2018年10月23日火曜日

財政赤字の真の原因は

財政赤字の真の原因は、通貨発行権を有するはずの政府が通貨を発行せず、国債を発行して財源を確保することにあります。わざわざ財政赤字にしているのです。

国民には通貨を発行する権利があります。ですから、国民の代理人としての政府に、通貨の発行権があるのは当然です。ですから、もし、公共のためにおカネが必要なのであれば、おカネを発行して財源とすることは、制度として正しいでしょう。法的に言っても、国会で法案を通せばいいだけです。

もちろん、限度があるのは当たり前です。毎年200兆円も300兆円もおカネを発行すれば、高インフレになってしまいます。しかし、毎年、財政に不足する程度、例えば20兆円や30兆円のおカネを発行したところで、インフレの心配はありません。

その理由は簡単で、国債で通貨を調達しても、通貨発行で通貨を調達しても、同じ金額だけ世の中のおカネ(マネーストック)が増えるからです。ですから、たとえば、毎年発行されている30兆円の国債を発行する代わりに、30兆円の通貨を発行しても、世の中のおカネは同じだけ増加します。これはバランスシートから明らかです。

ただし、通貨発行で通貨を調達すると、マネタリーベースが同時に増加することになります。これは現在日本銀行が行なっている量的緩和(国債の買い入れ)と同じことです。ですから、市中銀行からの貸し出しが増加し、マネーストックが増加することがあるかも知れません。これがインフレのリスクです。

しかし、日銀が300兆円のおカネ(マネタリーベース)を発行しても、2%のインフレにすらならないわけですから、30兆円程度の増加で「ハイパーインフレ」などに、なるはずがありません。

ですから、財源が足りないのであれば、通貨を発行すれば良いだけです。そうすれば、国債をこれ以上発行する必要はありませんので、財政再建もなんなく実現できます。もし、通貨発行による財源をプライマリーバランスに参入すれば、即、プライマリーバランスは黒字化します(もちろん、それはプライマリーバランスという指標が、そもそも無意味であることを示していますが)。

財政赤字の真の原因は、政府が通貨を発行せず、国債の発行によって財源を確保しようとすることにあります。


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