2018年8月4日土曜日

ヤル気ない日銀の独立性に疑問

日銀がまたまた物価目標の達成目標を遅らせた。インタゲを達成する政策は他にもあるのだが、日銀にやる気が無いのである。これは日銀の独立性に疑問を持たざるを得ない。

物価目標(インフレターゲット)を達成する方法が打ち止めになったわけではない。あるのだが日銀にやる気が無いのである。マスコミは物価目標の達成が難しいなどと、相変わらず経済音痴ぶりをさらけ出しているが、強力な政策は他にもある。しかしマスコミが報道することはない。

方法は恐ろしく簡単である。おカネを発行して国民に給付金を配り、国民の購買力を高めることで消費を引き上げるのである。実際のところ、手続きが面倒なだけであって、方法論は極めて単純明快であり、小学生でもわかる。逆に言えば、あまりにもわかりやすいから、かえって、いまさらそんな政策を行なえば「なぜもっと早く行なわなかったのか?と国民から叱責されるかも知れないほどだ。いや、逆に言えば、それが怖くて「いまさら言い出せない」のかもしれないw。

それはさておき、それはいわゆる「ヘリコプターマネー政策」(ヘリマネ)である。この政策は「副作用がー」と騒ぐ連中も居るが、なにせこの副作用は「インフレ」である。つまり、ヘリマネを行なうとインフレ目標を達成してしまうのである。これは大変だ。

ただし、ヘリマネは日銀だけでは政策を完結できない。なぜなら、日銀は通貨を発行できるが、それを国民に給付することはできない(そういう役割を担っていない)からだ。一方、政府は過去にも給付金を支給していることを見ればわかるが、国民に直接おカネを給付する立場にある。だから、日銀と政府がきちんと連携して「政府・日銀」として、国民のための役割を果たすべきところだ。

しかし、日銀の独立性を過剰に意識するがゆえに、日銀と政府が連携することを嫌う向きがあるのではないか。「日銀の独立性ガー」である。日銀は日銀で政府とは無関係に政策を行い、政府は政府で日銀とは無関係に政策を行なうのが、独立性だと思っているのである。

しかし、こうした過度な「独立性信仰」のような考えが、日銀・白川総裁と民主党政権の時代にあって、マスコミもそれを奉り、当時の世界的な大規模緩和の流れに乗らない、日銀の金融緊縮を容認してきたといえる。それが日本の景気回復を遅らせた一つの要因でもある。

そして、安倍政権以後、「日銀は神聖にして侵すべからず」といった、気味の悪い独立性信仰をある程度脱して、政府と日銀の連携による金融緩和がようやく実現した。しかし、まだまだ、国民主権から独立したような、気味の悪い日銀の独立性が存在しているのだろうか。

もしそうだとすれば、日銀の独立性には大きな疑問を持たざるを得ないだろう。デフレを脱却し、経済成長を実現するためには、おカネを回すことが有効であり、それはヘリコプターマネーによって実現することは間違いない。にもかかわらず「日銀が政府から独立しているから、ヘリコプターマネーが推進できない」のだとすれば、そんな独立性は害になるだけである。

大規模金融緩和に踏み切って5年になろうとするが、いまだ物価目標2%すら達成できないようなスローペースである。その間、ヘリマネに関する議論があったにも関わらずこれを無視し続け、「もう一息で達成できる」といい続けて5年も過ぎたのであれば、ほとんど「無策・無能」と言われても仕方の無いレベルだろう。