2018年7月25日水曜日

「財源がない」はナンセンスな考え

何か新しい政策を提案すれば必ず出てくる「財源は?」の質問。しかし財源がないとの考え方はナンセンスに過ぎないのです。真に必要な政策であれば、財源を問う必要はありません。

財源とは単に「通貨調達の方法論」に過ぎないからです。もし公的な政策を行なうために通貨が必要であれば、それは単に通貨を発行することで調達することに何ら問題はありません。なぜでしょう。

国民の代表である政府には、主権である「通貨発行権」を国民から預かり、行使する権限を有します。ゆえに政府が公的な理由で必要と判断すれば、通貨を発行することは当然の責務であり、義務だからです。もしそれを怠るなら、国民主権を損なう行為と言えましょう。

例えば豪雨災害あるいは震災による被災地の復興および被災者の生活支援のために、公共投資や公的扶養が必要であれば、その政策のために「財源は?」と問う必要はまったくありません。ただちに日本銀行が通貨を発行し、それらの政策を速やかに実行する必要があります。ですから、財源のために増税をする必要はまったく皆無なのです。

もちろん、日本銀行が通貨を発行するには、政府の新規国債(例えば災害復興国債)を直接に引き受ける、あるいは政府が政府通貨を発行して日本銀行に預け入れる等、テクニカルな方法の検討が必要であることは言うまでもありません。そんなものは手続きに過ぎません。重要な点は「通貨を発行すること」です。

こうした、必要な公的政策のために通貨発行を財源に用いること(=ヘリコプターマネー)は、これからますます重要になってくるでしょう。安易に増税すれば景気を悪化させ、経済をデフレ化するだけだからです。テクノロジーの進化(生産性向上)による供給過多の傾向にある現代資本主義先進国では、増税によって財源を確保する必要性は低い状況にあります。

何か新しい政策を提案すれば、マスコミの記者から必ず出てくる「財源は?」の質問。実にナンセンスですね。おカネが無ければ刷りなさい。それは国民の権利(主権)です。

もちろん100兆円も200兆円もいちどに発行して良いなどという極論ではありません。現在のマネーストック900兆円のおよそ2%を供給する程度で、18兆円もの通貨が確保できるわけです。

そして通貨発行による高インフレの心配もありません。過去には毎年5%以上のおカネが供給されてきたのに、今では3%程度しか供給されていません。ですから、18兆円程度(2%)を発行したところで、逆立ちしても高インフレなどにはならないのです。