2016年4月19日火曜日

非生産年齢からのベーシックインカム

ホリエモンがベーシックインカムを推奨しているとか、ベーシックインカムについての話題がちらほらあるようです。個人的にはホリエモンは大嫌いなんですけど(失礼)、考え方としてはアリだと思います。ただし、今からすぐに全年齢ですべての国民に支給するのはちょっと無理があるかと。

かなり以前から考えていますが、このままロボットや人工知能が進化すると、やがて多くの人が働かなくても、機械が人間の生活に必要な財を自動で生産するようになると思うんです。そうなると、国民におカネを配らないと経済がマヒしてしまうと思われます。それをベーシックインカムと呼ぶことには抵抗があるのですが(流行が嫌いないので)、しかし、素直に言えば内容は同じです。

それは将来の話でして、現在の生産力はまだ不十分だと思います。だからベーシックインカムをいきなり完全に始めるのは間違いだと考えています。とはいえ、ロボットや人工知能は今でも進化し続けているわけですから、徐々に「おカネを配らないと通貨循環がマヒする」状態に移行しつつあると考えられます。これが先進国における内需不足の一因だろうと思うのです。

しかし、ベーシックインカムの最大の問題は、生活が保障されると「働く人が減る」というリスクです。現在の自動化のレベルでは、まだまだ働く人は必要です。働かない人が増えると生産力が低下する可能性は排除できません。

そこで段階的に徐々に導入する方法を考えます。「非生産年齢からベーシックインカム」です。これはそもそも労働者ではない人におカネを配布しますから、ベーシックインカムで働かなくなる人はそれほど多くなるとは考えられないからです。それは16歳未満の子供と65歳以上の高齢者です。最初は貧困層の最低生活保障としてはじめ、徐々にそれらの全員に支給するようにします。そしてそれで問題なければ、対象とする年齢を徐々に拡大して行けば良いわけです。若者は大学卒業年齢の22歳まで、高齢者は年金の支給開始年齢を順次引き下げる。

この方法であれば、働かない人が増えてしまう問題は生じにくいでしょう。働かなくても良い人が働かなくなるだけです。

もちろん、年金をもらう年齢になっても、働きたい人は働けば良いわけです。自分が本当にやりたいこと、世の中の人に役立つ、誰かに喜んでもらえる仕事を探して、カネのためではなく、人々と自分の幸せのために働く世界を実現すれば良いと思います。