2018年12月4日火曜日

「財源には限りがある」のセリフは間違い

財務省の手先である緊縮派の新聞や御用学者の常套句である「財源には限りがある」のセリフは間違いです。「財源は無限にある」が正しいのです。

財源に限りはありません。なぜなら財源とは通貨の調達のことですから、何も税金や借金(国債)に限ったことではないからです。通貨は発行すればいくらでも作り出せる。ですから、おカネと言う意味での財源に限りはまったくありません。「財源は無限にある」が正しいのです。

ただし、財の供給力には限りがあります。財とはモノやサービスのことであり、実際に価値のあるものです。これは通貨と違って、ポンポンと簡単に作り出すことはできません。供給力を支える資源も生産資本も数が限られています。ですから「供給力には限りがある」は正しいのです。

しかし、緊縮派の新聞や御用学者は「財の供給力」を無視します。なぜなら、先進工業国である日本には非常に大きな財の供給力があるのですが、それを言い出すと「緊縮できない」からです。それだけ大きな供給力があるのですから、通貨を発行して通達するだけで、社会保障やインフラ投資などを実現することができます。

そこで、緊縮派の新聞や御用学者は「財源に限りがある」と言います。財源は税収の範囲に限られると主張し、それを「プライマリーバランス」と言います。そのようにすることで、通貨の調達に自ら上限を嵌めてしまうわけです。そうすれば、仮に日本にどれほど供給力があったとしても、プライマリーバランスを上限として、供給をそれ以下に押さえることができます。プライマリーバランスという建前によって、日本経済の頭を押さえつけるのです。

このように、財務省は日本経済にプライマリーバランスというレベルキャップを嵌め、意図的に日本経済を押さえつけているのです。そのような意図がなかったにせよ、結果的に、財務省は日本経済を押さえつけているのです。これは陰謀論ではなく、客観的な分析です。

しかし、これは実に馬鹿げた行為です。日本の経済の上限は税収(プライマリーバランス)にあるのではなく、供給力にあります。供給力を100%有効に活用するにはどうするか?その場合、プライマリーバランスをガン無視して、インフレターゲットを採用します。つまり、インフレターゲットを3%くらいに設定して、その範囲で財政支出を行なうわけです。

余談ですが、その場合に問題になるのは、民間銀行の信用膨張がインフレを想定以上に押し上げるリスクです。バブルのリスクもあります。そうした懸念にあらかじめ対処するためには、民間銀行による通貨発行を停止して、政府(日銀)だけが通貨を供給する「ソブリンマネー」の仕組みが有効です。

「財源には限りがある」というセリフは間違いです。重要なのは財源ではなく供給力です。先進工業国である日本では「プライマリーバランス」という発想は、日本経済の頭を押さえつけて、日本経済を停滞あるいは衰退させる原因になるのです。