2018年3月29日木曜日

陰謀論なら「新聞の忖度」の疑惑も大

「怪しい」というだけで、証拠が何もないのに「疑惑がある」として騒ぎ立てる。これは典型的な陰謀論です。もしそれを言うなら「マスコミの陰謀」も同様に疑わしい。なぜマスコミに陰謀が無いと言い切れるのか。国民は真実を知りたい。

最も疑わしいのは「マスコミによる財務省への忖度」である。

具体的にはマスコミ総出で消費税の増税を推進する「増税翼賛報道の蔓延」だ。インターネットの様々な情報に接していれば、消費税の増税に反対する著名な経済学者や知識人の意見に多く接することができる。ネットは多様な言論空間である。

しかし新聞テレビにはそれがない。なぜか、財政再建のためには消費税の増税が当然であるとの識者・意見ばかりが押し出される。しかも普段は意見の異なる朝日・毎日系の新聞も読売・産経系の新聞も、もろ手を挙げて消費増税を翼賛しているのである。

これは怪しい。

しかも背景に疑わしい事実が存在する。それが「新聞の軽減税率」である。つまり財務省に忖度して財務省の希望する「増税翼賛記事」を報道することで、新聞の軽減税率を得ようとする陰謀である。いや忖度どころか、裏取引があるかも知れない。いや「そうに違いない」「そうに決まっている」。国民は真実を知りたい。

マスコミに聞いても「そんなことはない」と応えるだろう。信用できない。隠しているのであろう。ならば、なぜ新聞の軽減税率を自ら潔く辞退しないのか。そんなに財政再建が大切なら、新聞は2倍の消費税を払って財政再建に貢献すべきであろう。

しかもマスコミは、財務省の公文書偽造事件に際して、その原因は忖度を生み出した強すぎる官邸主導(政治主導)にあるという財務官僚の声まで報道して、財務省を擁護する姿勢をみせた番組もあったらしい。

財務省を擁護するマスコミを見て「疑念がますます深まった」。マスコミが軽減税率欲しさに国民を売り、財務省の希望する増税翼賛記事を垂れ流し続けているのだろう。

自分は陰謀論を頭から否定しない。安倍政権も怪しいだろう。しかし同様に、財務省とマスコミによる「増税の陰謀」もまた極めて怪しい、いや、陰謀があるに決まっているのである。マスコミが否定するならますます怪しい。国民は真実が知りたいのだ。


2018年3月28日水曜日

日本の格差は「緊縮型格差」だ

社会に格差が広がっているとの声が多く聞かれます。ではどのような形で格差が生じるのでしょうか?考えてみると格差には2つの発生パターンがあると思えるのです。

パターンA:富裕層におカネがドンドン集中する。

富裕層がますます富むことで格差が広がるパターンです。中低所得層の所得が伸びずに、高所得者だけがどんどん豊かになるから差が開くわけです。バブル型、勝ち組・負け組み型とでもいえましょうか。アメリカはこれじゃないかと思います(推論)

パターンB:富裕層はそのままだが、貧困層が増える。

富裕層の所得は増えないが、中所得者が貧困化して貧困層が増えるため、格差が広がるパターンです。富裕層の所得は増えていませんから、富裕層にとっては「格差が広がった」と言うほど、自分達が富を独占している気にはなりません。なので「格差拡大のために高所得者の税金を上げろ」と言われても怒るだけです。これは「緊縮型」あるいは「デフレ型」と呼ぶべきだと思います。



日本の給与階級別分布のデータを見ると、1995年から2015年にかけて、年収400万円以上の階級のほとんどで数が減り、代わりに年収100~200万の低所得層が大きく増加しています。高額所得者も貧困化している、つまり、日本の格差の原因は、

すべての労働者が貧困化した

というわけです。少なくとも、給与所得者について言えば、勝ち組が所得を増やしたのではなく、「すべての労働者の所得が減った」なのです。なぜか?緊縮、デフレだからです。世の中のおカネが回らなければ、労働者の賃金も上がらない。

日本の格差は「緊縮型格差」、
すべての労働者が負け組みなのです。

2018年3月27日火曜日

森友騒ぎと陰謀論の類似点

森友騒ぎはいわゆる「陰謀論」に近い性質を持っています。忖度した・しないには証拠が存在しないため、状況による推論だけで善悪が判断されがちだからです。もちろん陰謀論を頭から否定はしません。その意味では911陰謀論とも共通します。

ある状況に対して疑いの目を持って見れば、いくらでも疑わしい点が出てきますし、考えるほどにそれが整合的であると思えてきます。それが陰謀論です。巨大な陰謀論の代表例として911、アメリカ同時多発テロ事件に陰謀が関係していたという説があります。

当時、ニューヨークの貿易センタービルにジェット機が突入し、二つのビル、そしてジェット機が突入していない近隣する一つのビルも崩壊したわけですが、その崩壊がどれもすべて同じように、綺麗にまっすぐ崩壊しており、ビルの爆破解体に酷似していました。しかもジェット機が突入していないビルも、解体工事のごとく綺麗に崩壊しているのです。さらに映像を詳しく見ると、崩壊に先行して爆発が生じているようにも見受けられるといいます。そのほかにも、「疑わしい」と思えば、あやしい例がいくつもあるということです。

ただしそれは、状況を見る限り、いかにもあやしいのであって、証拠はありません。しかし陰謀によって意図的に破壊されたと考えると、非常にスッキリと理解できます。ああ、ありえるな、と思えるわけです。しかし、証拠はありません。

では、陰謀論をどう扱うべきか?

およそ人間社会は陰謀が渦巻いており、陰謀がない人間社会など考えることすら不可能でしょう。陰謀は何も政府や国家の話だけではなく、企業内の権力闘争、近所との関係においてすらあり得ます。もちろん程度の差があって、たんに相手を出し抜く程度の陰謀もあれば、相手の命を奪うほどの陰謀もある。

ですから、陰謀論そのものを否定することはできないでしょう。陰謀はあり得ると思います。しかし、証拠もなしに推論だけで関係者を非難したり、罰したり出来ないのは当然です。そしてまた、新聞テレビのようなメディアが確たる証拠もなしに、怪しいという状況だけをもって、いかにも疑惑が真相であるかのような印象を与える憶測報道を繰り返すことも許されないでしょう。

911陰謀論にしろ森友騒ぎにしろ、こうした推論はあくまで仮説なのですから、一方の側からだけ報道すれば、それは世論誘導以外の何ものでもありません。逆の側から違う説を説明することによって初めてバランスが取れるわけです。簡単に言えば、「安倍の陰謀だ」という説と、「安倍の陰謀はあり得ない」という説の、両方がバランスよく語られることが必要でしょう。もし911陰謀説を当時のマスコミが、あたかも陰謀が真実であるかのように大々的に煽り立てて報道していたら、どうなっていたでしょうか。

こうした点を冷静に判断し、疑惑を扇動するような行為を自粛しないのならば、マスコミによってやり放題に「犯罪者を作り出す(冤罪)」社会になってしまうと思います。

(ご参考までに:ビジネスジャーナル 2017.09.17)
9・11米同時多発テロ、真相知る民間人が次々と不審死か…米政府の自作自演説も根強く

2018年3月22日木曜日

イタリアでベーシックインカムは実現するか?

イタリアでは選挙公約にベーシックインカムを掲げた政党「五つ星運動」が大躍進しました。これは画期的な出来事ですが、仮に五つ星運動による政権が誕生しても、ユーロ圏である限り、イタリアのベーシックインカム実現は多難です。

新聞マスコミは、「五つ星運動はポピュリズムだ」と連呼し、さかんにネガティブキャンペーンを展開しています。しかし市民運動が既存の右派・左派政党を上回る政治勢力に成長できた画期的な出来事であり、既存の政治勢力に政治を独占されてきた日本でもこうした運動に希望が持てることの証明だと思います。

ところで、日本の新聞マスコミはほとんど報道しませんが、五つ星運動は「ベーシックインカム」を選挙公約に掲げていました。ニューズウィーク日本語版の記事によれば、1週間の社会奉仕と求職活動を継続していることを条件に、全国一律月780ユーロのベーシックインカムを実施するといいます。現在の議席数では、五つ星運動だけで政権を立てることは難しい状況ですが、もし他党との協議が成功して五つ星運動を主体とする政権が誕生すれば、先進国で始めて、ベーシックインカムを実施する国が誕生するかも知れません。

とはいえ、実際に五つ星運動がベーシックインカムを実現できるのでしょうか?それについてはかなりの困難が予想されます。その理由は、

イタリアがユーロ圏だから難しい。

ユーロ圏ということはイタリアに自国通貨がない、つまり国民に通貨を発行する権利がない、通貨は外部(欧州中央銀行)からの借り物でしかないのです。こうした状況では、通貨の発行を財源として利用することはできません。ベーシックインカムの財源はすべて税収である必要があります。となれば、かなりの増税を行なう必要があります。

増税は相当に大きな社会的抵抗があるはずです。しかも日本の消費税をみてもわかるように、増税による経済への影響はかなり大きいはずです。これは簡単ではありません。

もしイタリアが日本のように自国通貨を有する国であれば、通貨を発行して財源にすることができます。とはいえ、いきなり100兆円も毎年発行すれば混乱するでしょうから、いきなり毎月満額のベーシックインカムをスタートするのではなく、月額1万円からスタートして毎年徐々に支給額を増やしてゆく方法をお勧めします。それなら、増税しなくても比較的簡単に実現できます。

ですから、五つ星運動は何よりもまずユーロ圏を離脱し、自国の通貨発行権(=主権)を取り戻す必要があるでしょう。そして人工知能や自動生産機械の進化、すなわち生産資本の蓄積に伴う供給力の増加に応じて、世の中のおカネを増やしつつ、ベーシックインカムを徐々に実現するべきだと思うのです。

もしイタリア人がユーロ通貨に目がくらんで固執するなら、
イタリアのベーシックインカムは必ず失敗するでしょう。

2018年3月20日火曜日

インフレ率2%にこだわらない?

与野党や識者を問わず「インフレ率目標2%達成にこだわるべきでない」と発言する人がいます。しかし、彼らはわずか2%のインフレ率すら達成できないことに疑問を持たないのでしょうか?インフレ率達成の方法は他にもあるのですから。

毎年80兆円にも達する日銀の大規模な量的緩和によってもインフレ率2%は達成されていません。そのためインフレ率2%の達成は、なにかしら「大変難しい目標」であると考えている人が多いかも知れません。そして「難しいなら目標を下げるべき」と思うかも知れません。しかし量的緩和だけにこだわっているから難しいのであって、インフレ率を達成する方法は他にもあるのです。

例えば財政出動として、全国民に毎月1万円の給付金を配れば(年間12万円)、消費が増えて景気が良くなり、物価が上昇するであろう事は小学生高学年程度の頭があれば容易に理解できるはずです。給付金政策だけでなく、公共工事や技術開発への投資など、財政出動の方法はいくらでもあるでしょう。

もし私が日銀総裁だったら、毎年80兆円ものおカネを発行して市中の国債など買わず、その2割程度の15兆円を発行して、政府から新規発行の国債を買い取って、政府から全国民に毎月1万円の給付金を支給してもらいます。その方が発行する現金の量も少なくて済むではないですか。しかも銀行への副作用があるとされるマイナス金利政策なんかする必要はありません。

おカネを国民に配れば、
物価目標2%など簡単に達成するでしょう。

すなわち、与野党や識者、マスコミを問わず、そんな程度のことすら提案しないのです。そして2%の物価目標が、まるで難易度の高い目標であるかのように言い、「2%は高すぎる、2%にこだわる必要は無い」と言うのです。こういう茶番を見ていると、あまりのバカバカしさに脱力し、腰が抜けてしまうほどです。

目の前にある政策(給付金)を、まるで存在しないかのようにスルーする。もはや何かの陰謀なのでしょうかw?

そして彼らは、仮に国民への給付金政策(ヘリマネ)の存在を認めたとしても、「そんなことをすればインフレになる」と言って非難する。そりゃ消費が増えて景気が良くなるからインフレになるでしょうw。彼らはインフレになるからダメと言って給付金政策を否定しながら、その一方で「なんでインフレ率が2%にならないのか、消費が弱いのは賃金が上がらないからだ」などと言い、物価目標は高すぎるというのです。

もっと驚くべきことに、そうした政治家やマスコミの茶番劇を見ている一般国民が、その話に、うんうんと頷いているらしいのです。何も見えていないのでしょうか。そうかと思えばマクロ経済なんかほったらかして、国会で悪者追及に興じる始末。

何とかしてくださいよ、ホントに。

2018年3月16日金曜日

忖度は防止不可能、システムを変えよう

忖度が問題視されているようですが、忖度は人間の基本的な性質であって、忖度を防止することは不可能です。忖度があっても問題が起きないシステムが必要です。

これはシステムを考える際に当然に必要な視点ですが、ミスがないことを前提にしたシステムは脆弱です。どれほど注意してもミスは防ぎきれないからです。ミスした担当者を責めても問題は解決しません。ミスがあることを前提としたシステムが強固なシステムになります。同様に、忖度があることを前提としたシステムこそ必要だと考えられます。

忖度を無くせば良いと思うかも知れませんが、忖度は人間の基本的な性質(本能)なので、これを問題視しても意味がありません。程度の大小はあるものの、社会は忖度(=相手への気遣い)なしには成り立たないと言えます。

ただし、これが行政において横行すると不公正な行為を招く可能性があることもまた、事実だと思います。ですから忖度があることを前提としながら、忖度による不公正を防止するための仕組みを持ったシステムへ改変することが求められています。とはいえ、基本的な考えは簡単です。それは、

①権力の分散化を図る
②監視機能の強化

ではないかと思われます。

今回の公文書改ざん問題に関しては、本省による強烈な上意下達があったとも言われており、これにより上から下まで強固な隠蔽体質が築かれていたと考えられます。こうした本省の強力な命令権による、中央集権的な組織(システム)を改め、フラットで風通しのある組織に変える必要があると考えられます。これは民間組織と同じ考えであって、当たり前ですね。

また今回の件では会計監査院が改ざんを見抜けなかった点も指摘されています。これは彼らの人的な責任というより、そもそも監視機能が不十分であることに原因があると思われます。組織をフラット化して風通しを良くし、監視機能を強化すれば、仮に不正が行われても役所内における情報隠蔽を防ぐことができると思われます。これもいわゆるガバナンスとして民間組織における不正問題でも最近騒がれていますね。

外務省や防衛庁はその性質上難しいにしろ、それ以外の省庁に関しては、この機会に組織の大改革を行なうべきではないでしょうか。ハッキリ言って、森友問題で政治家や役人の首が何人飛んだところで、大衆はおお喜びかも知れませんが、何の得にもなりません。ノーパンシャブシャブ接待事件と同じで、何年かすれば、また同じ騒ぎが発生するだけです。

忖度がどうこう言って騒いでも意味ありません。少なくとも外務省に関しては、徹底的に組織を改革すべだと思うのです。

2018年3月15日木曜日

財務省を解体しないなら首相も同罪

安倍首相は財務省による森友関連の公文書偽造事件を受けて、財務省の解体(権力の分散等)を主導すべきです。もし財務省を少しでも擁護するのであれば、それこそが首相退陣に値する罪になると思います。

忖度はなぜ行われるのか?忖度を行う側の心理としては、「相手に恩を売っておいて、後で返してもらおう」という魂胆があります。印象を良くすることで、便宜を図ってもらう魂胆がある。そして、なぜこれが行われるかと言えば、「忖度に効果がある」からです。

忖度される側(権限者)が何らかの形で忖度に応えるから、忖度に効果が生じるわけです。もし忖度される側(権限者)がまったく忖度など勘定にいれず、原則に基づいてズバズバと業務を行うのであれば、忖度なんかしても意味がない事になります。以上より、

忖度をやめさせるには、
忖度してもムダになるように仕向ける必要がある。

と考えられるわけです。権限者が何の便宜も図ってくれないなら、苦労して忖度するのは馬鹿みたいです。なら、忖度なんかしなくなります。学習効果ですw。

ですから、財務省の公文書偽造事件に関して、もし、安部首相が財務省をわずかでも擁護することがあれば、それは安部首相が「忖度に応えた」ことになります。そうすれば、財務省は「ああ、安倍首相に忖度すれば応えてくれる」と学習し、今後も「バレないように」忖度を続けるかも知れません。

もし安部首相が原則に基づいて、容赦なくスバスバと財務省の根本的な改造を行えば、財務省は「ああ、安倍首相に忖度してもまったく意味がない」と学習し、今後、一切の忖度は行われなくなるかも知れません。下手すると今まで忖度してきた財務省に逆恨みされるかも知れませんが・・・。

今回の事件も、本省による上意下達が疑われますが、これは本省に権力が集中しすぎていることにも原因があるはずです。本省の指示により上から下まで口裏が合わせられ、どこからも問題が発覚しない、最強の隠蔽体質が完成されていたわけでしょう。ですから、財務省の役人の首を何人飛ばしてもまったく意味がありません。こうした組織そのものを変えなければ何度でも事件が起きるでしょう。

だからこそ、財務省の権限を分散し、監査機関を強化して監督する必要があるはずです。このような、財務省を容赦なく改革することが安倍首相には求められています。もし、安部首相が少しでも改革に手加減するようなことがあれば、それは首相が「財務省の忖度に応える」ことになるのです。



2018年3月13日火曜日

官僚の責任を政治家に押し付けるな

日本人は不祥事なれば「ハラキリ」を好むようですが、そんな属人的な処置をしているから日本はいつまで経っても失敗の経験が蓄積されないのです。システムを変更することでしか日本を変える事はできません。

もちろんこれは森友学園に関する財務省による公文書改ざんの責任問題についでです。公文書の改ざんそのものは極めて重大な問題です。しかし、公文書の改ざんが政治家の指示によって行われたのであればいざ知らず、そうでなければ、これは単に財務省による自らの保身を目的とした犯罪行為であるわけです。

しかし、単に安倍政権を引き摺り下ろしたいだけのマスコミ、野党、活動家の中には、この財務省の保身行為をもって安倍政権を潰そうとする人々がいるようです。

官僚の責任を政治家に押し付けるな。

こうした官僚の勝手な暴走の責任を政治家に押し付けることは断じて許されることではありません。まさに民主政治の根幹を揺るがすような行為です。もし官僚の責任を政治家に押し付けることが許されるなら、今後、様々な陰謀・謀略にこれを用いることが可能になるリスクが生じます。すなわち、意図的に不祥事を引き起こすということです。

財務省を解体せよ。

今回の犯罪行為は、財務省というシステムそのものを根本的に改革するチャンスです。公文書の改ざんという発想が出てくること自体がおかしいが、どうやら役所とはそういうものだと考えるべきだと思うのです。つまり、役所に権限を集中すること、組織を一本化して巨大化することは、そのこと自体がリスキーであると考えるべきだと思うのです。財務省を複数の省に分割して、権力の集中を分散し、仮に隠蔽や偽造などが行われた場合でも被害を最小限にとどめるような組織にすべきではないかと思うのです。

そして、良い機会なので、歳入庁を実現しましょう。

今回の件で官僚の責任を政治家に押し付けることがあっては断じてなりません。しかし、仮に右派左派のポピュリストがマスコミを利用して大衆を扇動し、権力者を引き摺り下ろす快感に踊らされた国民によって安倍政権が責任を取る事態に追い込まれることが避けられないのであれば、

財務省も解体すべきと思うのです。

2018年3月9日金曜日

緊縮ニッポンでは物価を上げられない

緊縮ニッポンではパッケージの内容量を減らして価格を押さえる「シュリンクフレーション」が進行中。原材料が値上がりしても、庶民におカネがないから値上げできないのです。

例えば、私が好んで食べるチーズ。これはデザインが新しくなって、包み箱の仕様も二分割できるようにすることで付加価値を高めたように見せかけて、実は内容量が少なくなっています。

つまりパッケージの価格を上げずに内容量を減らす。

チーズは原材料が値上がりしているため、本来であればメーカーが原材料の値上がり分を価格に転嫁することでチーズ商品が値上がります。もちろん内容量はそのままにです。

ところが国民におカネがない、購買力がないために値上げできないのです。つまり物価が上昇しないのは、マスコミがまことしやかに言う「デフレマインド」などではなく、買うカネがないからです。

つまり商品価格は値上がりしないが、質が低下する。

これが世の中のおカネを増やさない「緊縮ニッポン」の実態でしょう。緊縮主義は国民をどんどん貧困(おカネの無い状態)にしています。原材料が上昇しても、企業は今後も必死にパッケージをリニューアルし続け、そのたびに内容量を減らしたり質を落としたりし続けるでしょう。

国民にカネがないからです。

もし、カネがあったらどうでしょう?国民におカネがあれば値上げしても商品は売れます。商品が売れるなら企業は商品の質や内容量を落とすのではなく値上げできますから、物価が上昇してデフレを脱却するでしょう。

それだけではありません。高くても売れるのであれば「質を高めることで売ろう」とする動機が企業サイドに生じてきます。つまり値段が多少高くても質の良い商品が売れる経済状態になってきます。こうして「多少高くても質の良い商品」が消費者の手に渡る社会になります。質的な豊かさが実現します。

こうして、循環するおカネの量が増加すれば国民生活の質が向上するだけでなく、税収も増加するでしょう。これこそが経済の好循環と呼べるのではないでしょうか。

ですから、経済の好循環のためには、まずは国民の購買力を高めること。そのためにヘリコプターマネーです。すべての国民に毎月1万円を支給しましょう。この金額なら年間予算15兆円、通貨発行だけで十分に賄うことができます。



2018年3月7日水曜日

仮想通貨には正しい定義が必要です

ブロックチェーンを用いる電子通貨をすべて「仮想通貨」と呼ぶことは混乱の原因になります。なぜならモノによってバランスシート上における通貨発行の仕組みが違うからです。この仕組みが通貨の本質を決めます。

「仮想通貨」はあくまでもビットコインのような、元祖仮想通貨にのみ与えるべき名称です。それらは技術的にブロックチェーンを用いると同時に、バランスシート(BS)上は資産として発生するはずです。

それに対して、同じくブロックチェーンを用いる銀行が計画している電子通貨は、BS上で負債として発生するはずです。これらは「前払い式決済手段」に属するはずです。つまりこの両者は本質的にまったく別のおカネなのです。にもかかわらず、技術的にブロックチェーンを用いるという理由だけで「仮想通貨」と呼ぶと、本質的に違うタイプの電子通貨がおなじであると誤解されてしまいます。

同じ通貨でも、資産として発生するおカネと、負債として発生するおカネではまるで違います。例えば資産として発生したおカネは消えませんが、負債として発生したおカネは消える仕組みになっています。

残念ながら、こうした「おカネの本質」を学校では一切教えませんので、大の大人でも赤ん坊程度の知識しかありません。もちろん新聞テレビで教えるおカネの話にも、有名経済評論家の書くおカネの本にも、赤ん坊レベルの話しか出てきません。そのため、今申し上げた二種類のおかね違いを理解することは至難の技でしょう。

バランスシートを使わなければ、
おカネの仕組みは何一つ理解したことになりません。

もし、多くの人がこの違いを正しく理解できるなら、預金制度の本質も理解できますし、さらにはマネタリーベースとマネーストックも理解できるようになるはずだと思います。

えらく話が逸れましたがw、仮想通貨はあくまでビットコインのような、資産として発生させるタイプの電子通貨にのみ与えられるべき名称です。そして、技術的にブロックチェーンを用いたとしても、その本質が「前払い式決済手段」の場合は、そうであることが明確にわかるような名称にすべきでしょう。「BC電子マネー」とか(従来の電子マネーは「電子マネー」のまま)。

ブロックチェーンはあくまで通貨システムを担う「技術」に過ぎませんので、新聞テレビと一緒のレベルで騒いでは、頭が混乱するだけです。

2018年3月5日月曜日

金融正常化って意味わかってるの?

新聞テレビは「金融正常化(出口戦略)」なんてしたり顔で書いてますが、何がどんな理由で「正常化」なのか説明しません。意味も明確にせず「正常化」というお題目を唱えるだけです。

新聞テレビでは「金融正常化」と言うものの、何をどんな理由で正常化するのかきちんと説明した記事を見たことがないですね。日銀の資産が大きすぎると書いてあっても、そもそも日銀の資産が大きいと何が問題なのか不明です。これでは多くの人は今の金融の何がどんな理由で「非正常」なのかわからないでしょう。

なので、説明しようと思います。日銀の資産つまり保有国債が多いこと自体には何の問題もありません。なぜなら、それは日銀の供給している現金の量がそのぶんだけ増えているに過ぎないからです。何しろ政府の借金によって世の中に現金が供給されるのが現代金融の基本的な仕組み(管理通貨制度)なのですから、日銀の資産は通貨発行残高(マネタリーベース)を意味しているに過ぎません。

問題はその先です。増えた現金(マネタリーベース)によって、市中銀行からの貸し出し(マネーストック)がどんどん増え続けるリスクがあるのです。とはいえ、もとより、デフレを脱却するために現金の量を増やし、貸し出しを促進しようとして日銀が「量的緩和」を行ってきたのですから、貸し出し(マネーストック)が増加しなければ困るわけです。

ただし、貸し出しが増えすぎると、これまた困る。需要が増大し、モノが売れすぎて景気が過熱することでインフレになってしまいます。また資産バブルがどんどん膨張してしまいます。これは次なるバブル崩壊のリスクを拡大します。ちょうど良い具合に貸し出しが調整されれば良いわけですが、そんなもの人類の過去の歴史で成功したためしがありませんw。

話が逸れましたが、現金(マネタリーベース)が多いと、貸し出し(マネーストック)が増えすぎる恐れがあるというのが問題なのです。場合によっては貸し出しの増加を止められなくなり、インフレが止まらなくなります。なぜか?市中銀行が信用創造によって保有現金(マネタリーベース)の何倍ものおカネ(マネーストック)を貸し出すからです。これがバブル経済の根本的な原因となります。

つまり、これが「非正常」と呼ばれる原因なのです。
しかし新聞テレビからそんな話は一言も出てこないでしょう。
「正常化のお題目を連呼する」

では貸し出し(マネーストック)が暴走することを抑える方法は無いのか?その一つが増やしすぎた現金(マネタリーベース)を減らすことです。これを新聞テレビでは「出口戦略」と呼び、「金融正常化」と呼ぶのです。これを実行するのは結構至難の業です。しかし、それしか方法が無いわけではありません。

もう一つの方法は、市中銀行が現金(マネタリーベース)を「何倍にも膨らませて」貸し出す行為(信用創造)を抑制することです。そもそも、現金を、いわば勝手にふやして貸し出すこと、そのものが正常とは思われません。そんなことをすれば、世の中のおカネの量をコントロールできなくなるのは当たり前です。つまり、これ(信用創造)を正常化するのが、もう一つの方法です。

そしてその方法こそが「100%マネー制度」であり、マネタリーベース量=マネーストック量にすることで、現在の金利政策とは比べ物にならないくらい正確に世の中のおカネの量(マネーストック)をコントロールすることができる制度でもあるのです。

ところが、新聞テレビには後者の方法論はまったく出てきません。多くの場合、最初の方法論すらきちんと説明しないのですから、一般国民は知る由も無いのです。

そして、言葉遊びのように「出口戦略」「金融正常化」というイメージ用語だけが新聞テレビに飛び交っているわけです。こんな世の中で、経済が良くなって、人口が増えるなんて夢のまた夢ですね。


2018年3月2日金曜日

「緊縮主義」は一つのイデオロギー

経済イデオロギーには大きく資本主義と共産主義があると考えられていますが、それだけではありません。資本主義でも共産主義でもない「緊縮主義」という強力なイデオロギーがあると思います。

「緊縮主義」は資本主義でも共産主義でもありません。まったく別のイデオロギーです。そして緊縮主義は右派・左派を問わず、その両方に共通して存在しています。その証拠に現在の野党は緊縮主義です。そのイデオロギーの特徴は「通貨供給量を絞ること」です。

ところで現在の資本主義には、リフレ派とケインズ派の二大派閥があり、対立しているものの、どちらも通貨供給量(マネーストック)を増やす立場にあります。なぜなら、リフレ派の主張する量的金融緩和政策は民間借り入れの促進により通貨供給量を増やしますし、ケインズ派は政府の借り入れ増加により通貨供給量を増やします。どちらもマネーストックを増やします。

それに対して、緊縮主義はマネーストックの増加に反対しています。すなわち、量的緩和に反対し、財政出動にも反対しています。つまり、いわゆるリフレ派ともケインズ派とも正反対立場にあるわけです。緊縮主義は「現代の資本主義とはかなり違う考え方」であるとわかるでしょう。

おカネを増やせばインフレになります。資本主義の主流の考えによれば2~3%程度の低インフレが良いとされています。にもかかわらず、おカネを増やさすことに猛反対するのですから、「資本主義というより何か別のイデオロギーである」と考えるべきです。

緊縮主義の本質は拝金主義も同然です。

彼らはインフレを極度に嫌いますから、おカネの価値が最優先にあることは間違いありません。おカネの価値を至上と考えるのですから、これは「拝金主義」と言えると思います。そして通貨供給量を絞れば必然的にデフレーションが発生しますが、緊縮主義の人々はこれを容認あるいは積極的に評価する傾向を示します。その結果として生じる円高も良いものだと歓迎します。

こうして少し考えると、緊縮主義は資本主義でも共産主義でもない、まったく別の経済イデオロギーだとわかります。通貨供給を絞って貨幣価値の維持を最優先する主義です。円の貨幣価値を維持することで、円が「安全資産」となり、マネーゲーム投機筋の駆け込み寺として1%の支配層に歓迎されるでしょう。新聞テレビは、間違ってもそんな主張はしないでしょうね。何しろ緊縮主義の総本山は財務省ですから。

そして共産主義が市場経済を否定して失敗したように、同じく緊縮主義も通貨の不足により市場の機能を損ない(=経済のデフレ化)、共産主義と同様に人々に不幸をもたらすと思われます(実際、失われた20年で不幸をもたらして来た)。

市場経済の機能を軽視し、カネの価値をひたすら信じる「緊縮主義=拝金主義」が日本を覆えば、日本は「後生大事にカネを抱え込んだまま」、ずぶずぶと三流国へと没落してゆくのです。