2013年4月13日土曜日

TPP グローバリズムの向こうへ


 盲目的なグローバリズム信教の宣教師たるマスコミは、3兆円の農産物が減産しても、輸出が3兆円増えるからよいと主張しています。しかしそれは、日本の輸入依存度の比率を高め、国家としての経済的自立性をより失うことを意味するのです。グローバリズムの本質は「外国頼み」「海外依存体質」である事を忘れるべきではないでしょう。

<グローバリズムで硬直化する経済>

「海外依存体質」は、世界経済環境の激変に対してより「影響を被りやすくなる」事を意味し、世界的な不況の連鎖反応に脆弱になることを意味します。実際、この負の連鎖反応の悪影響はサブプライムローン崩壊の影響が金融を通じて全世界を不況に陥れた事実に如実に表れています。

もちろん、これは金融に止まらないでしょう。世界が相互依存を高めれば高めるほど、ある国で発生した問題は隣国に、そして多くの他国に波及し、連鎖的に人々を不幸にします。不幸の連鎖反応です。そしてフリーダムの世界ではこれを阻止する「規制」はなくなります。規制は「悪」と決めつけられ、次々に磔にされてきました。もちろん無意味かつ不要な規制もあるでしょう。しかし、フリーダムの世界における規制の要・不要の判断基準は「カネ」です。投資に対する利潤の最大化が判断基準であり、人々の幸福度ではありません。

そのグローバリズムの先端を走るEUでは何が起こったか?「見えざる神の手」が次々と弱小国家を蹂躙するおぞましき姿が宣教師マスコミの目には入らないのです。弱小国家は「努力が足りないので滅びるべし」。だが本当に努力の問題でしょうか?カネの問題ではないのですか。

<通貨安戦争の原因はグローバリズム>

なぜ通貨安戦争が問題となるのか?それもグローバリズムが原因でしょう。通貨安戦争は、全世界が輸出依存体質になっている証拠です。別の角度から言えば、通貨安戦争は輸出戦争と言えるからです。「お前は俺の製品を買え」「お前こそ買え」という全世界押し売り戦争です。それでも宣教師マスコミはおかしいと思わないようです。

そんなに輸出してどうするのか。そもそも輸出とは国内では賄う事のできない貴重な資源を輸入するために必要十分なだけ行われるのが基本でしょう。にも関わらず、世界じゅうの国々がどんどん輸出したいという。供給過剰になるのは当たり前です。そんなバカげた争いがグローバリズムの実態なのです。そんなに「カネ」が欲しいのでしょうか?~ああ、欲しいとも。カネはいくらでも欲しい。

<グローバリズム崇拝を乗り越えて先へ進め>

森も山も、じゃまになるものはすべて取り払った、ただ真っ平らな荒野を「神の見えざる手」が駆け巡っています。これがフリーダムのイメージです。あるいは、すべて整地され、アスファルトで固められた大平原でしょうか。そこに球体を置けば、自由に、どこへでも転がることができます。障害物は何もありません。自由です。

日本は、いや世界は「グローバリズム崇拝」の巨大な圧力にさらされています。もちろんその目的は「カネ」です。サブプライムローンをはじめとする金融の貪欲な金儲け主義が世界の経済を大混乱に陥れたにもかかわらず、なぜ金融の根本的な制度の見直しが行われないのか?議論すらない。その偽善の理由は簡単です。金融がカネを生むからです。

グローバリズムは「カネを増やすだけで、何も解決しない」。

国民もそろそろ金融とグローバリズムの茶番に気づき、
新たな経済の仕組みを本気で模索する時代に入ったと思います。
そう思う人は、着実にふえつつあります。