2018年10月5日金曜日

将来世代へのツケが国民の貯蓄の元

「将来世代へのツケを増やすな」と主張する人がいますが、将来世代へのツケこそが今の国民の貯蓄の元になっています。つまり、将来世代へのツケを増やさなければ、国民は貯蓄を増やすことができないのです。

通貨制度を知らないと、何のことかわからないと思います。現代の通貨制度では、誰かが銀行から借金することによって通貨が発行されています(信用創造)。つまり、誰かが借金を増やさない限り、世の中のおカネは増えない仕組みになっています。

ですから、いま、家計の金融資産が1800兆円あるとされますが、それは誰かの借金、たとえば、政府の負債(国債)1000兆円によって発行されたおカネです。国債とは「将来世代へのツケ」ですね。つまり、将来世代のツケが、めぐり巡って、私たちの貯蓄になっているのです。

ですから、私たちが貯金を増やしたいと願うならば、将来世代のツケを増やさねばならないのです。逆に言えば、将来世代のツケをなくしたいのであれば、私たちの貯蓄の大部分を消し去ってしまう必要があるのです。

なぜ、こんな無茶苦茶な話になるのか?
それは、借金によっておカネが作られているからです。

もし、誰かが借金をするのではなく、政府が通貨を発行したらどうでしょうか。それが「ソブリンマネー(制度)」です。政府が通貨を発行するのですから、誰も借金をする必要はありません。そして、政府が発行した通貨が、めぐり巡って私たちの貯蓄になるのです。その場合、将来世代へのツケが増えることはまったくありません。将来世代のツケを増やさなくとも、私たちが貯蓄を増やすことができるのです。

考えてもみてください。私たちが必死に働いて、節約して、おカネを貯めたとしても、それがなんと「将来世代へのツケ」が元になっているんです。努力しておカネを貯めるほど、将来世代を苦しめるんです。こんな馬鹿げた話はないでしょう。こんな通貨制度は止めるべきです。

ソブリンマネーを導入しましょう。