2016年4月29日金曜日

失敗を認められない企業風土の破綻

失敗を認められない企業風土というものが存在するようです。自分の経験から言えば、大企業でも中小企業でも、明らかにそれがありました。それが営業成績であろうと、性能評価書であろうと、決算書であろうと、数字をかいざんする行為となって表れてくるのを何度も見ています。

その大部分は経営に近いところからの、有無を言わさぬノルマへの圧力となって現場に来ます。「これは出来ません」と言えば大変な事になる。「出来ません」では済まされないのだ。これが繰り返されると、いつの間にか徐々に現場には数字を操作する雰囲気が生まれ、最初は小さなごまかしだが、やがてウソにウソを重ねる結果となって、とんでもない数字が出てくる。

とんでもない数字が出てきてから、経営側では大騒ぎとなる。

当たり前に考えると、出来ないモノは出来ないわけです。とはいえ、出来ないと言ってしまえばそれまででもある。結局のところギリギリを極めている時に、最後に「出来ないモノはできない」と言えるか、それを経営側が認める度量があるか、という点にあると思われます。そのためには現場と経営側の信頼と綿密な意思の疎通が欠かせないわけです。ところが、これが簡単じゃない。

こういう部分は大企業だろうと中小企業だろうと同じようにあるらしい。三菱自動車、東洋ゴム、東芝。大企業は潰れないが、中小企業でそれをやると会社が終る。