしまうのではないか、という不安です。

しかし私達のやり方を今までとまったく変えることなく、通貨制度は変更可能です。なぜなら、私達が関係する部分よりもずっと川上の仕組み、つまり「おカネの発行の仕方」を変えるだけであって、企業や個人には直接関係しないからです。発行されるおカネは今までとまったく同じで、同じように流通します。

具体的に言えば、100%マネー制度あるいは政府通貨制度と呼ぶ方法です。

多くの国民は「おカネは日銀が発行する」と思っているでしょう。しかし、そんな単純な話であれば、量的緩和政策もマイナス金利政策も必要ありません。日銀がおカネを発行するだけで済むからです。実際には「おカネは日銀が発行する」のではなく、事実上「市中銀行がすべてのおカネを発行」しています。それだけでも十分にややこしい制度でしょう。

通貨改革の骨子は単純です。「おカネはすべて日銀が発行する」という制度にすれば良いだけです。日銀がすべてのおカネを発行する、これが100%(日銀)マネーです。市中銀行はおカネの発行を停止し、日銀あるいは政府がすべてのおカネを発行する。

例えば、量的緩和はなぜ効果がなかなか現れないのか?それは100%マネーではないからです。もし100%マネーであれば、日銀がおカネを増やせば即、世の中のおカネが増えます。しかし現在の金融制度では、日銀がおカネを増やしても、それが市中銀行によって市中(個人や企業)に貸し出されない限り、世の中のおカネは1円も増えない仕組みになっています。そのため日銀がおカネを発行しても、世の中のおカネがなかなか増えず、効果が現れにくいのです。

こうした例はたくさんあります。ならば何もややこしい制度を維持する必要などありません。わざわざ複雑な制度にすることで大多数の国民が理解できず、経済学者が複雑な数式や理論を駆使しなければ通貨供給を予測できなくなっています。国民に理解不能な通貨制度は、民主政治すら危うくするでしょう。

そして100%マネーは有名な経済学者であるフィッシャーやフリードマン氏らが提唱していた制度でもあり、理論の信頼性は十分あると言えるでしょう。

「おかねはすべて日銀(=国)が発行する」という、普通の国民が普通に考えているおカネの形を制度にすれば良いだけなのです。そうすればバブルとバブル崩壊の問題も解決できるのです。

2018年4月28日土曜日

社会主義失敗の原因は市場の否定

社会主義(ソビエト等)の失敗の原因は「市場原理の否定と排除」を行なったことであり、ベーシックインカムの推進が社会主義と同じ失敗を招くことはありません。

ベーシックインカムを社会主義的な政策であると考え、ゆえに、ベーシックインカム政策を推進すると社会主義と同じように経済が失敗すると考えている人がいるようです。しかし社会主義国(共産主義国)の経済が失敗した根本的な原因は「市場原理の否定と排除」にあります。

マルクスは当時の資本主義社会における労働者の悲惨な境遇を目の当たりにして、その原因が市場経済にあると考えたわけです。実際、何の対策も施さずに市場経済を放置すると、労働者は搾取され、貧富の格差が拡大することはあまりに明白です。つい最近でも中国を見ればそれは明らかでしょう。

そこでマルクスの影響を強く受けた共産主義国家では、諸悪の根源と考えた市場原理を否定し、市場原理を排除した経済を構築しました。計画経済です。しかし市場メカニズムを排除したことにより、資源の最適配分が機能しなくなりました。資源の利用効率が低下し、研究開発も生産も非効率化して、結果として資本主義経済の先進国に大きく遅れを取ることになったわけです。

資源の利用効率が低いにもかかわらず、それに加えてソビエトでは軍事産業が毎年のように巨大化して資源の多くを奪っていましたから、なおさら人々の生活を圧迫する結果となり、ソビエトは経済的に破綻してしまいました。

一方、今でも自らを社会主義国だと主張している中国は、実際には強烈な資本主義国であって、市場原理に基づいて経済が動いています。社会主義を主張したところで、市場原理を用いなければ、資源の配分を最適化することは難しいと考えられます。

とはいえ、中国における貧富の格差、労働搾取の実態は、むき出しの市場原理が社会に歪みをもたらすことも証明しています。ですから、市場原理を採用しつつも、それによって発生する社会の歪みを是正する政策が同時に必要となります。そのため多くの資本主義先進国では、市場原理に加えて再分配政策を併用することで社会の不安定化を防いでいるわけです。

ただし、再分配政策は市場原理の機能を損なう傾向もあるため、そのバランスに苦慮することになります。そうした中で、ベーシックインカム政策は市場原理の機能を大きく損なうことなく、市場原理がもたらす社会の歪みを解消する方法として注目されています。

一方、社会主義の失敗を「人々が働かなくなったから」と思っている人も多いような気がします。昔から新聞マスコミでは社会主義国における人々の労働モラルの低さを何度も何度も繰り返し報道してきましたから。そうした側面がないとは言えないでしょう。しかし仮に社会主義国において労働者のモチベーションが高い状況(ミクロ)であったとしても、資源の配分が適切でなければ(マクロ)、経済は停滞することになります。

また、社会主義国におけるモチベーションの低さは、「働いても働かなくても給料が同じ」ためであると何度も報道されてきましたから、そうだと思い込んでいる人も多いと思います。しかし、ソビエトでは生産が非効率的であると同時に、軍事産業へ資源を吸い取られた結果、「働いても働かなくても、生活が一向に良くならないどころか、ますます貧しくなる」という状況にあったと考えられます。これでは働かなくなるでしょう。

もし仮に、労働の結果として毎年のように生活が向上するのであれば、多少ズルしてサボっている奴が同じ給料を貰っているのを目撃したとしても、それで「働くのや~めた」となるとは思えません。年功序列時代の日本みたいなものです。

この場合でも、ベーシックインカムは「働かなくても所得は得られるが、働けばより多くの所得を得られる」わけですから、そもそも「働いても働かなくても給料が同じ」ではありません。

ベーシックインカムを社会主義的な政策であると誤解し、なおかつ、社会主義の失敗の原因も十分に理解しないまま「ベーシックインカムを実施すると社会主義と同じ失敗になる」と懸念することは、意味のないことです。

2018年4月25日水曜日

新・公共事業のすすめ

公共事業と聞けば新聞マスコミはパブロフの犬のように「バラマキだー」と大騒ぎしますが、そもそも公共事業の何が問題なのか不明確です。正しい公共事業なら供給力を向上して国民を豊かにします。

そもそも公共事業の何が問題なのか?それは公共事業そのものだけでは供給力を増やさない点にあります。例えば日本全国に新たな道路を作っても供給力は増えませんから、国民生活は豊かになりません。もちろんデフレであれば公共事業を通じて国民におカネが分配される効果はありますから必ずしもムダとは言えません。地震や台風などからの防災という点でもインフラは必要不可欠なものです。しかし供給力の点では効果は限定されますから、経済政策として従来型の公共事業を行うことはあまり効果的ではありません。

もし日本が開発途上であって、道路がないのであれば、公共事業によって道路を建設することで物流が活発化し、民間投資も巻き込んで、産業全体の拡大を促すはずです。それは供給力の増大を通じて国民生活を豊かにするはずです。ですからインフラの不足している国がインフラ投資を行なうことは供給力の拡大につながる効果的な支出です。

しかし、日本のようにインフラが十分に普及している場合、従来のインフラである道路、港湾、空港、鉄道のような公共事業を行っても、大幅な供給力の向上は期待できないわけです。しかしインフラはそれだけなのでしょうか?

例えばテクノロジーがあります。確かに民間によるテクノロジーへの投資は活発ですが、リターンが低くてリスクが大きい基礎研究には民間も躊躇するでしょう。そこで、基礎研究こそ新たな時代の「インフラ」であると考え、政府が積極的に公共事業(研究事業)を行うわけです。あたかも途上国の道路開発のように、基礎研究が完成すれば、そこに民間投資が集まってきて、大きな産業に育つ可能性があるわけです。それは供給力を高め、国民を豊かにします。

公共事業と聞けば条件反射で反対するのではなく、供給力を増やせるか増やせないか、といった観点からムダか、ムダではないかを客観的に判断すべきでしょう。その意味では従来型の公共事業に代わって、新・公共事業としての基礎研究事業にますますおカネを投入すべきだと思われます。少子高齢化に対応するためにも、人工知能やロボット、3Dプリンタ、あるいは再生可能エネルギーや資源リサイクルの分野における研究は、ますます拡大すべきです。

そして最も重要な点は「選択と集中をしない」ことです。研究において選択と集中をすれば、必ず失敗します。予期せぬことから大発明は生まれるのです。つまり「わけのわからない研究もどんどん予算を付けて」、とにかく研究させることが重要です。

もちろん、申し上げるまでもなく、財源は通貨を発行すれば良いだけですから。

2018年4月21日土曜日

引きこもりに社会変革の担い手を期待

多くの人々が日々の労働、残業に次ぐ残業に追われる毎日。社会問題あるいは経済問題をじっくり考える時間などほとんどないでしょう。実際、自分もそうでしたから。そんななか、日本に大勢いる引きこもりの皆さんの活躍に期待しているのです。

引きこもりと言えば、とかく一般の人には「ネガティブ」な印象しかないでしょうが、自分は正反対です。引きこもりには労働者には無い「自由な時間がある」。つまり、考える時間がたっぷりあるのです。この「考える」行為は非常に重要であり、一般大衆のように、短絡的にマスコミの印象操作に載せられて右往左往するのではなく、自分の頭でじっくり考えて判断できる。

現代はインターネット時代であり、ネットを利用することによって、マスコミに頼るだけでは得られない、多面的で深い知識を得ることができます。情報を収集分析する点において、引きこもりはハンデがあるどころか、明らかに一般の人よりも優れているとさえ考えられます。

他人とのコミュニケーションがないことが、考え方に偏りを生じると思うかもしれません。しかしフェイス・トゥ・フェイスがないだけであって、ネット世界におけるコミュニケーションはむしろ現実世界よりも多様かつ活発であり、それは最近の若者のSNSへの対応を見てもわかるでしょう。

むしろ、同じような話を何回も何回も繰り返すだけのマスコミの報道に依存しないだけ、より客観的で多面的な判断も可能だと思います。

ですから、引きこもりの皆さんこそ、社会変革のための意識を持ち、自分の頭でその方法を考える担い手になれるはずだと考えているのです。もちろん、彼らが国会前に集まって騒いだりすることはないでしょう。しかし現代はインターネットの時代であり、社会変革のためにデモをやらなきゃならないわけではありません。インターネットを利用して、自らの考えを発信し続け、あるいは他の人々とバーチャル空間で連携することで十分に活動できるはずです。

引きこもりは日本の改革をリードする担い手となる可能性を秘めています。一人ひとりの力は弱いかも知れませんが、彼らの活動が日本を変えることをひそかに期待しています。引きこもり、大いに結構です。できれば、その立場を生かしてネットによる社会変革への参画をお願いしたいのです。


2018年4月19日木曜日

緊縮に反対だから安倍しか居ない

安倍がどうなろうと知った事ではないが、安倍政権が崩壊すれば緊縮政権が誕生することになる。極めて深刻だ。もしさらなる緩和政権が誕生するなら、いつ政権崩壊してもかまわないのだが。

安倍政権が政治週刊誌ネタのような問題で支持率が低下している。野党はどうせ政権など取れるはずもなく、とにかく中国と韓国に譲歩しない安倍を引きずり下ろせば、あとは首相が自民党の誰であろうと構わないのだろう。だから「自民党を許さない」ではなく「アベを許さない」という個人攻撃になる。

野党はアベさえ降ろせば目的達成だろうが、国民はその後が困る。自民党内では次期首相の座をを狙って水面下の動きが活発化しているらしい。しかし次期首相候補とされる石破、岸田、野田氏らはいずれも財政緊縮派だという。ちなみにこの機に乗じて庶民の人気取り発言に忙しい小泉進次郎氏も緊縮だ。

普通に考えて次期政権が「緊縮政権」になることはほぼ間違いない。つまり、金融緩和の縮小、財政支出の抑制、増税である。結果としてマネーストックの伸びが減少し、通貨の供給不足は経済をデフレへ逆戻りさせることになる。恐らく株式市場は下落し、円高になる。それはますますデフレを悪化させる要因となるでしょう。

こんな緊縮シナリオが目に見えているのに、野党やマスコミと来たら、とにかく目の前のこと、安倍が、安倍が、で先のことなど考えていないとしか思えない。あとは野となれ山となれである。まあマスコミにとって為政者を叩くのはある種のお祭り騒ぎなのだろう。こんな新聞やテレビが報道の公平性などと「放送法改定」に反対しているのだから、笑うしかないw。まさにマスコミ主導で国民が振り回されるポピュリズム政治も極まった感じですね。

こんなお祭りマスコミしかない日本じゃあ、まともな民主主義など機能しないでしょうけど、それにしても、与党も野党も政治家のほとんどが「緊縮派」だという異常な政治はいい加減にして欲しい。これでは日本の衰退は決まったようなものです。

既存の殻を打ち破るべく新しい政党の登場が待たれますが、ところが最近、新党として出てくる政党もことごとく「緊縮派」とくるからすごいw。なぜ人工知能やロボットのようなテクノロジーの時代に相応しい「明るい未来の描ける政党」が出てこないのか?そういう政党が出てくれば、安倍政権を支持する必要はまったくないのだが。

こんな調子だと、自民党に投票しても野党に投票しても日本はおしまい。いよいよ選挙で投票する先がなくなり、投票を「積極的に棄権」をするしか選択肢が無くなるのかも知れませんね。



2018年4月16日月曜日

増税するなら消費税じゃなく金融資産課税

基本的にデフレ期に増税する必要はまったくないと思います。それでも増税したいのであれば、消費税は大間違いであり、膨れ上がり続ける金融資産に課税すべきでしょう。

なぜ消費税の増税が間違いなのか。勤労世帯における有業者1人当たりの給与と、世帯1人当たりの消費金額の長期推移をみます(単位は月額円)。給与所得者の所得が低下し、消費も下がり続けています(消費支出には税も含むので、実消費は消費税の分だけさらに減少している)。このような状況で消費税を増税すれば国民が貧困化するだけでなく、間違いなく消費が減って景気が悪くなるでしょう。



一方、金融資産の推移をみます(単位は億円)。ここでは金融資産から金融負債を引いた純資産の額で示しています。企業がカネを貯めこんでいるといわれますが、貯め込む企業がある一方で、カネを借りる企業も増えているため純資産としてはそれほど増えていません。家計の金融資産はどんどん増加して続けています。家計の純資産としては1500兆円を超える勢いです。こんなにおカネがあるのに景気は良くなりません。なぜなら「貯めこまれたまま使われていない」からです。



こうした状況ですから、死蔵されているおカネ(金融資産)に課税して吸い上げ、低所得者の所得支援あるいはベーシックインカムとして全国民に再分配すれば、消費が増加して景気も良くなると考えられます。例えばわずか1%課税するだけで15兆円(消費税6%に匹敵する)も再分配が可能になります。

もちろん、デフレの現在、増税の必要があるとは一切思えません。通貨発行によるヘリコプターマネーで「増税なき財政再建」も十分に可能でしょう。しかし、そんなに財務省や新聞マスコミが増税したいのであれば、消費税の増税は大間違いであり、正しい方法は膨れ上がり続ける「金融資産への課税」だと思うのです。

2018年4月8日日曜日

マクロから見た脱時間給の欠陥

労働時間ではなく成果によって賃金を決める脱時間給が推進されようとしています。マクロ的な観点から見て、これが欠陥制度(欺瞞)である点を指摘したいと思います。

成果に応じた報酬は、一見すると正しいように見えます。成果がなければ報酬は払えない。企業の立場から言えばまったくその通りです。では成果とは何かと問えば、それは企業の売り上げに貢献することだと言うでしょう。

ミクロの観点から言えば、企業は商品の販売によって売り上げ利益を出し、そこから従業員への給料を支払います。そのため、いくら従業員が優れた労働をしたとしても、売り上げ利益の範囲でしか給料を払うことはできません。つまり企業の売り上げが拡大しない限り、逆立ちしても給料は増えないことを意味します。

一方、マクロの観点から言えば、企業の売り上げが増えるということは、世の中を循環する通貨量が増加することを意味します。これは同時に名目GDPの増加(1人当たりGDPの増加)でもあります。そして世の中のおカネの量(マネーストック)が増えなければ、世の中を回るおカネが増えないのは当然ですから、企業の売り上げはマネーストックの伸び率に大きく左右されます。

以上より、労働の成果はマネーストックの伸び率に大きく左右されることが必然なのです。こうした点を何ら考慮しない「脱時間給制度」は欠陥制度であると言えます。

極端な例で言えば、どれほど天才的な頭脳を持った社員であったとしても、デフレが続けば会社の売り上げは増えないため、成果(売り上げの拡大)は望めず、給料は増えないのです。そうした社員はどうすれば給料を増やせるか?デフレを放置する日本から脱出して、インフレ傾向の国に移民すれば確実に給料が増えるでしょう

すなわち、デフレの国で長時間労働するよりも、インフレの国で短時間労働するほうが、はるかに高い成果(企業の売り上げ)に結びつくのです。これは極端な話ですが、傾向としては間違いないはずです。こんな馬鹿げたことをしていると、優秀な人材は海外にどんどん流出するでしょう。

日本は官民挙げてやっていることが支離滅裂です。各政策間の整合性がありません。「総合戦略」という視点が欠落しています。多くの新聞マスコミ、政治家が金融緩和を批判し、消費増税と緊縮財政によって世の中を循環するおカネの量を減らそうとする一方で、売り上げ依存の脱時間給を導入しようとする。

総合戦略なき烏合の衆に成り果てた日本の行く末に、
危機感を覚えるのです。

2018年4月7日土曜日

輸出拡大より内需拡大を急げ

日本は貿易立国だから輸出拡大は当然だ。そう考えている人は多いかも知れません。しかし貿易立国だとしても輸出拡大の必然性はありません。

そもそも貿易の基本は「国内で調達できない資源を手に入れるため」です。例えば石油を買うためには外貨が必要であり、その代表格が米ドルです。たとえば資源1単位=1ドルとして、日本で100の資源が必要なのであれば、輸出によって100ドルの黒字を稼ぎ出し、その100ドルで100の資源を買えばよいわけです。すると輸出の黒字100は輸入代金100と相殺されますから、それで貿易は成り立ちます。それ以上の貿易黒字は必要ないのです。

生産の国際分業の観点(比較生産費説)から言えば、貿易は資源の調達ではなく多国間における生産コストを抑えるためにありますが、しかしこの場合においても貿易黒字を必要とするわけではありません。輸出ばかりどんどん増やしても意味がないのです。

もちろんそれは基本であって、貿易黒字で稼ぎ出した外貨を外国に投資すれば、日本の企業などは海外に資産を有することになり、これが金利等を稼ぎ出しますから、悪いことではありません。いわゆる対外純資産です。しかし日本の対外純資産はすでに世界最大クラスですから、もう十分かも知れません。

あるいは、開発途上国の段階であればより多くの外貨を必要とします。なぜなら資源だけではなく、先進国から多くの生産設備(資本)、技術などを導入する必要があるからです。ですから途上国はより多くの外貨を必要とします。しかし日本はその段階をすでに過ぎています。

その一方、輸出が増大すれば国内の景気が良くなることは明らかです。その意味では輸出拡大に頼りたくなる気持ちはわかります。しかし、なぜ輸出が増えると景気が良くなるのか?その理由は通貨循環量の増加にあります。

輸出企業が儲かれば、外貨を得られます。その外貨は為替市場で円に戻されますが、その円が輸出企業の従業員、あるいは仕入先、関連企業などに流れます。こうして貿易黒字は国内の通貨循環量を増加させます。これが国内の経済を刺激すると考えられます。しかし、もし貿易黒字によらなくとも、企業の売り上げが増加し、従業員等におカネが流れるのであれば同じことが言えるでしょう。

つまり、外需によって輸出を増やしておカネを回しても、内需によって国内消費を増やしておカネを回しても、同じなのです。国内のおカネの循環を増やすために、必ずしも外貨を稼ぐ必要はありません。むしろ「必要以上に外貨を稼ぐ」からこそ、貿易不均衡だと非難されるのです。

輸出によって外貨を稼ぐことは必要ですが、必要以上に外貨を獲得しても意味がありませんし、貿易摩擦を拡大するだけです。日本は内需を拡大し、内需主導でおカネを回して景気を回復するべきでしょう。

内需拡大とはすなわち国民がそれだけ多くの消費をすることであり、それは国民生活が豊かになることを意味します。その具体的な方法は何も難しくありません。単純におカネを発行し、それを国民に広く公平に配れば良いだけなのですから。


2018年4月3日火曜日

更新日を変更します

今のところ本ブロクの更新は主に平日に行なっておりますが、今後は土日の二日間に変更しようと考えております。同時にツイッター(のらねこま)でも、主に土日を中心に適当に呟きますwので、よろしければそちらもご覧ください。よろしくお願い申し上げます。

まず長期的なグランドプランが必要

政治家もマスコミも「アベノミクスの成果のあるなし」で大騒ぎしていますが、そんな短期的な動きで騒いでも意味ありません。その前にもっと長期的なマクロの動きを確認し、グランドプランを構築する必要があります。

日本の経済は高度成長期からオイルショック、バブル期、バブル崩壊後の失われた20年、そしてアベノミクスの時期と、連続的に流れてきたわけです。その間、良いことも悪いことも様々ありながら、日本経済が推移してきた状況がマクロ的な観点から理解することができるでしょう。

それらの各経済ステージにおいて良かった点と悪かった点、そしてその原因を分析することで、反省や学習に基づき、これからのあるべき経済政策をまず立案することが先決のはずです。いまの短期的な変化を捕まえて騒いでいても意味ありません。グランドプランが必要だと思います。

その上で、そのグランドプランに対して安倍内閣のやっていることはどうなのか?これが問われなければなりません。もしプランとして疑問のある方法を行なっているのであれば、その点において攻撃されるべきでしょう。まずは確たる経済のグランドプランありきです。

グランドプランを理解するには、少なくとも1960年代からの日本の経済の推移と、その理解が重要だと思います。しかし今日においてそれが十分に理解されているとは思えません。マスコミの話は単に「オイルショックはインフレで大変だった」とか「バブルは良くない」とか、そういう程度でしょう。オイルショックのインフレと高度成長期のインフレとは何が違うのか、あるいはバブル経済を全否定して騒ぐだけでなく、その功罪をきちんと考えるべきでしょう。

その中で、現代はますます金融緩和のような、おカネの政策、マネーストックやマネタリーベースといった指標が重視される時代なのですから、「通貨政策」「通貨供給量」の観点から過去の経済を見直す必要があると思うのです。

ここ数年のマクロ指標を取り出して、アベノミクスは成功しただの、失敗しただのと騒ぐ与党も野党もマスコミも、まるでお話にならないと思うのです。




2018年3月29日木曜日

陰謀論なら「新聞の忖度」の疑惑も大

「怪しい」というだけで、証拠が何もないのに「疑惑がある」として騒ぎ立てる。これは典型的な陰謀論です。もしそれを言うなら「マスコミの陰謀」も同様に疑わしい。なぜマスコミに陰謀が無いと言い切れるのか。国民は真実を知りたい。

最も疑わしいのは「マスコミによる財務省への忖度」である。

具体的にはマスコミ総出で消費税の増税を推進する「増税翼賛報道の蔓延」だ。インターネットの様々な情報に接していれば、消費税の増税に反対する著名な経済学者や知識人の意見に多く接することができる。ネットは多様な言論空間である。

しかし新聞テレビにはそれがない。なぜか、財政再建のためには消費税の増税が当然であるとの識者・意見ばかりが押し出される。しかも普段は意見の異なる朝日・毎日系の新聞も読売・産経系の新聞も、もろ手を挙げて消費増税を翼賛しているのである。

これは怪しい。

しかも背景に疑わしい事実が存在する。それが「新聞の軽減税率」である。つまり財務省に忖度して財務省の希望する「増税翼賛記事」を報道することで、新聞の軽減税率を得ようとする陰謀である。いや忖度どころか、裏取引があるかも知れない。いや「そうに違いない」「そうに決まっている」。国民は真実を知りたい。

マスコミに聞いても「そんなことはない」と応えるだろう。信用できない。隠しているのであろう。ならば、なぜ新聞の軽減税率を自ら潔く辞退しないのか。そんなに財政再建が大切なら、新聞は2倍の消費税を払って財政再建に貢献すべきであろう。

しかもマスコミは、財務省の公文書偽造事件に際して、その原因は忖度を生み出した強すぎる官邸主導(政治主導)にあるという財務官僚の声まで報道して、財務省を擁護する姿勢をみせた番組もあったらしい。

財務省を擁護するマスコミを見て「疑念がますます深まった」。マスコミが軽減税率欲しさに国民を売り、財務省の希望する増税翼賛記事を垂れ流し続けているのだろう。

自分は陰謀論を頭から否定しない。安倍政権も怪しいだろう。しかし同様に、財務省とマスコミによる「増税の陰謀」もまた極めて怪しい、いや、陰謀があるに決まっているのである。マスコミが否定するならますます怪しい。国民は真実が知りたいのだ。


2018年3月28日水曜日

日本の格差は「緊縮型格差」だ

社会に格差が広がっているとの声が多く聞かれます。ではどのような形で格差が生じるのでしょうか?考えてみると格差には2つの発生パターンがあると思えるのです。

パターンA:富裕層におカネがドンドン集中する。

富裕層がますます富むことで格差が広がるパターンです。中低所得層の所得が伸びずに、高所得者だけがどんどん豊かになるから差が開くわけです。バブル型、勝ち組・負け組み型とでもいえましょうか。アメリカはこれじゃないかと思います(推論)

パターンB:富裕層はそのままだが、貧困層が増える。

富裕層の所得は増えないが、中所得者が貧困化して貧困層が増えるため、格差が広がるパターンです。富裕層の所得は増えていませんから、富裕層にとっては「格差が広がった」と言うほど、自分達が富を独占している気にはなりません。なので「格差拡大のために高所得者の税金を上げろ」と言われても怒るだけです。これは「緊縮型」あるいは「デフレ型」と呼ぶべきだと思います。



日本の給与階級別分布のデータを見ると、1995年から2015年にかけて、年収400万円以上の階級のほとんどで数が減り、代わりに年収100~200万の低所得層が大きく増加しています。高額所得者も貧困化している、つまり、日本の格差の原因は、

すべての労働者が貧困化した

というわけです。少なくとも、給与所得者について言えば、勝ち組が所得を増やしたのではなく、「すべての労働者の所得が減った」なのです。なぜか?緊縮、デフレだからです。世の中のおカネが回らなければ、労働者の賃金も上がらない。

日本の格差は「緊縮型格差」、
すべての労働者が負け組みなのです。

2018年3月27日火曜日

森友騒ぎと陰謀論の類似点

森友騒ぎはいわゆる「陰謀論」に近い性質を持っています。忖度した・しないには証拠が存在しないため、状況による推論だけで善悪が判断されがちだからです。もちろん陰謀論を頭から否定はしません。その意味では911陰謀論とも共通します。

ある状況に対して疑いの目を持って見れば、いくらでも疑わしい点が出てきますし、考えるほどにそれが整合的であると思えてきます。それが陰謀論です。巨大な陰謀論の代表例として911、アメリカ同時多発テロ事件に陰謀が関係していたという説があります。

当時、ニューヨークの貿易センタービルにジェット機が突入し、二つのビル、そしてジェット機が突入していない近隣する一つのビルも崩壊したわけですが、その崩壊がどれもすべて同じように、綺麗にまっすぐ崩壊しており、ビルの爆破解体に酷似していました。しかもジェット機が突入していないビルも、解体工事のごとく綺麗に崩壊しているのです。さらに映像を詳しく見ると、崩壊に先行して爆発が生じているようにも見受けられるといいます。そのほかにも、「疑わしい」と思えば、あやしい例がいくつもあるということです。

ただしそれは、状況を見る限り、いかにもあやしいのであって、証拠はありません。しかし陰謀によって意図的に破壊されたと考えると、非常にスッキリと理解できます。ああ、ありえるな、と思えるわけです。しかし、証拠はありません。

では、陰謀論をどう扱うべきか?

およそ人間社会は陰謀が渦巻いており、陰謀がない人間社会など考えることすら不可能でしょう。陰謀は何も政府や国家の話だけではなく、企業内の権力闘争、近所との関係においてすらあり得ます。もちろん程度の差があって、たんに相手を出し抜く程度の陰謀もあれば、相手の命を奪うほどの陰謀もある。

ですから、陰謀論そのものを否定することはできないでしょう。陰謀はあり得ると思います。しかし、証拠もなしに推論だけで関係者を非難したり、罰したり出来ないのは当然です。そしてまた、新聞テレビのようなメディアが確たる証拠もなしに、怪しいという状況だけをもって、いかにも疑惑が真相であるかのような印象を与える憶測報道を繰り返すことも許されないでしょう。

911陰謀論にしろ森友騒ぎにしろ、こうした推論はあくまで仮説なのですから、一方の側からだけ報道すれば、それは世論誘導以外の何ものでもありません。逆の側から違う説を説明することによって初めてバランスが取れるわけです。簡単に言えば、「安倍の陰謀だ」という説と、「安倍の陰謀はあり得ない」という説の、両方がバランスよく語られることが必要でしょう。もし911陰謀説を当時のマスコミが、あたかも陰謀が真実であるかのように大々的に煽り立てて報道していたら、どうなっていたでしょうか。

こうした点を冷静に判断し、疑惑を扇動するような行為を自粛しないのならば、マスコミによってやり放題に「犯罪者を作り出す(冤罪)」社会になってしまうと思います。

(ご参考までに:ビジネスジャーナル 2017.09.17)
9・11米同時多発テロ、真相知る民間人が次々と不審死か…米政府の自作自演説も根強く

2018年3月22日木曜日

イタリアでベーシックインカムは実現するか?

イタリアでは選挙公約にベーシックインカムを掲げた政党「五つ星運動」が大躍進しました。これは画期的な出来事ですが、仮に五つ星運動による政権が誕生しても、ユーロ圏である限り、イタリアのベーシックインカム実現は多難です。

新聞マスコミは、「五つ星運動はポピュリズムだ」と連呼し、さかんにネガティブキャンペーンを展開しています。しかし市民運動が既存の右派・左派政党を上回る政治勢力に成長できた画期的な出来事であり、既存の政治勢力に政治を独占されてきた日本でもこうした運動に希望が持てることの証明だと思います。

ところで、日本の新聞マスコミはほとんど報道しませんが、五つ星運動は「ベーシックインカム」を選挙公約に掲げていました。ニューズウィーク日本語版の記事によれば、1週間の社会奉仕と求職活動を継続していることを条件に、全国一律月780ユーロのベーシックインカムを実施するといいます。現在の議席数では、五つ星運動だけで政権を立てることは難しい状況ですが、もし他党との協議が成功して五つ星運動を主体とする政権が誕生すれば、先進国で始めて、ベーシックインカムを実施する国が誕生するかも知れません。

とはいえ、実際に五つ星運動がベーシックインカムを実現できるのでしょうか?それについてはかなりの困難が予想されます。その理由は、

イタリアがユーロ圏だから難しい。

ユーロ圏ということはイタリアに自国通貨がない、つまり国民に通貨を発行する権利がない、通貨は外部(欧州中央銀行)からの借り物でしかないのです。こうした状況では、通貨の発行を財源として利用することはできません。ベーシックインカムの財源はすべて税収である必要があります。となれば、かなりの増税を行なう必要があります。

増税は相当に大きな社会的抵抗があるはずです。しかも日本の消費税をみてもわかるように、増税による経済への影響はかなり大きいはずです。これは簡単ではありません。

もしイタリアが日本のように自国通貨を有する国であれば、通貨を発行して財源にすることができます。とはいえ、いきなり100兆円も毎年発行すれば混乱するでしょうから、いきなり毎月満額のベーシックインカムをスタートするのではなく、月額1万円からスタートして毎年徐々に支給額を増やしてゆく方法をお勧めします。それなら、増税しなくても比較的簡単に実現できます。

ですから、五つ星運動は何よりもまずユーロ圏を離脱し、自国の通貨発行権(=主権)を取り戻す必要があるでしょう。そして人工知能や自動生産機械の進化、すなわち生産資本の蓄積に伴う供給力の増加に応じて、世の中のおカネを増やしつつ、ベーシックインカムを徐々に実現するべきだと思うのです。

もしイタリア人がユーロ通貨に目がくらんで固執するなら、
イタリアのベーシックインカムは必ず失敗するでしょう。

2018年3月20日火曜日

インフレ率2%にこだわらない?

与野党や識者を問わず「インフレ率目標2%達成にこだわるべきでない」と発言する人がいます。しかし、彼らはわずか2%のインフレ率すら達成できないことに疑問を持たないのでしょうか?インフレ率達成の方法は他にもあるのですから。

毎年80兆円にも達する日銀の大規模な量的緩和によってもインフレ率2%は達成されていません。そのためインフレ率2%の達成は、なにかしら「大変難しい目標」であると考えている人が多いかも知れません。そして「難しいなら目標を下げるべき」と思うかも知れません。しかし量的緩和だけにこだわっているから難しいのであって、インフレ率を達成する方法は他にもあるのです。

例えば財政出動として、全国民に毎月1万円の給付金を配れば(年間12万円)、消費が増えて景気が良くなり、物価が上昇するであろう事は小学生高学年程度の頭があれば容易に理解できるはずです。給付金政策だけでなく、公共工事や技術開発への投資など、財政出動の方法はいくらでもあるでしょう。

もし私が日銀総裁だったら、毎年80兆円ものおカネを発行して市中の国債など買わず、その2割程度の15兆円を発行して、政府から新規発行の国債を買い取って、政府から全国民に毎月1万円の給付金を支給してもらいます。その方が発行する現金の量も少なくて済むではないですか。しかも銀行への副作用があるとされるマイナス金利政策なんかする必要はありません。

おカネを国民に配れば、
物価目標2%など簡単に達成するでしょう。

すなわち、与野党や識者、マスコミを問わず、そんな程度のことすら提案しないのです。そして2%の物価目標が、まるで難易度の高い目標であるかのように言い、「2%は高すぎる、2%にこだわる必要は無い」と言うのです。こういう茶番を見ていると、あまりのバカバカしさに脱力し、腰が抜けてしまうほどです。

目の前にある政策(給付金)を、まるで存在しないかのようにスルーする。もはや何かの陰謀なのでしょうかw?

そして彼らは、仮に国民への給付金政策(ヘリマネ)の存在を認めたとしても、「そんなことをすればインフレになる」と言って非難する。そりゃ消費が増えて景気が良くなるからインフレになるでしょうw。彼らはインフレになるからダメと言って給付金政策を否定しながら、その一方で「なんでインフレ率が2%にならないのか、消費が弱いのは賃金が上がらないからだ」などと言い、物価目標は高すぎるというのです。

もっと驚くべきことに、そうした政治家やマスコミの茶番劇を見ている一般国民が、その話に、うんうんと頷いているらしいのです。何も見えていないのでしょうか。そうかと思えばマクロ経済なんかほったらかして、国会で悪者追及に興じる始末。

何とかしてくださいよ、ホントに。

2018年3月16日金曜日

忖度は防止不可能、システムを変えよう

忖度が問題視されているようですが、忖度は人間の基本的な性質であって、忖度を防止することは不可能です。忖度があっても問題が起きないシステムが必要です。

これはシステムを考える際に当然に必要な視点ですが、ミスがないことを前提にしたシステムは脆弱です。どれほど注意してもミスは防ぎきれないからです。ミスした担当者を責めても問題は解決しません。ミスがあることを前提としたシステムが強固なシステムになります。同様に、忖度があることを前提としたシステムこそ必要だと考えられます。

忖度を無くせば良いと思うかも知れませんが、忖度は人間の基本的な性質(本能)なので、これを問題視しても意味がありません。程度の大小はあるものの、社会は忖度(=相手への気遣い)なしには成り立たないと言えます。

ただし、これが行政において横行すると不公正な行為を招く可能性があることもまた、事実だと思います。ですから忖度があることを前提としながら、忖度による不公正を防止するための仕組みを持ったシステムへ改変することが求められています。とはいえ、基本的な考えは簡単です。それは、

①権力の分散化を図る
②監視機能の強化

ではないかと思われます。

今回の公文書改ざん問題に関しては、本省による強烈な上意下達があったとも言われており、これにより上から下まで強固な隠蔽体質が築かれていたと考えられます。こうした本省の強力な命令権による、中央集権的な組織(システム)を改め、フラットで風通しのある組織に変える必要があると考えられます。これは民間組織と同じ考えであって、当たり前ですね。

また今回の件では会計監査院が改ざんを見抜けなかった点も指摘されています。これは彼らの人的な責任というより、そもそも監視機能が不十分であることに原因があると思われます。組織をフラット化して風通しを良くし、監視機能を強化すれば、仮に不正が行われても役所内における情報隠蔽を防ぐことができると思われます。これもいわゆるガバナンスとして民間組織における不正問題でも最近騒がれていますね。

外務省や防衛庁はその性質上難しいにしろ、それ以外の省庁に関しては、この機会に組織の大改革を行なうべきではないでしょうか。ハッキリ言って、森友問題で政治家や役人の首が何人飛んだところで、大衆はおお喜びかも知れませんが、何の得にもなりません。ノーパンシャブシャブ接待事件と同じで、何年かすれば、また同じ騒ぎが発生するだけです。

忖度がどうこう言って騒いでも意味ありません。少なくとも外務省に関しては、徹底的に組織を改革すべだと思うのです。

2018年3月15日木曜日

財務省を解体しないなら首相も同罪

安倍首相は財務省による森友関連の公文書偽造事件を受けて、財務省の解体(権力の分散等)を主導すべきです。もし財務省を少しでも擁護するのであれば、それこそが首相退陣に値する罪になると思います。

忖度はなぜ行われるのか?忖度を行う側の心理としては、「相手に恩を売っておいて、後で返してもらおう」という魂胆があります。印象を良くすることで、便宜を図ってもらう魂胆がある。そして、なぜこれが行われるかと言えば、「忖度に効果がある」からです。

忖度される側(権限者)が何らかの形で忖度に応えるから、忖度に効果が生じるわけです。もし忖度される側(権限者)がまったく忖度など勘定にいれず、原則に基づいてズバズバと業務を行うのであれば、忖度なんかしても意味がない事になります。以上より、

忖度をやめさせるには、
忖度してもムダになるように仕向ける必要がある。

と考えられるわけです。権限者が何の便宜も図ってくれないなら、苦労して忖度するのは馬鹿みたいです。なら、忖度なんかしなくなります。学習効果ですw。

ですから、財務省の公文書偽造事件に関して、もし、安部首相が財務省をわずかでも擁護することがあれば、それは安部首相が「忖度に応えた」ことになります。そうすれば、財務省は「ああ、安倍首相に忖度すれば応えてくれる」と学習し、今後も「バレないように」忖度を続けるかも知れません。

もし安部首相が原則に基づいて、容赦なくスバスバと財務省の根本的な改造を行えば、財務省は「ああ、安倍首相に忖度してもまったく意味がない」と学習し、今後、一切の忖度は行われなくなるかも知れません。下手すると今まで忖度してきた財務省に逆恨みされるかも知れませんが・・・。

今回の事件も、本省による上意下達が疑われますが、これは本省に権力が集中しすぎていることにも原因があるはずです。本省の指示により上から下まで口裏が合わせられ、どこからも問題が発覚しない、最強の隠蔽体質が完成されていたわけでしょう。ですから、財務省の役人の首を何人飛ばしてもまったく意味がありません。こうした組織そのものを変えなければ何度でも事件が起きるでしょう。

だからこそ、財務省の権限を分散し、監査機関を強化して監督する必要があるはずです。このような、財務省を容赦なく改革することが安倍首相には求められています。もし、安部首相が少しでも改革に手加減するようなことがあれば、それは首相が「財務省の忖度に応える」ことになるのです。



2018年3月13日火曜日

官僚の責任を政治家に押し付けるな

日本人は不祥事なれば「ハラキリ」を好むようですが、そんな属人的な処置をしているから日本はいつまで経っても失敗の経験が蓄積されないのです。システムを変更することでしか日本を変える事はできません。

もちろんこれは森友学園に関する財務省による公文書改ざんの責任問題についでです。公文書の改ざんそのものは極めて重大な問題です。しかし、公文書の改ざんが政治家の指示によって行われたのであればいざ知らず、そうでなければ、これは単に財務省による自らの保身を目的とした犯罪行為であるわけです。

しかし、単に安倍政権を引き摺り下ろしたいだけのマスコミ、野党、活動家の中には、この財務省の保身行為をもって安倍政権を潰そうとする人々がいるようです。

官僚の責任を政治家に押し付けるな。

こうした官僚の勝手な暴走の責任を政治家に押し付けることは断じて許されることではありません。まさに民主政治の根幹を揺るがすような行為です。もし官僚の責任を政治家に押し付けることが許されるなら、今後、様々な陰謀・謀略にこれを用いることが可能になるリスクが生じます。すなわち、意図的に不祥事を引き起こすということです。

財務省を解体せよ。

今回の犯罪行為は、財務省というシステムそのものを根本的に改革するチャンスです。公文書の改ざんという発想が出てくること自体がおかしいが、どうやら役所とはそういうものだと考えるべきだと思うのです。つまり、役所に権限を集中すること、組織を一本化して巨大化することは、そのこと自体がリスキーであると考えるべきだと思うのです。財務省を複数の省に分割して、権力の集中を分散し、仮に隠蔽や偽造などが行われた場合でも被害を最小限にとどめるような組織にすべきではないかと思うのです。

そして、良い機会なので、歳入庁を実現しましょう。

今回の件で官僚の責任を政治家に押し付けることがあっては断じてなりません。しかし、仮に右派左派のポピュリストがマスコミを利用して大衆を扇動し、権力者を引き摺り下ろす快感に踊らされた国民によって安倍政権が責任を取る事態に追い込まれることが避けられないのであれば、

財務省も解体すべきと思うのです。

2018年3月9日金曜日

緊縮ニッポンでは物価を上げられない

緊縮ニッポンではパッケージの内容量を減らして価格を押さえる「シュリンクフレーション」が進行中。原材料が値上がりしても、庶民におカネがないから値上げできないのです。

例えば、私が好んで食べるチーズ。これはデザインが新しくなって、包み箱の仕様も二分割できるようにすることで付加価値を高めたように見せかけて、実は内容量が少なくなっています。

つまりパッケージの価格を上げずに内容量を減らす。

チーズは原材料が値上がりしているため、本来であればメーカーが原材料の値上がり分を価格に転嫁することでチーズ商品が値上がります。もちろん内容量はそのままにです。

ところが国民におカネがない、購買力がないために値上げできないのです。つまり物価が上昇しないのは、マスコミがまことしやかに言う「デフレマインド」などではなく、買うカネがないからです。

つまり商品価格は値上がりしないが、質が低下する。

これが世の中のおカネを増やさない「緊縮ニッポン」の実態でしょう。緊縮主義は国民をどんどん貧困(おカネの無い状態)にしています。原材料が上昇しても、企業は今後も必死にパッケージをリニューアルし続け、そのたびに内容量を減らしたり質を落としたりし続けるでしょう。

国民にカネがないからです。

もし、カネがあったらどうでしょう?国民におカネがあれば値上げしても商品は売れます。商品が売れるなら企業は商品の質や内容量を落とすのではなく値上げできますから、物価が上昇してデフレを脱却するでしょう。

それだけではありません。高くても売れるのであれば「質を高めることで売ろう」とする動機が企業サイドに生じてきます。つまり値段が多少高くても質の良い商品が売れる経済状態になってきます。こうして「多少高くても質の良い商品」が消費者の手に渡る社会になります。質的な豊かさが実現します。

こうして、循環するおカネの量が増加すれば国民生活の質が向上するだけでなく、税収も増加するでしょう。これこそが経済の好循環と呼べるのではないでしょうか。

ですから、経済の好循環のためには、まずは国民の購買力を高めること。そのためにヘリコプターマネーです。すべての国民に毎月1万円を支給しましょう。この金額なら年間予算15兆円、通貨発行だけで十分に賄うことができます。