2018年10月17日水曜日

消費増税は、最悪のタイミング

財務省は安倍首相から来年10月の消費増税を表明させることで、後戻りのできない状況を作って大喜びだろう。しかし、この消費増税は「最悪のタイミング」である。

最悪のタイミングといえば、直ぐに思い起こされるのが過去の消費増税である。3%の消費税が導入されたのが1989年。その後、バブル崩壊によってデフレ不況に突入し、日本は消費税と不況のダブルパンチとなった。1997年には5%への引き上げが実施されたが、その直後にアジア通貨危機が発生し、増税の負の影響が相乗効果となって、経済はみるみる失墜して、税収も減ることに。

まるで、絵に描いたように、
最悪のタイミングで増税を実施するのが財務省。

そして、今度の消費税率10%への引き上げは、すでに最悪のタイミングであることが明白だ。にもかかわらず、新聞もテレビも危機感がまったくない。むしろ増税を喜んでいるのかもしれない。どうして最悪なタイミングなのか?

東京オリンピック効果が終わるタイミングである。当然ながら、東京オリンピックのために行なわれてきた財政出動はすべて終わり、また、その1年後にはオリンピック開催に伴う来場者等の消費がなくなる。すっぽりと、需要がなくなるのだ。

そして、このところ激しさを増してきた米中貿易戦争の問題もある。これに関してはエスカレートするばかりで、解決の先行きはまったく見通せない。中国はメンツにかけても引き下がることはないだろうし、トランプ大統領の共和党が中間選挙で負けたとしても、この方針は代わらないだろう。それどころか、国内の支持を得るため、トランプ氏がますます強い措置を打ち出すことも考えられる。場合によっては日本に噛み付いてくる恐れもある。

何より最大の懸念は「資産バブルの崩壊」である。これまでの経済の歴史に照らしてみれば、資産バブルとその崩壊は必ず繰り返す。そして、資産バブルの崩壊は、中央銀行の金利引き上げによって、生じる。まさに、FRBが金利を引き上げ、日本銀行が新聞マスコミの緩和への批判に負けて、やはり緩和を縮小しつつある。つまり、カウントダウンが始まっているのだ。

このタイミングで、平気で増税を行なう財務省。
それを何とも思わない新聞テレビ。

これで日本の社会が良くなるとしたら、奇跡しかあり得ない。
国民こぞって神様にお祈りしよう。

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