2018年4月29日日曜日

誰でも理解できる通貨制度に改革しよう

量的緩和にしろマイナス金利にしろ、MBやMSにしろ、大多数の国民はほとんど理解できていないはずです。なぜなら「仕組みがややこしい」からです。誰でも理解できる簡単かつ自然な通貨制度へ変更すべきでしょう。

通貨制度を変更すると聞くと、私達の生活が激変するような不安を覚えるかも知れません。例えば今の紙幣や硬貨が使えなくなるとか、預金通帳が使えなくなるとか、今までのやり方が変わってしまうのではないか、という不安です。

しかし私達のやり方を今までとまったく変えることなく、通貨制度は変更可能です。なぜなら、私達が関係する部分よりもずっと川上の仕組み、つまり「おカネの発行の仕方」を変えるだけであって、企業や個人には直接関係しないからです。発行されるおカネは今までとまったく同じで、同じように流通します。

具体的に言えば、100%マネー制度あるいは政府通貨制度と呼ぶ方法です。

多くの国民は「おカネは日銀が発行する」と思っているでしょう。しかし、そんな単純な話であれば、量的緩和政策もマイナス金利政策も必要ありません。日銀がおカネを発行するだけで済むからです。実際には「おカネは日銀が発行する」のではなく、事実上「市中銀行がすべてのおカネを発行」しています。それだけでも十分にややこしい制度でしょう。

通貨改革の骨子は単純です。「おカネはすべて日銀が発行する」という制度にすれば良いだけです。日銀がすべてのおカネを発行する、これが100%(日銀)マネーです。市中銀行はおカネの発行を停止し、日銀あるいは政府がすべてのおカネを発行する。

例えば、量的緩和はなぜ効果がなかなか現れないのか?それは100%マネーではないからです。もし100%マネーであれば、日銀がおカネを増やせば即、世の中のおカネが増えます。しかし現在の金融制度では、日銀がおカネを増やしても、それが市中銀行によって市中(個人や企業)に貸し出されない限り、世の中のおカネは1円も増えない仕組みになっています。そのため日銀がおカネを発行しても、世の中のおカネがなかなか増えず、効果が現れにくいのです。

こうした例はたくさんあります。ならば何もややこしい制度を維持する必要などありません。わざわざ複雑な制度にすることで大多数の国民が理解できず、経済学者が複雑な数式や理論を駆使しなければ通貨供給を予測できなくなっています。国民に理解不能な通貨制度は、民主政治すら危うくするでしょう。

そして100%マネーは有名な経済学者であるフィッシャーやフリードマン氏らが提唱していた制度でもあり、理論の信頼性は十分あると言えるでしょう。

「おかねはすべて日銀(=国)が発行する」という、普通の国民が普通に考えているおカネの形を制度にすれば良いだけなのです。そうすればバブルとバブル崩壊の問題も解決できるのです。