2019年6月17日月曜日

老後に備えてカネを貯めるとは?

老後に備えてカネを貯める「貯蓄型の年金制度」とは、どんな意味を持つのでしょうか?はたして、経済にとって良いことなのでしょうか?ちょっと考えてみました。

政府が「年金じゃ足りないから、老後のために2000万円を貯めろ」という発表をしたものだから、おおさわぎになっています。失われた20年で、サラリーマンの年収は減り続けているというのに、2000万円なんか貯められません。貯めることができるのは、公務員くらいじゃないでしょうか。国民を馬鹿にしていますね。

それはさておき、老後のために、みんなが貯蓄するようになったらどうなるでしょうか?「貯蓄する」ということは、その分だけ消費を減らすことを意味します。

今の日本経済は、デフレ不況、つまり消費が足りないことが不況の原因です。そんな状況で、みなさんが老後のために、さらに消費を減らしたらどうなるでしょう?子供でもわかりますね。つまり、「老後の資金を貯める」という、貯蓄型の年金制度は、今日の日本経済に悪影響を及ぼすと考えられます。

しかし、これがインフレの時代だったらどうでしょうか?インフレの時代では、モノが不足していますから、むしろ消費は抑えた方がよいわけです。インフレの際に、もし高齢者に年金を支給したらどうなるでしょう?ますますインフレになってしまいます。インフレを誘発しないように、年金を支給するにはどうするか?

たとえば、若い人が老後に備えて年金を貯めるなら、その分だけ消費が減ります。その減った分だけ、高齢者が年金で消費をすることができます。つまり、若い人に、消費を先送りしてもらうことで、現在の高齢者が消費を増やすことができるわけです。つまり、「供給力が不足している場合」「インフレ期」には、貯蓄型の年金制度は効果的だと考えられるわけです。

また、インフレ期における貯蓄の有効性は、他にも考えられます。貯蓄によって消費を抑えれば、消費財の生産が減りますので、その分だけ資源を生産財の生産にまわすことができます。設備投資や技術開発です。これは生産資本の蓄積になります。そのことが将来において供給力を高めることに繋がりますから、仮に、いま消費を抑えたとしても、将来にはより豊かになる可能性もあると考えられるわけです。これは供給力の不足しているインフレの時代には、とても有効だと思われます。

ところが、デフレの時代では、貯蓄によって消費を抑えても、実体経済への投資が増える(生産資本の蓄積)わけではありません。資源が余るだけであって、まったく意味が無いわけです。あるいは、貯蓄が投機に向けられてしまうだけです。

このように考えると、デフレのままでは、貯蓄型の年金制度は、経済にとって害になるだけだと考えられるわけです。では、どうすればいいのでしょうか。

インフレ、つまり、消費を活発化して、やや供給不足の状況を作り出せば、仮に貯蓄型の年金であっても、機能する可能性はあると思います。具体的には「カネを発行して国民に配る」ことです。これにより、消費が拡大すれば、インフレ傾向になります。そして、国民の所得も増大しますので、国民が所得の一部を貯蓄するだけのゆとりが生まれると考えられます。

また同時に、消費が増えれば企業の投資も活発化すると思われますので、資源が生産資本の拡充へと向けられることになり、将来における供給力の向上、すなわち、豊かな社会へ向かうことになるはずです。

すなわち結論としては、いまは、「老後に備えてカネを貯める」だけだと、まったく逆効果であり、実体経済が衰退して、年金は実質的に破綻すると思われます。

まず何より、おカネを発行して国民に配ることが重要であると思われます。そして消費が拡大し、経済が拡大するなかで、あらためて「老後に備えてカネを貯める」のが良いと思われるのです。

とはいえ、ベーシックインカム制度が完全に導入されるようになれば、おカネを貯める必要は、なくなるんですけどね。それまでには、もう少し時間が必要なので。






2019年6月12日水曜日

MMTは「不都合な真実」だ

MMTは、最近になって米国で注目され始めたことから、日本でも議論が盛んになり、政府・マスコミが火消しに追われている状況だ。なぜなら「MMTは不都合な真実」だからである。

MMT(現代貨幣理論)と言えば、マスコミはすぐに「カネを無限に発行できる」「借金はいくらあっても問題ない」という極論を取り上げて、これがMMTだという。しかし、そんな極端な話ではなく、MMT(現代貨幣理論)の基本は、現代のおカネの仕組みを正しく理解することに大きな意味があり、その説明は、会計の基本原則である、「バランスシート」によって、まったくもって、正しいことが明白だ。

つまり、「現代の貨幣は、すべて銀行からの借金によって作られる」
という、「不都合な真実」である。

これは、これまで政府やマスコミが説明してきたしくみとは、まったく異なっている。例えば、財務省の説明に「国債は国民の貯蓄によって買い支えられているので、国債が増えると買い支えられなくなる」というものがある。しかし、実際には、国民の貯蓄によって国債が買い支えられているのではなく、「国債を発行することで、国民の貯蓄が成り立っている」のである。これは、バランスシートの動きからみて明らかであり、しかも最近の国会でも「日銀がこれを認めている」のである。

なぜなら、「現代の貨幣はすべて銀行からの借金によって作られる」からである(硬貨を除く)。

これは、財政再建と称して、消費増税を企む財務省と、そのとりまき政治家にとっては、非常に「不都合な真実」であり、この火消しにやっきになるのは、当然であろう。なぜなら、財務省が嘘つきであることが明らかになり、同時に、財政再建の理屈がひとつが、失われるからである。

さらに、貨幣の正しい理解に基づけば、デフレ(あるいは低インフレ)の状況において、財政再建、すなわち国債の発行残高を減らすことは、デフレを悪化させることに直結することが理解されるからだ。

つまり、現代の貨幣はすべて借金から作られているのだから、もし、政府の借金を減らせば、その分だけ、世の中のおカネが消えて無くなることを意味する。安倍首相も「デフレは貨幣現象である」と発言していたはずであり、つまり、財政再建がデフレを悪化させるものであることは、百も承知のはずである。

つまり、本年10月に予定されている消費税の増税は、デフレ脱却に向けて、まさに「逆噴射全開」となる。MMTによって、おカネの正しい仕組みが理解されるなら、本年10月の消費増税を延期することは、あまりに当然の結論になる。これは財務省にとって「まことに不都合な真実」に他ならない。

MMTは、政府、与党、増税議員、御用学者にとって「不都合な真実」であり、これを、やっきになって火消ししているのが、現状なのである。


2019年6月9日日曜日

財務省には本質的な危機感が欠落している

恐ろしいのは、財務省には「本質的な危機感」が微塵も無いことです。彼らの危機感は「カネの収支」だけ。うわっつらだけの、危機感で騒いでいるだけです。

実のところ、カネが本当に必要なのであれば、一瞬で何兆円も発行できます。カネとは単に帳票上で作り出されるルールに過ぎないからです。本当に恐ろしいのは、カネを出し惜しみすることで、日本の供給力、つまり、日本の経済力が弱体化することなのです。カネがあっても、経済が衰退してしまえば、元も子もない。ところが、この危機感が財務省には皆無なのです。

「財政再建」と称して消費増税を繰り返し、世の中のおカネの量を減らすことで消費をどんどん冷え込ませる。これが、デフレ不況を引き起こし、投資が停滞し、生産資本の蓄積や最新設備への更新が遅れ、供給力が低下します。また、「財源がない」と称して、科学振興や教育支援に出し惜しみすることで、テクノロジーの進化が停滞し、輸出競争力が低下し、ひいては、悪性の円安を招いて、日本を貧困化する。

それでなくとも少子高齢化によって供給力が減少するリスクがあるにもかかわらず、「少子高齢化社会へむけて、日本のクビを、さらに締める財務省」。しかも、驚くべきことに、「供給力が弱体化するという危機感」が財務省には完全に欠落している。彼らの頭にあるのは「カネの収支」つまり、「借金が多いと、財務省が責任を負わされるのではないか」という危機感、恐怖、すなわち財務省にあるのは、自分達の立場を維持する「保身」のみなのです。

財務省には、日本を運営する当事者意識がない。
あるのは、自らの保身のみである。

このままでは、日本は当事者意識の欠ける、保身の財務省によって確実に潰されてしまいます。いまや「財務省に日本が潰されるか、国民が財務省を潰して日本を救うか」の戦いなのです。

国民が団結して、財務省を潰そう!


2019年6月3日月曜日

政府が借金せずに、誰が借金するのか?

世の中のすべてのおカネは、銀行からの借金によって作られる。それが今日の準備預金制度である。もし、政府が借金を負わないのであれば、いったい誰が借金するというのか?

もちろん、正確に言えば、日本政府が発行している10円や100円のような硬貨は、政府通貨であるため、これらは銀行から借金しなくても世の中に供給することができる。しかし、現金・預金およそ900兆円のうち、硬貨はわずか5兆円にも満たない。つまり、すべてのおカネは、銀行からの借金によって作られていると言って、ほとんど間違いはない。

今は、まだ、デフレである。政府はデフレを脱却したというが、たかだか2%のインフレ目標すら達成できない状況だ。つまり、おカネが足りないのだ。もちろん、おカネがまったくないわけではないが、大企業や資産家が貯めこんでいるので、庶民には回ってこない。とはいえ、貯めこんでいる資産を税として徴収し、再分配するのは、かなり困難な状況にある。

そうした状況の中で、政府の借金を減らすと、つまり、財政再建と称して、国債の発行残高を減らすとどうなるのか?世の中のおカネはすべて借金から作られているので、政府の借金を減らせば、間違いなく、世の中のおカネの量が減ることになる。それでなくとも、デフレで世の中のおカネの量が不足しているというのに、おカネの量を減らせば、景気が悪化し、ますますデフレ不況が酷くなることは明らかだ。

MMT(現代貨幣理論)において、もっとも基本的、かつ、重要な視点はそこにあると思う。MMTの貨幣理論は、「おカネは負債によって供給されている」という点を、これまでの経済学のように、ごまかすのではなく、正面からきちんと捉えた正しい姿勢である。もちろん、そこから導き出される話(たとえば、政府の借金はいくらあっても問題ないなど)には、賛否があるだろうが、基本部分である、おカネの理論はまったく間違いがない。

世の中のおカネは、すべて銀行からの借金によって作られている。だから、誰かが銀行から借金しなければ、経済が成り立たない仕組みになってるのだ。とは言っても、家計が借金を増やせば、破産する人が続出して大変なことになるし、一方、企業は借金をしたがらない、それどころか、内部留保を貯めこんでいる状況だ。まさか、いまさら貿易黒字をどんどん拡大して、海外に借金を負わせることも難しい。

では、誰が借金を負うのか?現在の経済システムは「誰かが借金しなければ、破綻する経済システム」なのだから、政府の借金が良いとか悪いとか、そんな話ではない。良い悪いに関わらず、政府が負うしかないのである。それとも、企業や資産家が貯めこんでいるおカネに課税するというのか。できない、いや、そもそも、やる気がないではないか。

一方で、日銀の金融緩和政策は、企業の借金を増やす政策である。企業の借金が増えれば、なにも政府が借金して、世の中におカネを供給する必要はない。だから、企業が借金を増やすよう、金利を引き下げ、貸し出しを増やそうと必死になっている。おカネの量を増やそうとしているのだ。

にもかかわらず、政府自民党、財務省のように、消費税を増税し、財政再建と称して、世の中のおカネの量を減らそうとすることは、まさに「逆噴射」に他ならない。もちろん、経済が失速して墜落したとしても、何の不思議もない。当然である。そうなれば財務省の責任は免れないと、いまから世間に十分に周知した上で、財政再建していただきたいものだ。


2019年5月10日金曜日

MMT(現代貨幣理論)のステップ論法

MMT(現代貨幣理論)について考えるとき、いきなり結論の是非で騒いでも混乱するだけです。段階的に検証をすることをおすすめします。そのほうが、ずっとわかりやすいでしょう。

段階的な検証、これを「ステップ論法」としておきます。説明します。

①現代の貨幣(現金および預金)は、すべて銀行(日銀も含む)からの借金によって作られている、という「事実」をみんなで確認する(ここが貨幣理論に当たる)。つまり、貨幣はすべて負債として発行される(硬貨は除く)。

②ゆえに、もし企業や家計のような民間部門が十分な額の借金をしないなら、世の中のおカネの量が不足して、需要不足つまりデフレ状態を生み出す、という事実をみんなで確認する。ちなみに金融緩和政策とは、民間部門に借金させることで、世の中のおカネを増やすための政策である。

③従って、デフレ環境下においては、民間部門の借金が不十分であるため、代わりに政府が借金を負う事によって、世の中におカネを供給することで、おカネの量を維持する結果になっている、という事実をみんなで確認する。ゆえに、デフレ環境下においては、政府の借金は必要不可欠であって、財政再建してはいけないことが理解される。

④仮にデフレ状態が解消しない、あるいは、景気回復のテンポが極めて遅い状態にあるのであれば、政府の借金を増やすことによって、経済を回すために十分なだけのおカネを世の中の供給することが可能であることをみんなで確認する。

⑤では、実際にどれだけの国債をさらに発行すべきか、については、様々な議論があって良いし、計量経済学の観点から予測することも可能でしょう。ただし、あくまでも①~④を踏まえたうえで、議論すべきです。

さて、MMTに激しい拒絶反応を示しているリフレ派ですが、はたして、①~⑤のステップの、どの段階で異論を唱えるのか。そうすることで、論点は明確になると思います。①~③は「事実」なので、これに異論を唱えるとなれば、かなりイタイことになるでしょう。

④については、政府の借金を増やすのではなく、あくまで、民間部門が借金を負うことで、世の中におカネを供給すべきだ、とリフレ派は主張するかもしれません。何が何でも、民間に借金させなければ気がすまないわけです。

①の段階から激しく拒否反応を示すのが新聞マスコミや御用学者、それに財務省でしょう。彼らのこれまでの主張が「ウソだったのか!」となるからですw。しかし、このさいですから、事実関係を明確にするチャンスなので、大いに議論してほしいですね。①~③をスルーしてはいけません。マスコミや財務省は必ず逃げますので、国民の皆さんは、ぜひ監視してほしいですね。

というわけで、MMTについては、いきなり結論部分、つまり、「政府の負債は問題ないから、国債を発行して財政支出を増やせ」という話の是非を議論してはいけない、ということをご理解いただきたいと思います。




2019年5月9日木曜日

MMT(現代貨幣理論)の基本とは

MMT(現代貨幣理論)が注目をされていますが、そもそも貨幣理論なのですから、貨幣の話がまず最初にあるべきはずです。しかし、マスコミ等の報道では、その肝心な部分が欠落しています。とても不思議ですね。

MMTは貨幣理論と銘打っているのですから、当然ながら、貨幣の理論がその根幹にあるわけです。そして、その前提に基づいて、MMTにおけるすべての考察が成り立っているわけですから、当然、議論の入り口の段階において、その貨幣の話が正しいのか、間違っているのか、という議論がなされるべきでしょう。

しかし、新聞記事を見る限り、そんな話は出てきません。そこをすっとばして、MMTの結論部分が正しいのか、間違っているのか?という話になっています。入り口の話をすっとばして、結論部分だけ正しく議論することなどできるのでしょうか?これは、およそ、科学的な姿勢とはかけ離れているとしか思えませんね。

MMTの基本は、貨幣の発行のしくみ、つまり、「現代のおカネは、(ほぼ)すべてが銀行の信用創造によって作られている」という点を理解することにあります。

信用創造によっておカネが作られるとは、世の中のおカネは、貸し出しによって作られるということを意味します。言い換えれば、「世の中のおカネは、すべて、誰かが銀行から借金することによって作られている」ということです。

逆に言えば、銀行から借金する人が居ないと、世の中からおカネが無くなることを意味します。借金しないと、おカネが不足するのです。これは事実です。

それは、また同時に、これまで新聞マスコミが、銀行の業務に関して説明してきたことが間違いであることを意味します。つまり、これまでマスコミは「銀行は預金者から預金を集めて、それを貸し出す」と説明してきましたが、そうではなく、「銀行が誰かにおカネを貸し出すことで、預金が発生する」という説明が正しいことになります。

実際のところ、銀行の金融業務をみれば、「銀行が誰かにおカネを貸し出すことで預金が発生している」のが、紛れもない事実です。それはバランスシート(会計の仕組み)から明白です。

まず、このカネの仕組みを正しく理解すること、これがMMT(現代貨幣理論)の基本になります。この認識があって、そこから、様々な考察がなされてきます。私はMMTにそれほど専門的な知識を有するわけではありませんが、どこにMMTの「肝」があるか、それは見抜いているつもりです。

というか、普通に考えて、貨幣理論だ、と言っているのだから、貨幣の理解がまず先に立つのは当たり前ですよね。

その点、新聞等が書いている、MMTに関する説明は、およそ普通の国民が理解できるような内容ではありません。珍奇なものです。新聞には次のように書いてあります。

「自国通貨の発行権を持つ政府は、無限に通貨を発行できるため、物価の急上昇が起きない限り、(政府の)借金が増えても問題ないとする経済理論(読売新聞)。」

意味不明ですねw。こんな説明では、MMTを理解するどころか、変な誤解を広めるだけでしょう。もっとわかりやすく、説明する文章を考えてみました。

「現代の貨幣(現金および預金)は、ほぼすべてが負債(借金)によって作り出されている(信用創造)(貨幣理論)。そのため、民間負債の量が不十分だと、世の中のおカネが不足した状態となり、これがデフレを引き起こす。一方、政府の負債もまた世の中のおカネを増やすことから、民間負債の不足分を政府の負債によって補うことで、通貨供給を確保できる。ゆえに、デフレ環境下においては、政府の負債は必要不可欠であって、負債は問題にならないとする経済理論。」

少し文章の量が多いかも知れませんが、これなら、おそらく普通の人でもわかりやすいと思います。もし短縮するなら、ちょっとわかりにくくなりますが、

現代の貨幣は負債によって作り出されているため、民間負債が不十分であれば、政府負債を増加させなければデフレから脱却できない。その意味から政府債務は必要である、とする経済理論。」

MMTオタクの人に言わせれば、正確じゃない、と批判されそうですが、国民の誰も理解できないような表現では、仮に正確であったとしても意味がありません。ナンセンスです。そもそも、MMTを一言で正確かつ誰でも理解可能な表現で説明することなど100%不可能だ、と断言します。

MMTは貨幣理論です。まず、貨幣の話があって、はじめてMMTを説明したことになると思いますね。



2019年4月18日木曜日

社会保障制度より、国民に貯蓄をプレゼント

年金の支給開始の年齢が65歳に引き上げられたが、政府はさらに、70歳、75歳に引き上げようとしている。こんな「逃げる年金制度」に、まともに保険料を払うのはバカである。

財務省と御用学者は、こう主張する。「社会保障制度に不安があるから、消費が伸びずにカネが貯蓄にまわる」「消費税を増税して社会保障を充実すべき」。しかし、社会保障なんか最初から信用しない人が、若い世代を中心に増えているのが実態だ。

ネットに流れてくる書き込みを見ると、若い世代の人は、消費税を増税したところで、政府の年金なんか信用できないと思っている。取られるだけ取られて、もらえるかどうかわからないという。

確かにそうだ。年金の支給開始の年齢が60歳から65歳に引き上げられたが、政府はさらに、70歳、75歳に引き上げようとしているのだから、「カネを払っても払っても、年金が逃げていく」という感覚になるのは当然だろう。年金がどれほど充実した魅力的な制度になったところで、年金を貰う前に、多くの人は死んでしまうのである。

こんな「逃げる年金制度」に、
まともに保険料を払うのはバカである。

こんなふざけた制度よりも、もっと確実に人々の老後の不安を解消する方法はないのだろうか。多くの人々は、老後の不安を解消するために、おカネを貯めるのだという。つまり、おカネを貯めることが、安心に繋がるわけだ。

であれば、「国民に老後のための貯蓄をプレゼントすれば安心して消費が増える」ということになるのではないか。つまり、政府が老後の資金として、国民に数千万円くらい「ポン」とプレゼントする。そして、安心して今の給料を消費や子育てに利用していただくわけだ。

といっても、いきなり現金でポンと1人数千万円も渡すと、老後になる前に使う人が増えて、インフレになってしまう恐れもある。だから、そのおカネは、老後になるまで引き出すことができない、定期預金のようなかたちにするのである。65歳に引き出せる分、66歳に引き出せる分、という具合に、一年ごとに分割されているわけだ。もちろん、運悪くなくなった場合は、その時点で権利は失効する。

こいつは、「老齢定期預金」なんていう名称にしたらどうか。で、そのカネをどうするかと言えば、政府が通貨を発行して日銀の中に1000兆円くらい預金しておくのである。政府が通貨を発行するから、おカネは増えるが、その年齢になるまでは使えないわけだから、インフレになる心配はない。そして、政府が発行した通貨が日銀に預金されているのだから、その年齢に達したら、100%確実に支給されるのである。

長い年月の間に、老齢定期預金がインフレによって実質的に目減りする可能性もあるので、それに応じて預金金利をつけてもいいだろう。

このように、すべての国民に「老齢定期預金」として数千万円の貯蓄を「ポン」とプレゼントするわけだ。これは貯蓄が大好きな国民にとって、老後に大きな安心感を与えるはずだ。財務省の考える姑息な年金制度、すなわち、増税して、しかも支給年齢が逃げる、ポンコツ年金制度より、よほど安心感があるだろう。

似たような方法として、今の段階で政府が通貨を発行しないやり方としては、高齢になったら現金化できる「手形」という形式もあるが、約束手形だと信用がイマイチなので、やっぱり、実際のおカネを日銀に積んでおいて、見せびらかしたほうが安心だろうw。

というわけで、これまた「大胆すぎるアイディア」ですが、これくらい考えないと、つまらないですよね。

2019年4月6日土曜日

動画「財政再建の必要なし」第2話をUPしました

動画「財政再建の必要なし」:第2話「国債を返済する必要はない」をUPしました。
https://youtu.be/ow52fniyW_s

財政再建が必要ないことを、おカネの仕組みから説明しています。内容は前回の内容を、もう少し掘り下げた内容になっていますので、前回をご覧になっていない方は、そちらから視聴ください。

https://youtu.be/E8Z-iRoxQYY

なお、おカネの仕組みを正確に説明すると難しくなるので、正確性よりも、まず概念を理解していただくことを優先しています。


なお、本作品は内容がちょっと難しいので、動画を初めてみると話についていけないかも知れません。そこで、サイトにナレーション原稿と図を掲載しました、動画のテンポが速すぎると思いましたら、こちらもご参照ください

https://sites.google.com/site/nekodemokeizai/zaisei/nare02


2019年4月5日金曜日

MMTと財政再建のどっちがマシか

MMTという、一言で言えば「財政赤字なんか気にすんな」という政策が注目を集めていますが、そんなことしたら大変だという人も居ます。じゃあ、MMTと財政再建のどっちがマシか?

反対派の人は「MMTなんかやると、ハイパーインフレになる」という。MMTの考え方で言えば、自国通貨建て国債の場合、いざとなれば日銀が国債を買い取るから、財政破綻なんかしませんし、金利も上昇しません。だけど、国債を発行することは通貨を発行することでもあるため、通貨量が増えることになる。だからインフレになる可能性はあります。

とはいえ、単にインフレになる「だけ」ではない。増大した通貨が消費を刺激し、需要が伸びるからこそインフレになるのです。確かに物価は上昇するが、同時に財の生産活動が非常に活発になり、名目賃金がどんどん増加します。名目GDP成長率はインフレ率も含まれるので、仮にインフレ率が10%を超える高インフレの状態になったとしても、その場合は名目経済成長はそれこそ軽く10%を超えることになります。

ちなみに、名目GDPが成長すると、税収も自然に増えますので、実のところ、財政収支は改善したりします。

もちろん、限度がありますので、誰もハイパーインフレになるまで財政出動しろ、と言う話ではありませんね。バブル崩壊前の昭和時代の通貨供給率が年率10%程度ですから、その程度になるまでやればいいだけです。10%というと、年間100兆円くらいです。いや、そこまでやらなくても十分だと思いますけどね。

では、「MMTなんか、ヤバイからやめちまえ」と言って、財務省よろしく財政再建すると、どうなるでしょうか。

財政再建とは、政府の借金を返済すること、つまり政府の負債を縮小することですね。現代の通貨は、誰かが負債を負うことで発行される仕組みですから、政府の負債を減らせば、世の中の通貨の量が減ってしまいます。しかも、世の中のおカネの量をただ減らすのではなく、「消費税の増税」という形で、国民の購買力を直接に毀損するのです。

そのため、国民の購買力が低下し、消費も低下しますから、需要不足で物価はデフレ化します。いくら増税対策をやったところで、財政再建すれば結局は世の中のおカネの量が減るので、デフレ不況を避けることは本質的に不可能です。

デフレがどんな状態かは、すでにお分かりだと思いますが、簡単に言えば、皆さんの賃金が減り続け、失業者が増加し、ブラック企業が復活してきます。名目GDP成長率は低迷あるいは縮小に向かいます。

ちなみに、名目GDPが縮小すると、税収は悪化しますので、さらなる消費増税が必要な状況になるでしょう。

さて、MMT(国債は日銀が引き受けてくれるから、財政赤字は気にせず、財政出動して、景気が爆発的に良くなってインフレになる)と、財政再建(デフレ逆噴射の経済に逆戻りする)と、どっちがいいですか?



2019年4月4日木曜日

オレ政党を宣言しますw

選挙の年だというけれど、自分の考えにマッチした政党は出てきません。まあ、そんなものでしょうけど。自分の願望する「オレ政党」をぶち上げるしかないですね。とりあえず、言うだけならタダだしw。ネットで立党宣言するだけなら、誰でもできるしw。憂さ晴らしには、なるかもしれません。


未来社会党の立党宣言(未来党)

スローガン

現実を見据えつつも、理想の未来社会の姿を描き出し、その実現に取り組む。

ビジョン(綱領)

1)労働を強制されない社会の実現
今日は事実上の強制労働社会である。未来においては、労働はすべてロボットが担い、人間は芸術・学問・スポーツなど、興味のある分野に心ゆくまで取り組める環境を実現する。むろんその完全達成には時間が必要だが、そうした社会に向けて、段階的に移行できる経済制度を導入する。

2)正しいグローバリズムの推進
今日のグローバリズムは拝金主義である。カネのために途上国から資源や優秀な人材を奪い、環境を破壊し、世界の格差拡大を増長している。すべての人間を大切にし、それぞれの地域社会を大切にする、正しいグローバル化を実現する。途上国への支援を強化する。

3)偽の多様性すなわち移民政策を否定する
多様な地域の人間を同じ地域に居住させることは多様性の実現ではない。それは単にそれぞれの地域で独自に進化してきた文化を破壊するものである。地域的独自性こそ文化の母胎であり、文化交流と文化混成はまったく別の考えである。真の文化的多様性を実現する。

4)世界平和の実現
極めて厳しい目標であるがゆえ、それは単に戦争反対を唱えれば実現するとは考えられない。依然として武力が支配する今日の世界情勢に現実的に対応しつつ、最終的には世界からすべての兵器を根絶することを目指す。世界同時並行に大衆運動としてビジョンの共有と拡大を図る。

5)日本・中国・韓国の新時代を開く
新しい時代が歴史認識から生まれることは決して無い。歴史認識こそが、呪縛のように各国民の非生産的な対立感情を生み出している。歴史認識を捨て、それぞれが自分に誇りを取り戻し、生まれたままの(変に意識することのない)日本・中国・韓国の新しい連携の時代を開く。

ロードマップ(戦略)
これから考えるんじゃw。

というわけで、おいおい、ロードマップも考えてみたいです。




2019年4月1日月曜日

平成の低迷はカネ不足が唯一の原因

平成の30年間、日本の経済は低迷を続け、格差が拡大して子供の貧困も問題になっています。その原因は極めて簡単かつ明白です。平成はカネ不足の時代だった。

カネ不足が平成の30年間に渡る日本経済低迷の唯一の原因である(断言できます)。と主張すると、「最近の金融緩和によってカネはじゃぶじゃぶではないか」と多くの人は思うに違いありません。なぜかといえば、マスコミ(新聞テレビ)が、そのようなウソを広めているからです。真実は統計を見れば一目瞭然です。


これは、マネタリーベース(MB)とマネーストック(MS)の伸び率の推移をグラフ化したものです。マスコミが主張している最近の「じゃぶじゃぶ」という主張はマネタリーベースのことです(グラフ青線)。しかし、マネタリーベースは、企業や家計の経済活動に使われるおカネではありません。企業や家計に使われるおカネはマネーストックと呼ばれます(グラフ赤線)。このマネーストックは、じゃぶじゃぶところか、カスカスの状態なのです。

昭和の時代(~1988年)はおよそ10%程度の伸び率でおカネが供給されてきたのですが、平成になると、ほぼ同時に、おカネの伸び率は3%程度まで下がり、それ以後、平成の終わりまで伸び率が10%になることはありませんでした。

そして、これこそが、日本経済低迷の唯一絶対の理由なのです。

それは極めて簡単に証明できます。なぜなら「バブル崩壊によって、経済活動が崩壊した」ことでわかるからです。バブル崩壊によって何が生じたのか?

経済活動とは何かといえば、それは財(モノやサービス)を生産して、それを交換することで世の中に分配する活動になります。財の生産こそ、経済活動の本質であり、財の生産と分配が大きければ大きいほど社会は豊かになるのです。

バブル崩壊によって、財の生産が明らかに低下しました。しかし、ここでちょっと冷静に考えるとわかりますが、バブルが崩壊したからといって、財を生産するための工場や商業店舗のような設備が破壊されたのでしょうか?あるいは、働く人が大量に死んでしまったのでしょうか?

そんなことはありませんね。生産設備も労働者も、バブル崩壊の前後で何も変わっていません。財を生産する能力は十分にあったのです。つまり、生産面においては何の問題もなかったのです。なのに、設備が動かなくなり、失業者が溢れ、生産活動が低迷する。

となれば、その原因は市場活動を媒介する「カネ」であると明確に理解できるでしょう。つまり、「どんなに生産設備や労働力があっても、カネがなければ生産活動は低迷する」。これは、バブルの前後の状況を説明することで、証明できるのです。

しかし、残念ながら、これを冷静に理解する人は少ない状況です。なぜなら、すでに述べたように、マスコミが「カネがじゃぶじゃぶ」などという、ウソ(フェイク)を撒き散らしているからです。

データを見れば一目瞭然ですね。おカネの供給が足りないのです。ところが、財務省が企んでいる財政再建はおカネを供給するどころか、世の中からおカネを回収して減らす政策なのです(緊縮政策)。まさに逆噴射ですね。

新しい年号は「令和」になったそうですが、カネが不足しつづけた平成の失政に見切りを付け、昭和の時代の、おカネの潤沢な経済に戻すべき良い機会にしなければなりません。

令和を、よりによって、財務省の主導により、消費税の増税によって、世の中のおカネを減らそうとする時代の幕開けにしてはなりません。それは、平成を上回る、さらなる低迷の時代に日本を叩き落してしまう恐れが、過去のデータからも理解できるのです。



2019年3月19日火曜日

MMTに反対するなら富裕層に重税を

世界の投資家の中にはMMT(現代金融理論)を否定する人が少なからずいるようだが、彼らは自分達の所有している金融資産の多くが、政府の借金のおかげで成り立っているという事実から目を逸らせている。

現代の経済活動はバランスシートという帳簿の仕組みに基づいて運営されている。例えば金融資産もバランスシートによって記述されることで意味を持つ。これは会計の原則だ。さて、バランスシートにおいて金融資産がどのように記述されるかと言えば、それは常に負債と対になって記述されるルールである。

ややこしいので、簡単に言えば、誰かが金融資産を保有するということは、それと対になって、誰かが金融負債を負う事になる。つまり、誰かが借金しなければ、金融資産は1円も生まれない。もちろん、借金といっても、広く言えば借り入れだけでなく、債券、証券も含まれる。そして、当然ながらそこには「国債」が含まれることになる。

世界中の政府のほとんどは「赤字」である。つまり、政府が借金を抱えているのである。ということは、会計のルールに基づけば、それと対になって金融資産が生まれているはずである。では、その金融資産は誰が保有しているのか?紛れもなく、富裕層の人々である。

世界の1%の富裕層が、世界の富の50%を所有するとの研究レポートもあるほどだ。つまり、世界中の政府が借金することで生み出された金融資産の大部分を、投資家のような超富裕層が膨大に溜め込んでいるのである。彼らの金融資産は、いわば「政府の借金のおかげ」で出来ているのである。

その富裕層が「政府の借金を増やすことはけしからん」と主張しているのである。彼らには、自分らの資産が政府の借金によって成り立っているという自覚がないのだ。

ところで、MMT(現代金融理論)について簡単に言えば、「政府が財政赤字になるのはやむを得ない」という考え方だ。つまり、政府の財政(プライマリーバランス)が赤字なのは当然であり、ムリに財政再建する必要はない。政府の赤字が拡張し続けることも問題ではない、という考え方になる。財務省が聞いたら発狂間違いナシの理論であるw。

しかし、すでに説明したように、金融資産は金融負債によってのみ、つまり、誰かが借金を負わなければ1円も生まれない。もし、みんなが貯蓄を増やしたいと思うなら、その代わりに誰かが借金を負わなければならないのだ。では、だれが借金を負うべきなのか?

家計に借金を負わせたら、自殺者が激増してしまうだろう。また、景気が良くないから企業も借金をしたくないという。ならば、政府が借金を負うしかない。当然の帰結なのだ。

それでも、もし、政府が借金を増やさないのであれば、世の中のおカネの量は増えなくなる。そうした状況でも、経済強者である富裕層の貯蓄だけは増え続ける。世の中のおカネの量が増えないのに、富裕層の貯蓄が増えるとすれば、そのカネはどこからくるのか?そう、庶民の貯蓄が減って、富裕層に流れるのである。

つまり、資産格差がますます拡大することになるはずだ。

こうして庶民が貧しくなれば、必然的に税収は減ってしまうことになる。ますますプライマリーバランスは悪化する。となれば、残された方法論は明白だ。政府が借金して生み出されたカネを、しこたま貯めこんでいる富裕層に、容赦なく重税を課すのである。そうすれば、プライマリーバランスを改善することは簡単にできる。

というわけで、MMTに反対するのであれば(=政府の負債が増えることを許さないのであれば)、富裕層の資産に重税を課さなければならないのである。


2019年3月15日金曜日

「銀行ごっこ」やればおカネがわかる

おカネについて本がいろいろ出ているようですが、おそらく、どれを読んでもおカネの仕組みは理解できないと思います。おかねの仕組みを理解したいなら「銀行ごっこ」をやればいいと思います。

つまり、勉強会なんかを開いて、参加者に「銀行の役」を演じてもらうわけです。銀行役の人が、会社役の人に、実際におカネを貸し出してもらうわけです。そうすると、銀行が信用創造でおカネを貸し出すしくみが誰にでもよくわかると思うのです。

例えば、Aさんが銀行役になり、まず資本金100万円で銀行を起業します(金額等は、あくまで遊びです)。この資本金100万円は銀行の金庫に保管されています。

Aさんが会社役のBさんに80万円を貸します。ここで、Aさんが銀行の金庫から80万円をBさんに貸すと思うでしょうが、そうではありません。それをやるのは、銀行ではなく、貸金業になります。それ普通の貸し借りであって、銀行の行なう信用創造による貸出ではありません。

銀行は現金を貸しません。預金を貸すのです。これが信用創造です。このときに重要なのが「預金通帳」です。銀行は貸出としてBさんの預金通帳に「80万円」と記帳します。そして、80万円の貸借契約をBさんとと結びます。

現金は減ることなく、そのまま銀行の金庫に100万円あります。

次に、Aさんが会社役のCさんに50万円を貸します。同様に、Cさんの預金通帳に50万円と記帳し、貸借契約を結びます。

さらに、会社役のDさんに100万円を貸します。同様にDさんの預金通帳に100万円と記帳します。

これで、銀行のAさんは、B・C・Dさんに合計で230万円の預金を貸し出しました。銀行の金庫にはそのまま100万円があります。これが信用創造によるおカネの貸し出しです。銀行の資本金は100万円しかありませんが、230万円を貸し出しました。

この段階で、多くの人は怪訝な顔をするはずです。一般の人が信じ込んでいる銀行とは違うからです。多くの人は、銀行が金庫にあるおカネを貸すものだと誤解しています。大変な間違いです。銀行は預金を作り出して、貸し出すのです。だから「信用創造」なのです。創造するのです。

こうして230万円の預金がポンと作り出されましたが、取引は問題なく行なわれます。例えば、BさんがCさんから事務用品5万円を買うとすると、Bさんの預金通帳から5万円を引き、代わりにCさんの預金通帳に5万円を加算すれば決済完了です。

つまり、取引に現金を使う必要はないのです。
銀行が作り出した預金のみで取引が行われます。

じゃあ、銀行の現金は何のためにあるのか?一つは、現金を手渡しして取引したい場合があるためです。そのため、一時的に現金が銀行の金庫から引き出される場合があるのです。

例えば、Bさんが事務用品を現金の手渡しでCさんから買う場合、BさんがA銀行から5万円を引き出し、Cさんに手渡しで支払います。その後、Cさんが5万円をA銀行に預金します。これで、A銀行の現金は一時的に引き出されましたが、元に戻ります。100万円のままです。

もう一つは、銀行の貸出総額を制限するためです。というのも、信用創造の原理だけで言えば、すでに見てきたように、銀行は無限に預金を作り出して貸すことができます。そんなことをしたらどうなるか?世の中がカネだらけになって「ハイパーインフレ」になるかもしれません。

だから、銀行の貸出を制限する、つまり、信用創造を制限する必要があります。そのため、銀行の貸出額に応じて、一定の割合(準備率)の現金を、日本銀行に強制的に預金しなければならない仕組みになっています。これが準備預金制度ですが、これはややこしいので、今回は説明しません。

というわけで、おかねのしくみを理解するには、実際に「銀行の役」をやって、おカネを貸してもらうシミュレーションを行うのが、最もわかりやすいかも知れませんね。


2019年3月11日月曜日

おカネの価値は信用で決まる?

おかね通貨)の信用、という言葉をマスコミや御用学者は好んで使うようです。そのため、多くの人がおカネは信用によって価値が決まると誤解しています。これは大変な間違いです。

そもそも、信用、という言葉はまったく科学的、学問的でありません。抽象的であいまいであり、口先三寸でなんとでも言えるからです。客観性も乏しい。数字で表すこともできません。ただし、直感的で印象的で宗教の教本のなかで用いるには適しているでしょう。

ですから、もし、科学的、客観的におカネの価値を考えるのであれば、信用という言葉ではなく、例えば、通貨と財の交換レートである物価、物価の変動率であるインフレ率として定義されるべきものです。

信用という抽象的な表現によれば、おカネの量を増やすと、信用が薄まって、おカネの価値が毀損する、といいます。驚くべきことに、本来は学問的であるはずの経済学者の中にも、こんな抽象論を堂々と述べる人がいたりするので、腰が抜けるほど驚いてしまいます。ところが、学者先生が言うから、こんな抽象論でも一般庶民は少なからず騙されることになります。

しかし、おカネを増やせば単純にインフレになるわけではありません。日本のマネーストックの供給すなわち、おカネの伸び率は、バブル期に比べれば落ちたものの、それでも毎年2~3%程度増え続けています。しかし、インフレ率はその半分にも届かないのです。なぜなら、おカネが増えても、使う人が少ないからです。これは「おカネ信用説」では説明できません。

つまり、信用ではなく、おカネの価値は市場原理で決まります。需要と供給の関係です。需要に対して供給が多ければ、おカネの物価はあがり(デフレ)、需要に対して供給が少なければ、おカネの価値は下がります(インフレ)。仮におカネが増えても、需要が増えなければ、おカネの価値は下がらないのです。もちろん、グローバリスムが発達した今日は、貿易や為替といった要因が絡んでくるため、単純ではありません。

しかし、基本的なおカネの価値決定のメカニズムは、需要と供給の関係にあります。信用というあいまいな概念で説明できるものではありません。信用のあるなしは、口先三寸で、どうとでも言えてしまうからです。

次に、通貨の価値を、財との交換の保証であると定義するなら、それは「法定通貨」であり、「強制通用力」になります。法律と国家による強制力によって交換が保証されています。ですから、強制通用力が通貨の信用である、と表現するならアリだと思います。法貨でなければ、保証は低いものになります。

例えば、市中銀行は信用創造によって、事実上、恣意的に通貨を発行しており、いわば「信用の水増し」を堂々と行なっています。しかし、それら銀行が発行する信用通貨が信用力を有するのは、それが「法定通貨」だと法律で認められているからです。

銀行と言うシステムが誕生した昔の時代では、銀行の発行する銀行券通貨)は、法定通貨ではなく、それぞれの銀行ごとに違ったものでした。国家権力による保証はありませんので、その価値を保証するには金(ゴールド)との交換が可能である必要があり、ゆえに、銀行券は兌換紙幣である必要がありました。

といっても、銀行は、兌換に必要十分な量のゴールドを保有しているわけではないため、取り付け騒ぎが生じると、預金封鎖がおきます。そもそも、信用と言っても綱渡りなのです。

今日の銀行システムでは、法律によって強制的におカネの信用が担保されています。そのため、ゴールドによる裏付けは必要なくなりました。

しかし、法律は日本国というシステムがなければ強制力を失いますので、日本国がおカネの信用の要になります。そして、途上国に比べて日本の通貨が圧倒的に高い価値を有するのは、日本の経済力がとても大きくて生産性が高いからです。もし、カネ不足によるデフレを放置し続ければ、やがて日本経済がガタガタになってしまうでしょう。それこそが、おカネの価値を低下させる原因になるのです。

しかし、そうしたメカニズムも、「信用のあるなし」で説明することはできません。なにしろ、おカネを発行したら、信用が薄まるという理屈しかないからです。




2019年3月8日金曜日

政府債務の原因は「世の中のすべてのカネが借金」だから

財政再建を考える上で必要不可欠の知識は「世の中のすべてのおカネは借金からできている」ということ。これを抜きに国の借金問題は考えられません。

世の中のすべてのおカネは借金から作られます。これは、わたしたち国民が最も理解すべき基本常識です。こんな常識も知らないまま政治や経済を考えることなど、笑い話にしかなりません。

「世の中のすべてのカネは借金だ」という、現代のおカネのしくみを正しく理解することが、財政問題を論じるうえで最優先です。なぜなら、「世の中のすべてのカネは借金からできている」のであるなら、国の借金に対する人々の考え方は大きく違ってくるはずだからです。

しかしなぜか、そのことが新聞やテレビで報道されることはありません。いわゆる「報道しない自由」です。もし、それが報道されたなら、多くの国民が「それって、何か変じゃね?」と気付いてしまうからです。

しかし、財務省とその御用マスコミが消費税の増税を焦るあまり、景気がイマイチ悪いにもかかわらず、暇さえあれば「国のシャッキンガー」「消費増税まったなし」「国民は痛みを受け入れろ」の報道を繰り返すため、いい加減にウンザリする人が続出。ネット上では、増税ボットのような財務省の馬鹿さ加減にぶちきれる人が増加しています。やぶ蛇みたいなもんですね。景気が良くなるまで大人しくしていればいいものをww。

そのおかげで、ネット上では「国債を減らすことは、おカネをゴミ箱に捨てることと同じである」と理解する人がどんどん増えてきました。つまり、世の中にあるおカネが、すべて借金から作られていることが、ネット上ではバレバレになってきつつあります。

もちろん、新聞やテレビは無視しています。ですから、新聞やテレビしか見ない情報弱者の人々は、そのことに気付くことは少なく、まだまだ全国民の金融リテラシーは低い状態にあると思われます。これが、財政再建を正しく理解しないまま、政治が増税へ向かって暴走するリスクを高めています。

世の中のすべてのおカネは借金から出来ている。つまり、誰かが銀行(日銀あるいは市中銀行)から借金することによってのみ、おカネが世の中に供給される。もし、企業も家計も借金を減らそうとするならば、政府の借金は必然的に増加することになる。

という話の動画を制作しました。今回はその第1話であり、導入部分になります。第1話はたいへん大雑把に説明してますが、第2話では、その内容をもう少し詳しく説明する予定です。

なお、銀行制度の根幹である「信用創造」は、金融の知識のない人が始めて聞くと頭が大混乱になるので、それは全部すっ飛ばし、正確性を犠牲にして、わかりやすさ優先で説明しています。

「財政再建の必要なし」第1話
https://youtu.be/E8Z-iRoxQYY

※記事アップ直後に、動画再生できない事態が発生しましたが、修正しました。ご迷惑をおかけしました。




2019年2月27日水曜日

政権取りたいなら、所得150%UP計画を打ち出せ

野党が本気で政権を取りたいなら、10年で所得150%UP計画を打ち出せ。本当は「新・所得倍増計画」と言いたいところですがw。

さすがに、10年で所得倍増とか言えば、ムチャな目標かも知れませんね。しかし、10年で所得を1.5倍に増やすことが不可能とは思えません。

この場合、年間の名目所得の増加率は4.3%になります。国民の所得の伸びは、大雑把に言えば経済成長率と同じ(三面等価の原則)と考えられますから、経済成長率は4.3%なわけです。

そんなの無理?いえいえ、インフレターゲットの目標値が2%ですから、それを差し引くと、実質成長率は2.3%で良いわけです。これなら不可能とは言えません。そうなれば、10年後に名目所得は50%アップし、実質所得は25%アップです。むしろ「控えめな目標」だと思います。

何しろ、今後10年間で人工知能をはじめとする生産技術が飛躍的に進化すると予想されるからです。つまり、単位資本あたりの物的生産性が大きく増加します。つまり、今までは一つの工場を作れば1時間100個の製品を作れたとすると、人工知能等の自動化によって、一つの工場を作ると、1時間1000個の製品を供給できるかも知れません。

つまり、投資額が増えなくても、供給力が伸び続けるわけです。

まして、中国とアメリカは人工知能の主導権を争っており、両政府が開発に本腰を入れて取り組んでいますから、人工知能は急速に進化するでしょう。一方の日本は、財務省がカネを出さないので、人工知能の代わりに「移民」という人力(産業革命以前の手法)の導入に奔走していますがw。

サプライズなしに、どうして政権など奪取できるというのでしょうか。金融緩和政策によって、デフレ状況から脱却しつつあることは、国民の多くが評価している。しかし、多くの国民の賃金は伸び悩み、生活が向上しているという実感は乏しい。つまり、国民は今の経済に閉塞感を覚えているのです。

この閉塞感を打破するにはサプライズが必要だ。

具体的には、カネを発行して国民に毎月1万円のおカネを配る政策(ヘリコプターマネー)からスタートすればいいでしょう。おカネを配れば確実に所得が上がります(あたりまえですがw)。もちろん、インフレを抑制するために、人力頼みの政策はやめて、テクノロジーの研究開発や投資の促進に舵を切るわけです。

政治はパフォーマンスである。政権取りたいなら、所得150%UP計画をドーンと打ち出すべきでしょう。


2019年2月22日金曜日

日本が財政破綻しない理由

日本が財政破綻しないことは、ネットではほとんど常識になりつつあると思いますが、たまに質問が来るので、簡単に確認しておきましょう。

ただし、財政破綻の定義をしながら話を進めないと、話がややこしくなります。さもないと、ハイパーインフレも財政破綻も同じだと言い出す人が出てきます。破綻とインフレは同じものではありません。なんでもごちゃまぜにして考えると、混乱するだけです。


<財政破綻(資金繰りの破綻)>

財政破綻をネットで検索すると、「財政破綻は、国や地方自治体の資金繰りが行き詰ること」とあります。資金繰りがつまると、財政が継続できなくなり、政府の機能が停止します。これが財政破綻のもっとも単純明快な定義です。

資金繰りとは、おカネの入金と出金(=収支)をうまくバランスさせることです。おカネの調達とも言えます。たとえば、会社が破綻する場合、会社がおカネを十分に調達できなくなって、取引先におカネを支払えなくなります。これが債務不履行です。手形で売買を行なっている場合は、手形が現金に交換できなくなり、これが手形の不渡りになります。そうなると、その会社とは誰も取引してくれなくなるので、活動ができなくなり、倒産します。これが経営破綻です。

ところで、会社の収支が赤字になると、すぐ倒産するかと言えば、必ずしもそうではありません。おカネは借り入れによって調達できるからです。つまり、銀行が会社におカネを貸し続ける限りは、どれほど赤字の会社であっても、倒産することはありません。ただし、慢性的な赤字の会社に銀行はおカネを貸しませんので、いずれ倒産します。

政府も同じで、赤字であっても破綻しませんが、おカネの調達ができなくなると、倒産します。日本の政府も税金による収入が不足した状態にあります。そのため国債を発行し、主に銀行からおカネを借りて資金繰りを行なっています。日本政府は慢性的に赤字ですから、銀行がおカネを貸さなくなるかも知れません。そうなると、普通の会社であれば、間違いなく破綻します。

しかし、政府には日本銀行という銀行があります。民間の銀行が国債を買わなくても、日本銀行が国債を買うことによって、おカネを調達することができます。あるいは、日本国には「通貨発行権」があって、通貨を発行する国民の主権がありますので、政府が500円や100円の硬貨を発行するのと同様に、おカネを発行することで調達できます。つまり、

どんなに赤字でも政府は破綻しない。

原理的には、絶対に破綻しないわけです。ただし、意図的に破綻させることは可能です。つまり、日銀が国債を買うことを禁じる、あるいは、日本国がおカネを発行することを禁じる、といった具合です。


<デフォルト(債務不履行)>

正確に言えば、デフォルトは財政破綻ではありませんが、一般にはデフォルト(債務不履行)が財政破綻という意味で使われます。会社の場合、デフォルトとは、取引先におカネの支払いができなくなることであり、手形が不渡りになることであり、借金が返済できなくなることです。それが原因で、会社は経営破たんします。

政府のデフォルトは、国債の償還ができなくなること、国債の持ち主に、おカネを支払うことができなくなることを一般に指します。デフォルトすると、誰も国債を買ってくれなくなるため、資金繰りができなくなって財政破綻します。つまり、デフォルトは、正確には財政破綻ではなく、財政破綻の原因です。

では、なぜ国債がデフォルトする国があるのかと言えば、その国の国債が外貨建てだからです。

日本の国債はすべて円建てであり、円によっておカネを借りた状態です。この場合は円でおカネを返せばよいわけです。もし、おカネを返済する時点で、政府に税金で集めたおカネが不足していたとしても、足りない分は政府が円通貨を発行して返済することができます。具体的には日銀が円通貨を発行して国債を買い取ります。ちなみに、量的緩和政策を継続して、あらかじめ日銀が国債を全部買い取ってしまえば、デフォルトは起きません。

ですから、日本政府の国債がすべて円建てであることから、意図的にデフォルトさせない限り、国債がデフォルトすることはありません。

ところが、外貨建て国債の場合は事情が異なります。例えば、日本の国債がドル建ての国債である場合です。もし、日本の国債がドル建てだった場合、政府はドルでおカネを借りていることになりますから、返すときにはドルで返さなければなりません。ドルはアメリカの通貨なので、日本政府がドルを発行することはできません。ですから、ドルが不足すると、返済できなくなる場合があります。

もちろん、円を発行して、それを為替市場でドルに交換して支払うことは可能です。しかし、それは日本のように経済規模が大きな先進国だから可能なことです。もし小さな途上国だったら、大量の自国通貨をドルに換えることは難しいです。また、金融危機になると、為替市場では自国通貨が暴落し、ドルを買うことができなくなり、ますますもって返済が不可能になります。金融危機で途上国の国債がデフォルトするのは、そのためです。

さらに言えば、ユーロ圏の国は、もっともデフォルトリスクが高いと言えます。例えばギリシャ。ギリシャの国債はユーロ建てになります。ユーロはギリシャの自国通貨だと思い込んでいる人が多いですが、ユーロはギリシャ政府が発行しているのではなく、どこの国でもない、ヨーロッパ中央銀行が発行しています。

つまり、ギリシャはユーロに加盟することで、通貨を発行する国民の主権を放棄しています。ギリシャはユーロ通貨を発行できませんので、ユーロは自国通貨ではなく外貨と同じです。ですから、ギリシャのユーロ建て国債は事実上の外貨建て国債になります。

そのため、通貨を発行してユーロ国債を返済することはできません。つまり、増税しなければ、即、デフォルトします。そのためギリシャでは容赦ない増税と社会福祉の切捨てが行われ、国民は困窮しています。

以上が、財政破綻しない理由になります。


<ハイパーインフレは財政破綻?>

ところで、「財政破綻を避けるためにおカネを発行すると、ハイパーインフレになるから、ハイパーインフレは財政破綻だ」、と言い出す人がいます。しかし、破綻とインフレは違う現象です。財政破綻とは財政の継続不能であり、ハイパーインフレは物価が暴騰することです。

ですから、財政破綻するか、しないか、といえば、意図的に破綻させない限り、絶対に破綻しません。

もし「財政破綻しない代わりに、ハイパーインフレを引き起こすリスクがある」と指摘するなら、それは正しいでしょう。しかし、通貨を発行して国債を購入しても、必ずしもハイパーインフレを引き起こすとは限りません。インフレは財政と違って、おカネの収支とは別の要因が絡んでいるからです。

実際、日銀の量的緩和によってすでに300兆円以上の国債が買い取られましたが、ハイパーインフレはおろか、2%のインフレすら達成できない状態です。つまり、日銀がカネを発行する=即インフレ、という図式は成り立たないのです。

このことは、通貨制度、需要と供給、あるいは外国との関係などが絡んできますので、簡単ではありません。それは、またの機会に。


2019年2月20日水曜日

インフレそのものが目的ではない

金融緩和の目的がインフレにあると誤解している人が居るようです。しかし、インフレはあくまで結果であって、インフレを引き起こすような経済環境(=好景気)を持続することが目的なのです。

インフレそのものには、何ら良いことはありません。物価が上がらずに好景気になるなら、それに越したことはありません。ですから、インフレそのものを目的とすることは意味がありません。そうではなく、インフレを引き起こすような経済環境(=好景気)を持続的に実現することが、目的になります。

例えば、ヘリコプターマネー。おカネを発行して国民に毎月おカネを支給するとします。すると、国民の購買力が向上し、消費が拡大することによって、市場取引を通じ、物価はインフレ(上昇傾向)になります。この場合は、国民の消費が増大すること(財の分配が増えること)が主目的であって、あくまでもインフレは後から付いてくる現象なのです。

逆に、もしインフレを先に起こしたらどうなるでしょう?例えば消費税を上げるとします。消費税も物価に含まれますので、消費増税は増税した直後にインフレを引き起こします。しかし、価格が上昇すれば、国民の消費が減少します。そのため、国民は貧しくなります。同時に企業の売り上げが減少し、企業利益が減少するために、賃金の引き下げを余儀なくされるでしょう。そして市場では需要が減るため、価格の下落が始まります。

つまりデフレです。一時的に物価を上げたところで、その後は長期的にデフレになってしまいます。それが、2014年の消費増税後の景気低迷です。

ですから、物価が上がればそれで良い、という話ではありません。インフレはあくまでも結果として生じる現象に過ぎません。脱デフレの目的は、国民の購買力を増やし、消費を増加させることにあります。国民の購買力が継続的に増え続けること、それがインフレの条件なのです。

すべての国民の購買力を平等に向上させるには、ヘリコプタマネーが最適でしょう。おカネを国民に配るのです。

アベノミクスで行なわれている金融緩和政策は、国民の購買力を直接引き上げる政策ではありません。あくまでも、企業の借り入れを増やす、あるいは企業の内部留保を投資に回すための政策です。ですから、それが国民の購買力に波及するには時間が必要であり、また効果も非常に薄い。だからこそ、いまだにインフレターゲット2%すら達成できないのです。

いまこそ消費増税を凍結し、通貨を発行し、給付金によって国民の購買力を平等に引き上げる、ヘリコプターマネー政策をただちに推進すべきだと思います。

2019年2月15日金曜日

消費増税による財政再建は無用である

財務省へメールする、「消費増税に反対する意見書」の第3案を作りました。内容は似た部分が多いのですが、形式や内容が微妙にちがいますw。

件名:平成31年度予算の編成等に関する建議への意見

消費増税による財政再建は無用である
その理由

(1)既発行の国債について
日銀がすべて市中から買い取れば良い。これは現在の量的緩和政策をそのまま継続するだけであり、それにより高インフレが発生する恐れは無く、実際、その兆候すら見られない。また、世界的に景気が下降しつつあり、その局面において量的緩和政策の中止は困難であることから、ほぼすべての国債を日銀が買い切る可能性もある。

(2)歳入の不足分について
歳入の不足分はすべて日銀が国債を直接引き受けることで調達できる。不足分は、国債費を除くと平成30年予算で年間およそ15兆円である。これを日銀の引き受けによって賄う。ただし放漫財政によるインフレ率の上昇を抑えるため、引き受け額はインフレターゲットに基づいて調整する。

(3)過度の信用創造への対策について
預金準備率を順次引き上げて100%とし(MS=MB)、法定通貨の発行は市中銀行ではなく、日銀だけが行なうものとする。これにより高インフレのリスクは極めて低くなる。

(補足説明)

(1)既発行の国債を日銀が買い取っても、MBが増加するだけであってMSは直接増加しない。このことから高インフレのリスクは低いと考えられる。金融緩和以後すでに300兆円以上の国債を日銀が買い取っているが、インフレターゲット2%すら達成できていない。それでもリスクを恐れるなら(3)のごとく準備率を100%まで引き上げておくことをお勧めする。

(2)歳入の不足分を日銀の引受で行なった場合、MSも増加する。仮に年間15兆円のMSが増加するとすれば、2018年で計算するとMS(M2)の伸び率はおよそ+1.5%となり、同年の伸び率に加えても+4.4%に過ぎない。これはバブル崩壊前の半分以下の伸びであり、過度にインフレを警戒するのは誤りである。

また、日銀が円通貨を発行すると円通貨の信用が低下するとの指摘は当たらない。もしそれならば、市中銀行が信用創造によって信用通貨(預金)として円通貨を発行している現状は、まさに円通貨の毀損に該当する。しかし円通貨の信用はまったく低下していない。むしろ(3)のごとく、円通貨の発行を日銀に限定することにより、円通貨の信用(=円通貨の総発行量)は安定する。以後も日銀がインタゲに基づいて通貨発行量を調整するので、日銀の独立性は確保される。




2019年2月13日水曜日

政府が日銀に借金(国債)を返さなくても、日銀はちっとも困らない

日銀が量的緩和政策の結果、国債を膨大に保有しています。つまり政府が日銀に膨大な借金をしている「かたち」になっています。では、この借金を政府が返さなかったら、日銀は困るのでしょうか?いえ、ちっとも困らないはずです。

なぜ政府が日銀に借金を返さなくても日銀はちっとも困らないのか?それは、銀行からの借金は、普通の借金とはまるで違うからなのです。

普通の借金の場合、例えば企業や個人から、あなたがおカネを借りるとします。企業や個人がおカネを貸すときは、彼らがあらかじめ所有しているおカネを貸します。だから、企業や個人の金庫からおカネがなくなって、それがあなたに渡されるわけです。この場合、もし、あなたが借りたおカネを返さなければ、貸した企業や個人のおかねが無くなってしまいます。企業や個人は大損害ですね。だから、この借金は返さなきゃならないわけです。

ところが、銀行の借金はまったく違います。銀行がおカネを貸すときは、金庫のカネを貸すのではありません。何も無いところから、ポン、とおカネを発行して、それを貸すのです。それが「信用創造」と呼ばれる行為です。そのようにして生まれるおカネは「信用通貨」と呼ばれ、それが銀行預金に該当します。

日本銀行の場合も、日本銀行が金庫に持っているおカネを貸しているわけではありません。何も無いところから、ポン、と現金を作り出して、それを貸しているのです。貸すといっても、この場合は国債を買うことになります。つまり、何も無いところから、ポン、と現金を発行して、国債を買い取っているのです。それが「量的緩和政策」なのです。実際、日銀がおカネを発行している、と報道されているでしょう?

例えば、あなたがプリンターでおカネを印刷して、それを誰かに貸したとします。そのおカネを、貸した人があなたに返さなかったとしたら、あなたは大損するのでしょうか?しませんね。もともと、何も無いところから印刷しただけですから。金庫の中のおカネを貸すのとは違うのです。

これは日銀の場合もまったく同じです。無からポンと発行したおカネが返済されなくても、「基本的には」困らないわけです。ただし、無からポンと発行したとはいえ、おカネが返済されないと、財務会計上は面倒なことになります。帳簿に穴が開いてしまいます。ですから、借り換えすればよいのです。借り換えとは、借金を返さないのと同じことですね。借り換えする限り、借金を返さなくても、帳簿に穴が開くことはありません。

そして、銀行は貸したカネの「利息」で運営されますので、貸したカネが返済されないことよりも、利息が支払われないことが大問題になります。利息がないと、普通の銀行は倒産してしまいます。だから「借金を返せ(=利息を払え)」となるわけですね。

ところが、日本銀行は政府の機関ですから、そもそも、利益を稼ぎ出す必要はありませんし、財務省や厚生労働省と同じように、税金で運営されて然るべき機関です。つまり、利息が仮にゼロだとしても、税金で運営されるから何の問題もないわけです。日銀は利益を稼ぎ出す機関ではなく、通貨を安定的に供給することにより、日本を維持発展させる機関です。

ですから、政府が日銀に借金を返さなくても、日銀はちっとも困らないのです。未来永劫に借り換えを続ければよい。そして、いま、市中銀行が保有している国債もすべて日銀が買い取ってしまえばどうなるか?すべて、返す必要がなくなるのです。

はい、財政再建は完了しましたw。


2019年2月12日火曜日

ベーシックインカム第4話「財源について」

ベーシックインカムの動画、第4話「財源について」をUPしました。財源と言えば、おカネの収支ばかり問題になりますが、本質的にはおカネの収支よりも「財の供給力」が重要な課題となります。おカネは発行すれば無限に調達できますが、財(モノやサービス)の供給力には限りがあるからです。最も基本的な考え方を説明しました。

https://youtu.be/V4X1rzZFSDE

この動画では、最も基本的なことしか説明しておりませんので、財源についてもう少し説明が必要であれば、サイトもご覧ください。

https://sites.google.com/site/nekodemokeizai/

2019年2月10日日曜日

財政再建に関する意見書の別案

財政制度審議会(財務省)が、財政再建に関して国民の意見を聞くという。「お役人さま」が下々から意見を聞くのは珍しいことだから、是非みなさんも意見して欲しいです。ということで、前回に続いて、意見書の別案を掲載します。


件名:

平成31年度予算の編成等に関する建議への意見

結論:消費税は安定財源ではない、通貨発行(日銀引受)を財源として組み込む必要がある。

1)消費税は安定財源ではない

消費税は、短期的には税収の変動幅が小さいために、安定財源であると誤解されやすいが、長期的にみると税収の減少が避けられないため、安定的ではない。なぜなら、政府から支出される通貨の一部は、必ず貯蓄として退蔵されてしまうからである(循環しなくなる)。その結果として、少子高齢化の如何に関わらず税収が減少し、それを補うためにさらなる消費増税が必要となり、デフレが深刻化し、やがて日本経済を破綻させるまで増税を繰り返す結果となる。そうなってからでは、もはや手遅れである。通貨の退蔵を避けることはできないため、通貨供給が必ず必要となる。

すなわち、通貨を供給し続けなければ税収は長期的に必ず減少する。その一つの例を挙げるならば、バブル期には民間債務の増大による高い通貨の伸び率に支えられて税収は増加したが、その後、バブル崩壊で民間債務の増大が停止すると通貨の伸びが激減し、同時に、税収は低迷することになった。これがいわゆる「ワニの口」の原因である。

2)通貨発行は高インフレを引き起こさない

高インフレを引き起こさない理由は単純明快である。周知のように、銀行保有国債はマネーストックを増加させる。すでに600兆円以上の通貨(マネーストック)が国債発行(銀行保有分)によって供給されているにも関わらず、依然として日本経済がデフレを脱していないからだ。600兆円と言えば、100兆円の国家予算6年分にも匹敵する金額である。これらの通貨は、大企業の剰余金や高額所得者の貯蓄として貯めこまれている。仮に課税するとすれば、彼らに課税するのが筋であって、消費税の増税は的外れである。

3)具体的な政策案

現在の税収に加えて、不足する歳入は通貨の発行によって賄う。通貨の発行については、法改正により日銀引受を可能とし、インフレターゲットの範囲内で、専門機関によって発行量を決定する。ただし放漫財政を避けるために、歳出について厳しい精査が必要であることは言うまでもない。なお、通貨量(マネーストック)が増加すれば、税収も増加する。以上。

2019年2月7日木曜日

平成31年度予算の編成等に関する建議への意見

財政制度等審議会(財務省)が、財政の問題に関して、国民の意見を聞くという。件名は「平成の財政を振り返り、次の新たな時代に向かう意見募集について」である。以下リンク。締め切り4月5日だそうです。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/ikenbosyuu/20190204.html
そちらに、電子メールの送り先アドレスがあります。注意点として、メールの件名は「平成31年度予算の編成等に関する建議への意見」にしなければなりません。文字数は1000文字まで。

なお、ご参考までに、自分が送ろうと思っている意見書を以下に掲載します。もっとボロクソに財務省を批判したかったのですが、抑えましたw。これ以外にも、幾つか意見書の参考例を後日掲載したいと思いますので、ご参考にしていただき、是非、財務省に「厳しい意見」をお送りいただきたいと思います。

件名:

平成31年度予算の編成等に関する建議への意見

結論:

プライマリーバランスを即時中止し、インフレターゲットに一本化すべし

平成の財政における問題点:

財政問題を「単なる政府の負債の問題である」と捉えると判断を誤る。通貨をどのように供給するかという点において、今は時代の転換点にあるからだ。同建議に限らず、政府の財政に関する検討には、こうした視点(マクロ視点)が決定的に欠落している。

これまでは民間企業などが銀行から負債を負うことで世の中に通貨を供給してきたが、これは経済が成長するほど、民間負債が無限に膨張する仕組みである。逆に言えば、民間企業などが銀行から負債を負うことを避けるようになれば、通貨の供給が伸び悩み、必然的にデフレ不況を引き起こすことになる。非常に不安定な仕組みであるといわざるを得ない。仮に民間の負債が伸びない場合、世の中に通貨を供給するためには、政府が銀行から負債を負う以外に通貨を供給する手段がない。これが今日の膨大な国債発行の一因である。

景気を維持する上において、通貨を一定以上の割合で供給し続ける必要があることは、日本の過去におけるマネーストックの伸び率とGDP伸び率、税収、賃金などの推移を見れば明白であろう。先進各国の利子率は低下しており、均衡金利はマイナスとも言われる。一方で金利を引き下げると(金融緩和政策に依存すると)資産バブルを引き起こし易い。ゆえに通貨の供給を民間部門の借り入れに依存することは難しい時代になった。すなわち政府部門が負債を増やし続ける必要がある、あるいは、負債によって通貨を供給する現在の通貨制度の抜本的な改革が求められる。

具体的な政策案:

国債は新規・既発ともにすべて日銀が買い入れる。これにより財政再建は事実上完了し、プライマリーバランスを考慮する必要もなくなる。一方、国債発行は事実上の通貨供給であるため、経済・物価の安定化のためにインフレターゲットが重要になる。準備率を順次引き上げることで過度なインフレを防止する。通貨政策は、政府・日銀が金利に介入する金利政策に代わって、財政支出および税によって市中の通貨量を調整する(準k%ルール)。金利はあくまで市場が決めるものとする。これにより財政政策と金融政策は統合され、金利調整の難解さを廃して国民にも理解が容易な経済政策となる。以上。

2019年2月5日火曜日

正しい反グローバリズム

グローバリズムに反対する声が世界でも日本でも広がりつつあることは、非常に明るい話題です。しかし、単にグローバリズムを否定することが、正しい反グローバリズムではないと思います。

私は、グローバリズムのすべてが悪いとは考えていません。交通機関が発達し、インターネットが普及し、世界の人々が交流するようになるのは必然的な流れだし、相互に影響したり、相互に協力することで、それぞれの国、それぞれの地域の人たちの生活が豊かになる、幸福度が増すことは良いことです。

あるいは、地球規模で進行している環境破壊、地球温暖化の問題、あるいは、地球に地域的に偏在して存在する資源の利用について、爆発的に増加する人口問題、こうした課題はグローバルに世界が協力して取り組まねば解決は難しいでしょう。

こうした分野におけるグローバリズムについては、何も反対する理由はありません。どんどんグローバルな交流や協力を推し進めるべきなのです。

問題は、「いわゆるグローバリズム」が「拝金主義」であることにあります。美しい理想とは裏腹に、実際には資本主義むき出しの、金儲けのためにグローバリズムが利用されています。もちろん、これらを推進する人々は「金儲けのため」なんて、なまなましいことは言いませんw。当たり前ですね。美しい理想を語ります。しかし、実際にやっていることは「金儲け」であり、カネさえ儲かればよいとする「拝金主義」なのです。

だからこそ、理論的にはすべての人々に恩恵をもたらすはずのグローバリスムが、一部の富裕層、大企業の幹部や社員だけにもたらされる結果となっているわけです。つまり、今のグローバリズムは「拝金主義グローバリズム」であり、いわば「悪いグローバリズム」なのです。反グローバリズムは、この「拝金主義の、悪いグローバリズムを叩き潰す」運動でなければならないと思います。

とはいえ、何十年もかけて徐々にグローバルな経済システムが世界各国の経済システムに取り込まれてきたため、これを、たかだか1年や2年でひっくり返すことは現実的ではありません。混乱を招き、逆に人々を苦しめる事態になりかねないのです。つまり修正にも時間が必要です。

グローバリズムが間違いであったとしても、感情的になって、国内の外国人を攻撃したり、ヘイトスピーチを行なう、あるいは、自国が大切とはいえ、他の国を無視した形で、無理矢理に自国第一主義をごり押ししたのでは、混乱を招くだけで、人々の生活にとって逆効果です。

こうした状況にあって優先すべきは、拝金主義グローバリズムの毒を軽減する政策を検討して早急に実行する必要ことだと思われます。グローバルな拝金主義のシステムは、時間をかけて修正しなければならないでしょう。

①分配を強化する

グローバリズムの恩恵は、グローバル大企業とその株主、経営者、社員などに限られ、多くの庶民に恩恵はありません。関税撤廃で輸入品が安くなったところで、大多数の人は所得が増えないのですから意味がないのです。貨幣を広く分配することによって、初めて、グローバリズムによる恩恵がすべての人に行き渡るわけです。分配の強化はグローバル化において「必須」と言えます。その一つの方法として、ベーシックインカムのような、継続的な国民への給付金(配当金)が必要だと思います。

②移民を厳しく制限する

移民も拝金主義そのものです。なぜ拝金主義者が移民を推進するかと言えば、「安い労働力が欲しいから」です。その結果、国内の労働市場において賃金が低下したり、失業が増加するのです。さらに、移民の多くは「カネが欲しいから日本に来る」つまり拝金主義的な移民です。そうした移民にとっては、日本も日本人も「カネのために付き合うだけ」の存在です。それが、国内に「もともと、なかった軋轢」を持ち込むことになります。これは、本来あるべき移民の姿ではありません。もちろん、すでに述べたように、すでに日本で生活している外国人を排除しろという話ではありません。

③途上国への支援強化と共生社会

移民問題を真に解決する方法は、移民を受け入れることではなく、移民元である途上国を豊かな国にすることです。自国を捨てて外国に逃げ出した移民だけを幸福にするのは、不公平です。途上国の人々は、すべて豊かになる権利があるし、それを先進国が手助けすべきなのです。一方、先進国は資源が乏しいが資本や技術があり、途上国は資源はあるが、資本や技術に乏しい。それを、資本主義的なカネ儲けや、搾取・被搾取の関係ではなく、もっと理性的な互恵的なやりかたで、持続可能な形で、交換するといった協力関係を構築すべきだと思うのです。そして世界が同時に豊かな未来に向かって前進する。

それが正しい反グローバリズム運動でしょう。

以前の著作になりますが、拝金主義グローバリズムについて書いた電子著作がありますので、もしご興味があれば、ご覧ください。

拝金主義グローバリズム
http://www.amazon.co.jp/dp/B01MG2QZA0


2019年2月1日金曜日

生産活動よりもおカネが先に立つ

生産活動よりもおカネが先に立つ。つまり、おカネが先にあれば、生産活動が活発化するのです。なぜなら「カネが欲しいから、人間は働く」のです。馬の鼻先にニンジン。

簡単に考えましょう。商品となるモノが何もない状態、例えば、農地があるだけだとします。そこに労働者がいます。おカネを発行して、この労働者に「農地を耕してイモを作ってくれたら、このおカネをあげる」と言います。すると労働者は必死に働いて、イモを生産します。

つまり、イモが先にあるのではなく、先におカネがあるわけです。おカネが欲しいがために労働者は働き、その結果、イモが生産されるわけです。これは企業でも同じです。カネがあれば、そのカネが欲しいから企業が活動して財を生産し、販売し、カネを得るわけです。

ですから、生産活動を活発にするには、カネが先にあることは有効です。政府が「カネを発行して国民に配る」と言えば、そのカネが欲しいと多くの企業は考え、新しい商品を開発し、生産し、市場に投入します。つまり「需要を見込んで生産が活発化する」わけです。

消費税の増税は、これの逆ですね。政府が「消費税を増税する」と言えば、国民の購買力が無くなると企業は考え、コストを抑制して、生産を縮小し、在庫の増加に備えます。「景気後退を見込んで生産を縮小する」わけです。

ちょっと考えれば小学生でもわかると思います。しかし、マスコミは、こんな単純な話も理解できません。むしろ「金利がー」「国債暴落がー」など、わざわざ国民が理解できないような話を持ち出して、騒いでいます。国民がだれも理解できなくても、とりあえず、大学の教授でも出しておけば信じるだろう、てなもんですw。

経済やおカネの本質的な仕組みは、そもそも簡単なはずですが、それをわざわざ難しく解釈して、理解の難しいように説明し、そこに大学教授を連れて来て、その後光によって自らの主張を信じ込ませる、というパターンを繰り返しています。

景気を回復するのも基本は簡単です。ニンジンを馬の鼻先にぶら下げて走らせればいいわけです。そして走ったらニンジンを食わせてやる。ところが、今の政府や財務省は馬のしりをムチでビシビシ叩いて走らせようとするものですから、馬は欲求不満になるし、馬の体力も低下しますね。それで、馬の潜在成長力が低い、なんてしたり顔で言うのですから、呆れてしまいます。

潜在成長力を引き出すには、馬の鼻先にニンジンをぶら下げないとだめなんですよ。生産活動を活発化する方法なんか簡単です。まず必要なのは、馬の鼻先にぶら下げる「カネ」です。

2019年1月30日水曜日

ベーシックインカム動画第4話の原稿

ベーシックインカム動画の制作は、精神的に無理ないスピードまで下げているのですが、とりあえず、中間状況としてナレーションの原稿をUPします。気長に待ってくださいw。

第4話 ベーシックインカムの財源とは

はっはー、私は、ばらまきマンだ。前回までは、ベーシックインカムの概要について説明してきた。ところでベーシックインカムの話には、必ずある疑問が付きまとう。それは「ベーシックインカムとして国民に配るためのおカネをどうするか」つまり「財源をどうするか」という問いだ。だから今回はベーシックインカムの財源について考えてみよう。

さて、財源と言えば、一般的には「税金」や「おカネ」のことを連想するよね。でも、本質的に考えてみると、財源とはおカネではなく、財の供給力であることがわかる。ところで財という言葉はあまり聞き慣れないけれど、経済学においては、「財」とは「モノやサービス」を表す言葉であって、おカネではない。

食料品や衣料品、家電製品や住宅のようなモノや、飲食や観光あるいは医療や介護のようなサービスを財と呼ぶ。世間的には「おカネは財産だ」と言われるので、おカネと財は同じだと勘違いされやすいけど、まず最初に、財とおカネは別のものであることを確認しておく必要があるね。

もちろん、そうした「モノやサービス」といった財を人々に供給するには、おカネが必要だ。でも、いくらおカネがたくさんあっても、肝心のモノやサービスが不足していたら、それらを人々に供給することはできない。つまりベーシックインカムの財源にとって重要なのは、モノやサービスを供給する供給力であって、おカネそれ自体ではない。

逆に言えば、おカネは政府が発行すれば、簡単に調達できる。昔は輪転機を回しておカネを発行しなきゃならなかったけど、今はコンピューター上で、電子的に、いくらでも、瞬時におカネを発行できる。だから、モノやサービスが十分にあるなら、おカネそのものの不足を心配する必要はないんだね。こうした経済における本質的な部分に注目すると、「ベーシックインカムの財源の本質は、おカネではない」と、理解できる。これが重要だ。

何しろ財源の話になると、財の供給なんかそっちのけで、おカネの収支の話ばかり始める人たちがいるが、これは財源に関する検討としては、大きくピントが外れていることになる。

以上から、ベーシックインカムの財源を考えるには2つのアプローチが必要だとわかる。
①財の供給力を確保すること
②おカネの循環を検討すること

ベーシックインカムの財源を考える上で最も重要な点は①「財の供給力を確保すること」だ。モノやサービスが不足すれば、ベーシックインカムは成り立たない。逆に供給が十分に確保できるなら、②「おカネの循環を検討すること」によって、生産される財をどのように社会に分配するかを設計するだけでよい。極論を言えば、財の供給さえ確保できるなら、おカネの循環はいかようにでもなると言える。では、それぞれどのようにすべきかを考えてみよう。

①財の供給力を確保すること

財の供給は、生産資本と労働力、資源によって成り立つ。つまり、生産するための機械設備や土地、建物といった生産資本が必要であり、そこで働くための労働者も必要となる。そして木材や、鉄、アルミニウムのような金属、エネルギーとして電気、石油のような資源が必要となる。これらを十分に確保できるかが重要だ。

ベーシックインカムが実現すると、将来的には働かずに生活する人が増えるので、労働力は必然的に大きく減少すると考えられる。そうなると、労働力が不足するため、財を生産することが難しくなってしまう。だから「人間が働かなくても財を生産できる」人工知能やロボットのような機械を実現するために、研究開発が極めて重要になる。

また日本は資源に恵まれない国なので、資源を外国から買うために、商品を生産して輸出する必要がある。輸出する商品の価値を高く維持する必要があるので、輸出商品の研究開発力、技術力も高くなければならない。だから、人工知能やロボットの開発、輸出商品の開発に政府がどんどん支援する必要がある。

また、地球の資源は量が限られているので、供給力を維持するためには、リサイクルや再生可能エネルギーのような、持続可能なシステムを構築しなければならない。ここでも研究開発が欠かせない。そしてそれらが十分に高いレベルにあって、財の供給力を高いでレベルで確保できれば、財源の本質的な問題は、ほとんど解決したと言える。

②おカネの循環を検討すること

財の供給量が十分であれば、それをどのように分配するかが残された課題だ。その際に重要なことは「おカネは循環することではじめて機能を発揮する」という点だ。財源について考えるとき、多くの人はおカネが循環するという点を忘れている。おカネは使うと消えてしまう、と思い込みがちだが、実際には、同じおカネが生産者と消費者のあいだをぐるぐる循環することで、おカネとしての働きを発揮しているんだ。

例えば、現在の社会におけるおカネの循環を簡単に模式化するとこのようになっている。現代社会の消費者の多くは同時に労働者でもある。つまり、消費者は、生産者である企業に労働力を提供して、代価として賃金、つまりおカネを受け取っている。そのおカネを企業に払って、企業が生産した財すなわちモノやサービスを受け取っている。このおカネは企業の売り上げとなり、再び賃金として消費者に支払われる。こうして、おカネは消費者と生産者の間をぐるぐると回り続けているんだ。

ところが、もし仮に、人間の労働がすべて機械に置き換わったらどうなるか?人間が働く必要はなくなるのだから、消費者である労働者が企業で働くこともなくなる。すると、生産者である企業から消費者に賃金が支払われることもなくなる。すると消費者にはおカネがないから、生産者が生産した財を何も買うことができなくなってしまう。すると商品がまったく売れなくなって、企業も倒産してしまう。

つまり、消費者と生産者の間でおカネが循環しなくなってしまい、経済システムが破綻する。もちろん、これは極端な話しだけど、もし人工知能やロボットがこのまま進化すれば、働く人が減って、おカネの循環が低下し、経済活動が停滞する、今で言えば、デフレ不況になってしまうんだ。

そこで、消費者と生産者のおカネの循環をきちんと成り立たせるために、政府がベーシックインカム制度を導入する。これまでは、生産者である企業が、消費者に賃金としておカネを供給してきた。しかし、将来的には企業から消費者に賃金が支払われなくなるから、代わりに政府が消費者にベーシックインカムとしておカネを供給することになる。消費者はそのおカネを生産者に支払って財を買うことができる。

一方、生産者である企業には売り上げとしておカネがどんどん集まるけど、賃金を払うわけじゃないから、企業にはおカネがどんどん積みあがる。そこで、そのおカネを政府が徴収して、再びベーシックインカムとして消費者に配るわけだ。これによって、生産者と消費者の間のおカネの循環は成り立つ。これがベーシックインカムの財源に関する基本的な考え方なんだ。

そして、生産者である企業に集まったおカネをどうやって政府が徴収するか、これが具体的には税制なんだけど、話が長くなるから今日は省略するよ。それと、この図は物凄く単純なので、実際のおカネの流れはこれだけじゃない。どれほど機械が進化しても、一部では人間が労働して賃金等の報酬を企業から受け取る場合もあるし、株式の配当金として株主のような資産家に流れるおカネもある。貯めこまれてしまうおカネもある。だからこれ以外にも財源として考えなきゃならない点はいくつかあると思う。

さて、今日はベーシックインカムの財源について考えてみた。財源について細かく考えると、考えなきゃならないことはたくさんあるはずだ。しかし、基本的な仕組みはここで説明した仕組みになると思う。つまり、生産者から政府がおカネを徴収し、それを消費者にベーシックインカムとして分配することで、世の中のおカネを滞りなく循環させるしくみだ。一般的によく言う財源とは、通貨の循環の仕組みに他ならない。税金を取る、取らないという単純な話ではないんだ。

そして財源の本質はあくまでも「財の供給」にある。だから、技術力を高めて、人工知能や自動生産ロボットを作り、リサイクルや再生可能エネルギーを実現することが、本質的にベーシックインカムの財源を確保することになるんだ。

それじゃあ、今日はこれまで、ベーシック!

なお、1~3話のナレーション原稿もサイトに公開しました。
https://sites.google.com/site/nekodemokeizai/
動画の貼ってある、下のあたりにリンクあります。

2019年1月28日月曜日

ほとんどの人は、国の借金を普通の借金と勘違い

国の借金を返さなきゃならない、とマスコミが大騒ぎしています。しかし、皆さんご存知ないですが、借金には仕組みが2種類あるんです。それ知らないとまずいですよ。

バランスシートという、企業では当たり前に使われる財務帳票がありますが、その仕組みから言えば、借金、つまりおカネの貸し借りには2種類あるんです。それは、簡単に言えば、

①普通の借金
友達が10万円を保有しています。その10万円をあなたが借りて、後日、10万円を返します。返したおカネは友達の所有に戻る。これが世間一般の考える「借金」、貸し借りの関係です。

②銀行からの借金
銀行が保有している10万円を貸すのではなく、銀行が信用創造で預金10万円を無から新たに作り出します。その10万円の預金をあなたが借ります。後日、返したおカネは銀行の所有に戻るのではなく、消滅します。これは、世間一般の人は知らない仕組みですが、これも貸し借りです。

ほとんどの日本人は、国の借金を①普通の借金、だと考えています。普通の借金の場合、もともと、おカネは友達の所有物なので、友達から借りたおカネは返さなきゃならない。返してもらわないと友達は困ります。あたりまえですね。なので、国の借金も返さなきゃならない、と考えるのは当然でしょう。マスコミも財務省も、そういうスタンスで騒いでいます。

しかし、国の借金は②なんですね。もともと、誰も所有していないおカネを銀行が勝手に作り出して、借り手に貸します。借金が返済されると、返済されたおカネは消えます。もともと、銀行は誰かから集めたおカネ、誰かのおカネを貸すわけじゃないのです。だから、無理矢理に返す必要はない。ただし、銀行としては「利息」が欲しいわけです。だから、利息を払えば、誰も困らないのです。誰か困りますか?

ところが、ほとんどの日本人は、国の借金は、友達からおカネを借りた借金と同じだと思っています。なぜなら、マスコミから政治家から官僚まで、①と②の違いを「報道しない自由」しているからです。①と②の違いを聞いたこと無いでしょw?おそらく意図的なんです。だから多くの人が「国の借金を返さないと困る人が出てくる」と勘違いしています。

さらに言えば、国債とは自由に売買できる債券なので、ますますもって、友達から借りた借金とは違いますね。なのに、口を開けば「国のシャッキンガー」とマスコミが騒いでいます。国民を勘違いさせるためです。

この国債を日銀が銀行から買い取れば(=量的緩和)どうなるか?国(政府)は日銀に借金していることになります。つまり、政府は日銀におカネを返すことになります。日銀も銀行です。ですから、やはり②銀行からの借金に該当します。となると、日銀に政府がおカネを返すと、おカネが消えます。

しかし、世の中からおカネを消したところで何の得になるのでしょうか。例えばインフレがひどい状況であれば、世の中のおカネの量を減らすことは意味があります。しかし、今は2%のインフレ目標すら達成できないほど、デフレあるいはディスインフレの状態です。世の中のおカネを減らす意味はないですね。

そして、日銀は銀行ですから、国債の利息が欲しいわけです。ですから、政府が日銀に利息を払いさえすれば、無理矢理に返済する必要は無いわけです。利息を払えば誰も困りません。では、政府の支払う利息はどこから調達するのか?これは税金になりますね。それじゃ、私たちが払う税金が増えるのか(増税)

そもそも、日銀は政府の機関です。政府の機関は税金で運営されます。財務省も経済産業省も、税金で運営されます。一方、もし、政府の払う利息で日銀が運営されるとしても、その利息の出所は税金ですから、本質的には日銀も税金で運営されていることになります。つまり同じです。

そしてもし、日銀を運営する経費を超えて政府が日銀に利息を払うなら、それは日銀の儲けになります。日銀の儲けは、国庫に納付する義務がありますので、運営経費を上回る分は、すべて政府に戻ってきます。したがって、日銀の運営経費を上回って、税金が増える心配はありません。

さて、話が少しだけ難しいかも知れません。もし、よくわからなかったとしても、これだけは覚えて欲しいですね。①友達からおカネを借りる、いわゆる「借金」と、②銀行からおカネを借りる借金は、本質的に違うという点です。国の借金は、①ではなく、②なのです。


国の借金を、普通の借金と同じだと勘違いしてはいけません。

2019年1月24日木曜日

左派・右派の違いは強弱・敵味方

ある人が、右派と左派の違いは、関心の対象が内と外、上と下の違いである、と主張していたが、それはちょっと例外が大きい気がしますね。むしろ右派と左派の違いは強弱と敵味方だと思います。

いきなり話がわかりにくいですが、最初からキチンと説明します。右派と左派の違いはどこにあるか?を考えたとき、ある人は、「右派は内側(日本)と外側(外国)の関係に注目する、だから、外交や軍事に興味の中心があり、中国や韓国などに厳しく、安全保障に熱心」と考え、また「左派は上(ブルジョアジー)と下(プロレタリアート)に興味の中心があり、搾取や格差に厳しく、社会保障に熱心」と考えているようです。

確かにこれは面白い考えだと思います。しかし例外が大きいと思います。なぜなら、今日の右派、いわゆる保守派と思われる人の多くが、内外の関係だけでなく、上下の関係、つまり格差の問題や社会保障の問題にも非常に敏感であるということです。つまり、右派の多くの人は内外にも上下にも強い関心があるのです。

そこで、別の分け方を考えてみることにしました。まあ、そんな風にステレオタイプな見方をするのは良くないのですが、しかし、右派や左派を理解する一助になるかもしれません。そのわけ方は、次のようなものです。

左派は強弱に関心がある、というか、弱者に関心があり、弱者を守ろうとする傾向があり、逆に強者を排除する、強者を嫌う傾向があるということです。極めて単純に言えば、弱者=善、強者=悪、とみる傾向があると思います。「弱きを助け、強きをくじく正義の味方」。なので、国内国外を問わず、弱者であれば、すべて善であり、守るべき対象になる一方、強者は悪であり、弱めたり、攻撃したりする対象にされます。弱者としての中国や韓国に対して好意的であり、強者としてのアメリカを嫌います。強い者が嫌いであって、自らの帰属集団にはあまり関心がないようです。そのように見えます。

一方、右派は敵味方に関心がある。敵か味方かを判別し、敵を嫌い、味方を好むわけです。この場合は、アメリカのような強者であっても、味方であると判断すれば好意的になります。しかし、アメリカのような強者は潜在的に敵となる可能性があるので、右派も潜在的に反米の気持ちがあります。反米右派です。もちろん、日本と対立がある中国や韓国は敵になりますから、当然ながら中国や韓国を嫌います。一方、日本と直接の利害関係のない国、つまり敵ではない外国に対しては非常に友好的になりますし、安全保障の観点から、積極的に味方を増やそうとします。

また、右派は同時にまた労働者階級でもあるわけです。労働者にとって労働者は同胞=味方です。経営者や資本家はある意味で敵ともなりえるわけです。身内つまり味方である労働者が貧困であるなら、それを許している経営者や資本家は敵なのですから、当然ながら攻撃対象となります。こうした敵味方の考え方は、自らの帰属集団を維持、拡大する価値観です。帰属集団はさまざまあり、国家、会社、社会階級、家族、サークルなど、さまざまです。

面白いことに、左派は女性が多く、右派は男性が多いように思われますが、これはおそらく性差による性格特性の違いによるものだと思われます。これは、自然界ではごく普通にみられる現象なので、驚くに値しません。が、あまりこれを書くと差別だといって絡まれるのでやめます。

だらだらと、思いつくままに書きましたが、以上のように、左派については弱者に興味が強く、右派については敵か味方か、帰属集団の維持拡大に興味がある、このように思いました。どちらも理性ではなく、人間の原始的な「本能」が、そうさせていることは間違いないのですが。


2019年1月22日火曜日

歴史認識は有害である

「歴史認識は有害である」という客観的事実を理解し、認めることにより、歴史認識に対して冷静、客観的に対処することができるようになる。それこそが重要です。

逆に言えば、歴史認識が重要かつ不可欠であり、それに基づく行動が義務であるかのような強い意識を持つと、歴史認識の問題に対して、強いこだわりを持ち、非常に過敏になり、熱心になり、
あらゆる場面においてその影響が現れてくる。簡単に言えば「感情の問題になる」。

もし歴史認識が有害であるという客観的な事実を受け入れるなら、たとえばこのようになる。

「歴史認識はこうだー」という感情に対して、「確かにそうかもしれないけど、歴史認識って有害なんだよね」という、冷静な立場を維持できる。白か黒かではなく、そもそも、白黒決着つけたところで意味ないじゃん、となる。有害な観念に、囚われる必要はないからだ。

こうした「歴史問題にこだわらない姿勢」をもって、「日本の罪を誤魔化そうとしている」、などと批判が出るだろう事は十分に予測可能だ。だが、歴史認識は日韓で食い違いがあるし、すでに100年近くもあとの今になって、事実関係を100%明らかにすることは不可能だ。結局は双方共に、推測がかなりの部分を占めることになり、白黒は決して明らかにならない。

一方、有益か有害かは判断が比較的容易だ。実際に、歴史認識によって何が生じるかを冷静に分析するなら、歴史認識には必要性が無いこと、むしろ害悪であることは明白だ。

この検討は比較的簡単であって、①歴史認識にこだわる場合 ②歴史認識にまったくこだわらない場合、のどちらがより双方に利益があり、友好的関係を長期的に築けるかを比較すれば良い。長くなるので、おいおい、こうした考察も展開したいが、簡単に言っても、②の方が明らかに優れていることがわかるはずだ。

仮に、②歴史認識がなかったとしても、植民地支配・被支配の関係が未来において繰り返される可能性(日本が韓国を支配する)はゼロだろう。現代の国際情勢や価値観は、100年以上前の昔とは、比較する意味すらないほど違う。

それどころか、逆に①歴史認識にこだわることが、日韓の対立の解決不能な状況を生み出している現状をみると、これこそが、再び悲劇を繰り返す原因になりかねないとの懸念が強い。

もちろん、一度、刷り込まれた固定観念を簡単に払拭することはできない。歴史認識の問題は、ほとんど「感情のレベル」に刷り込まれているからだ。理性で理解しても、気持ちが治まらない、腹が立つ、そういうレベルだ。そんなものを両国民の気持ちの済むような形でクリアに解決できることは不可能だ。

だからこそ、「歴史認識は有害である」という、理性的な損益判断をしっかり認識することが重要であり、それが感情を冷却させる。そこが原点だ。最も重要な点だ。歴史認識ではなく、いまある利益をしっかり見つめ、日韓友好の道を歩むべきである。

2019年1月18日金曜日

経済政策は、政権奪取のための道具なのか

庶民の政治的な関心の中心は、もちろん日々の生活向上であり、生活を支える経済政策、景気対策にあることは当然でしょう。ですから、各政党の経済政策の目的は、生活を向上するためであるはずですが、そうとは限らないようです。

つまりこういうことです。経済政策によって人々の生活を向上させる(あるいはそのような公約を示す)ことによって、選挙を有利に戦い、政権を奪取したなら、もちろん公約に基づいて経済政策を行なうわけです。しかし、彼らの本当にやりたいことは経済政策ではなく、極端に言えば、安倍政権なら「憲法改正」であり、野党なら「米軍を追い出す」ことであるわけです。つまり、本当にやりたいことはイデオロギー(政治信条)のようなものであって、経済政策は、民心を掌握するための道具であるというスタンスです。もちろん、すべてがそうだとは言いませんが。

まあ、それでも庶民としては生活さえ向上すればそれでよし、呉越同舟、同床異夢というところかも知れませんが、何かしっくりこない感じもします。

なぜなら、手のひら返しがあるんじゃないかと心配するからですw。そもそも庶民の生活向上が至上目的ではありませんから、いつなんどき、庶民の生活向上とイデオロギーを天秤にかけないとも限りません。もちろん、そうしたイデオロギーに基づく諸活動もすべて「庶民の生活のためなんだ」と主張することはまちがいありません。なにしろ、消費増税を堂々と主張する大新聞・大マスコミも「庶民のために庶民に増税する」とか平気で言いますから、何とでも言えます。

とはいえ、庶民の生活なんかほったらかしで、イデオロギー論争なんかやっている連中ばかりでは、天上の戦いを見ていうようなもので、庶民にとって政治や選挙なんかまるで無関係なままです。まずは、どうやって人々の生活向上を図るのか、それを活発に議論して欲しいところですし、単なる抽象論ではなく、マクロ経済学的な知見も交えて、より深く、濃い議論が必要です。これまでのような子供だましのレベルではダメですね。

そうした意味では、各政党が政権奪取のために、より、経済政策に磨きをかけ、庶民に提案するようになることは、前進であると思います。

政治なんて、所詮はどろどろした汚いものであって、美しい理想形を求めるのはナイーブ過ぎるかも知れません。互いに利用し、利用され、それでも何かよりよいものを掴み取りたいですね。

2019年1月17日木曜日

マスコミはグローバルの実態を理解しているのか?

マスコミ、あるいはグローバリストの識者は日本のグローバル化を無批判に喜んで勧めてくるが、そのグローバルな世界の価値観に日本がすんなり対応できると考えているのだろうか。

最近、日本に対する風当たりが厳しい。隣の韓国は、日本の自衛隊機に対するレーダー照射問題に対して、ほとんど証拠を示すこともなく、状況からいっても、ほとんど意味のない反論をしてきている。そもそも照射されてもいない日本の自衛隊から、先に抗議するなどありえないのだ。明らかに韓国の主張には不利な状況がある。にもかかわらず、悪いのは日本であるとして、まったく引かない。つまり「どんなに不利でも、仮にウソでも、主張を押し通す」。

これは、日本人的な価値観から言えば、あり得ない非常識な態度であり、日本人の多くが「韓国が悪い」と思うかもしれない。しかし、そうではないと思う。むしろ、韓国の「どんなに不利でも、仮にウソでも、主張を押し通す」態度こそ、世界のグローバルなスタンダードだと理解すべきではないか。

これは、特別背任などの容疑で逮捕された日産のカルロス・ゴーン氏も同じだ。日本人なら、潔くあきらめて罪を認めるのが当然と思うだろう。しかし、「どんなに不利でも、仮にウソでも、主張を押し通す」態度こそグローバルスタンダードなのだ。だから、日本人の目には、ゴーン氏は悪人に見えるかも知れないが、欧米人にしてみれば、あれがあたりまえと思うのではないか。もちろん、それとは別の問題として司法制度の問題はあるが。

つまり、グローバル・グローバルなどと喜んでいるが、そもそも日本人に、こうした「どんなに不利でも、仮にウソでも、主張を押し通す」ことが、自然に、違和感なくできるようにならなければ、とてもじゃないが本当の意味での「グローバル化」など、あり得ない、単にビジネスの上で、金儲けのためのグローバル化にとどまるのではないかと思うのです。

グローバリズムは、単にシステムの問題だけではない。単にシステムだけ同じ土俵の上に載せても、対応はできないのです。しかも、日本人の大部分がそのグローバルスタンダードに合わせて価値観を修正せざるを得ないのだとすると、それは日本人としての特性を失うことを意味する。価値観の多様性はどこへいったのか?

また、逆に言えば、なぜ日本人が欧米の価値観にあわせなければならないのか、むしろ、世界こそ、日本の価値観に合わせるべきだとの視点もあってしかるべきだろう。

もちろん、マスコミやグローバリストはそんな心配はしていないだろう。彼らにとって重要なのは何よりも「カネを儲けること」だからです。