2018年5月20日日曜日

どこから賃金が湧いてくるのか?

世界で日本だけ賃金が減っている。その理由は企業がカネを貯めこんでいるからと言うが、それだけでは説明できません。そもそも世の中のおカネを増やさずに、どこから賃金が湧いて来るのでしょうか?

ネットで拾った図によれば、世界の国は賃金が伸びているのに、日本だけ賃金が伸びていないという。



これは名目賃金ですから、実質賃金であればデフレである日本と、これほどまでの差はないでしょう。しかし人間は感情で動く動物なので、実質よりも名目手にする賃金)が増えるか、増えないかが消費者心理に大きく影響するわけです。

一部の人は「賃金が伸びないのは、企業がカネを貯めこんでいるからだ」と主張します。では、カネを含めて日本の金融資産全体はどうなっているのでしょうか。



日銀資金循環統計を用いて、純資産(資産-負債)の推移をざっくりみると、家計の資産だけがどんどん増え続けています。なぜこうなっているかと言えば、企業の資産が増える一方、企業の負債もそれ以上に増えているからです。つまり企業が一方的に貯めこんでいるとは言い切れないわけです。むしろ家計が一方的に貯めこんでいます。

ところで、世界のマネーサプライの推移はどうでしょうか。


これは通商白書に掲載されたデータを再加工したものですが、「日本だけがおカネを増やしていない」ことが明白です。おカネも増やさないのに、賃金が増えるはずがありません。

そもそも、どこから賃金の元になるカネが湧いて来るのか。働けばおカネが自動的に増えるわけではありません。どんなに働いても、おカネを増やさなければ賃金は決して上がらないのです。

日本だけ賃金が伸びない理由は「日本だけカネを増やさないから」です。企業を悪者にして叩いても、賃金は1円も増えません。おカネを発行して増やし、それを国民に配れば良いだけです(ヘリコプターマネー)。そうすれば給付金で国民所得が増えるだけでなく、名目賃金も間違いなく上昇し、デフレなどウソのように解消すると思います。