2014年11月1日土曜日

地方創生と地域通貨

地方創生を目玉政策に掲げる安倍政権ですが、その具体的な政策については、今のところ何も見えてきません。マスコミや野党議員は相変わらず「バラマキがどうだこうだ」というカビの生えたような古臭い事ばかり言っています。正直なところ、話が退屈でうんざりです。

自分は、地方経済が活性化するためには大きく二つのアプローチ方法があると考えます。これは「生産と消費面」から見た場合の方向性です。

①首都圏における地域製品の消費拡大。
②地方における地産地消の拡大。

経済とは「生産と消費の両方」があって初めて完結するシステムであり、消費だけ、生産だけで成り立つことはありません。一方、現在の経済システムでは、首都圏(工業地域を含む)で生産され、それが地方で消費されるという構図ができあがっています。

このような構図は、効率性と利益追求を至上命題とする資本主義のシステムにおいては必然的な帰結ではないかと思われるのであり、このような構造を解消するためには、意識して、意図的にそれを変えるシステムを組まない限り、解消されるという流れは未来永劫に生まれないと思います。

①首都圏における地域製品の消費拡大は、これにより地域における生産活動を増やし、地域の雇用を生み出して地方の人口増加を可能とします。人口が増加すれば、域内の消費が増え、相乗効果で地方経済は活性化します。

②地方における地産地消の拡大により、地域経済を活性化します。現在、首都圏(工業地域)で生産された消費財を地方で消費しているため、地方に雇用が生まれません。地方で生産し、地方で消費すれば、地方に雇用が生まれます。地産地消は以前から言われてきた概念ですが、あまり成功しているようではありません。さらに近年、地方に大手流通が入り、首都圏の生産品、さらには輸入品を大量に持ち込んで販売するため、ますます地産地消は衰退することになるでしょう。

小手先の対策では何も解決できない状況ですから、地域経済のネットワークを構築する方法として、地域通貨を本格的に導入すべきだと思います。日本は地域通貨後進国ですが、世界的には広く取り組まれていますし、そもそも「通貨とは何か」を人々が真剣に考えるためのひとつのきっかけになると思います。もっとも、為政者にとってそれが一番怖い事でしょうが。

地域通貨に関しては①にも有効性があるという気がします。首都圏の人々が地域通貨を使わなくても、大手流通が地域通貨を受け入れ、それ用いて地方の生産者と決済を行えば良いわけです。

ただし、①②とも、地域製品を購入することにより、逆に首都圏で生産される製品の消費が減ると、首都圏の景気が低迷する原因となる(市場の奪い合い)ため、この政策の前提条件としては、内需全体の拡大が求められることになります(デフレ脱却と消費増大)。消費を冷やす消費税はこれに逆行します。消費税が最悪の税制であるゆえんです。

以上がアプローチの方向性であり、より具体的な政策の方向性については、いろいろ考えてみたいと思います。