2014年11月3日月曜日

現代社会はカネを増やすための巨大装置

今日の社会で生じている経済現象を観察すると、その生態において「著しい貨幣の膨張と貨幣の特定集団への偏在化」が大きな特徴であることに気が付きます。これは何を意味するのでしょうか。

現代社会は、大多数の人々の生活のためにおカネを利用するシステムではなく、特定の人々の保有するおカネを無限に増殖させるための装置である、と考えれば、実際に生じている現象と要因の理論的な整合性が高い、と思わざるを得ません。つまり話のつじつまが合います。

社会現象をよく観察しましょう。格差が拡大し、一部の人々を除き、人々の生活は苦しくなっています。その一方で、何が生じているでしょうか。

株式、債権、為替、先物などの典型的な「投機市場」が経済活動のあたかも中心であるかのようにマスコミが連日その動きを報じ、人々は「カネを増やす事」に血眼になって取り組んでいます。その結果、ある特定の人々の保有するおカネがどんどん膨張を続けています。

しかも、あろうことか、実体経済を活性化する目的のために発行される通貨の多くが、投機市場に流れ込み、ある特定の人々に次々に吸い上げられていきます。次々に供給されるおカネを吸収して、巨大マネーがハリケーンのように膨張を続けます。

実に馬鹿げています。というか、狂っていますね。金融緩和とは、結果として多くの人々の生活をいくらかは向上させるかもしれませんが、それ以上に資産家のカネを膨張させるために貢献しているのです。

しかし、金融緩和による貨幣の供給ルートを「銀行」ではなく「消費者」にすることで、その意味は大きく変化するのですが、そんな話は誰一人しませんね。既存のシステムを変えることなく、ただ金融緩和をするかしないか、そういう議論しかない世論には失望しています。