2016年4月14日木曜日

経済政策は総動員すべき

いろいろな識者の記事を読むとどうも不可解なことがあります。「万能政策がある」を前提に持っているように思えるのです。万能政策とはどういう事かと言えば、「この政策をやれば他の政策は必要ない」という考えです。この考えはマスコミの影響を受けている一般の人にも及んでいるようです。

たとえば、リフレ派は金融緩和政策を推進していますが、金融緩和だけやれば他はやらなくていいと主張します。一方でケインズ派(国土強靭化)は、公共事業だけやれは他はやらなくていいと主張します。分配論者は再分配だけすればいいと主張します。不思議ですね。

すべてを解決する万能の政策が世の中に一つだけある。
という、前提があるようです。

万能政策なんであり得ないでしょう。自分の主張こそ万能政策だと信じたい気持ちはわかりますが、今の日本、自分の主張の優位性にこだわっている場合じゃないと思いますね。景気対策は全部やるべきだと思います。なぜなら、GDP(国民総生産)は、

GDP=消費+投資+政府支出+純輸出

消費も投資も政府支出も輸出も大切なんです。輸出を増やすと貿易摩擦を引き起こすので除外しますが、消費は分配政策で増やせるし、投資は金融緩和で増やせるし、政府支出は財政出動で増やせます。なら分配も金融緩和も財政支出もぜんぶやればいいじゃん、と思うわけです。

ところが、各派は「いや、我こそ正しい、お前は不要」「いや、お前こそ不要だ、俺だけ正しい」とか争っています。意味不明です。国民経済より自分たちのプライドの方が大切なのか?しかも、各派閥には一般人の信者がくっついていて、それらも互いに争い合っています。そんな場合じゃないだろ、と言いたいですね。いいじゃん、全部やれば。もちろん、各派のすべての人が争っているわけではなくて、もっと協調的な人もいるのですが、どうも白黒を付けたがる人が多い気がします。

「よろしい。しずかにしろ。申しわたしだ。このなかで、いちばんえらくなくて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなっていなくて、あたまのつぶれたようなやつが、いちばんえらいのだ。」
~どんくりと山猫