ネットで拾った図によれば、世界の国は賃金が伸びているのに、日本だけ賃金が伸びていないという。
一部の人は「賃金が伸びないのは、企業がカネを貯めこんでいるからだ」と主張します。では、カネを含めて日本の金融資産全体はどうなっているのでしょうか。
日銀資金循環統計を用いて、純資産(資産-負債)の推移をざっくりみると、家計の資産だけがどんどん増え続けています。なぜこうなっているかと言えば、企業の資産が増える一方、企業の負債もそれ以上に増えているからです。つまり企業が一方的に貯めこんでいるとは言い切れないわけです。むしろ家計が一方的に貯めこんでいます。
ところで、世界のマネーサプライの推移はどうでしょうか。
これは通商白書に掲載されたデータを再加工したものですが、「日本だけがおカネを増やしていない」ことが明白です。おカネも増やさないのに、賃金が増えるはずがありません。
そもそも、どこから賃金の元になるカネが湧いて来るのか。働けばおカネが自動的に増えるわけではありません。どんなに働いても、おカネを増やさなければ賃金は決して上がらないのです。
日本だけ賃金が伸びない理由は「日本だけカネを増やさないから」です。企業を悪者にして叩いても、賃金は1円も増えません。おカネを発行して増やし、それを国民に配れば良いだけです(ヘリコプターマネー)。そうすれば給付金で国民所得が増えるだけでなく、名目賃金も間違いなく上昇し、デフレなどウソのように解消すると思います。