2015年1月12日月曜日

左派政党は再分配より富の生産を考えよ

左派と言えば、再分配政策というイメージが強いです。確かに再分配は大切です。ピケティが立証したr>gは、あまりに予想通りでしたね。しかし再分配だけで「分厚い中間層」は復活できません。かわりに「分厚い低所得層」が形成されると思います。少ない富を多くの人が分け合えば、全員が貧しくなるからです。

ですから、資本主義だろうと社会主義だろうと無関係に、最も重要なのは「生産力の向上」です。それを実現するのが科学技術の進歩、技術開発になります。現在ある既存の左派政党は、このあたりの検討が不十分、あるいは皆無です。

また、生産技術のポテンシャルを100%発揮するには、最適な管理システムが不可欠となります。この管理システムが無ければ、せっかくの生産技術を有効に活用することができません。

管理において重要なのは、単に管理手法だけではなく、そこに参加する管理者と労働者の高いレベルでの協力関係、一体化が必要です。労働者が管理を十分に理解し、それに協力しなければ管理は機能しません。管理とは奴隷の監視などとはまったく意味が異なります。

ですから、今までの左派のスタンスは変えなければならないと思います。いままでは左派と言えば、労働者VS企業という印象が強かったのですが、自分はむしろ労働者と企業の一体化、相互作用の活性化に重点を置くべきだと考えています。

生産力の向上は資本主義においても行われます。しかしその目的はあくまでも「資本を増やすこと」であり、カネでカネを生むことが目的です。ですから、利子が稼げなくなると、たちどころに経済が停滞します。

従って生産力の向上を資本の動き(投資家の好き勝手)にまかせるのではなく、政府として推進することが不断の経済成長を実現するのであり、そこに新たな社会主義の方向性を見出すことが出来ると考えます。

そして重要なのは、生産力の向上を政府が一元管理するのではなく、個々の企業が担う事で分散管理させる事にあります。

資本主義経済下において生産性の効率化は進んでおり、これは良い事です。これを特定の資本家(あるいは機関投資家)の蓄財(利子)を増やすために利用するのではなく、どのように社会の富裕化に役立てるかという方向性さえ堅持すれば、現在のシステムを過度に壊す必要はないと考えています。

生産の効率化において重要なのは「労働力」であり、労働者の協力なくして企業の効率化はあり得ません。その意味において、生産に重要なのは、労働者と企業(管理主体)との相互作用の活性化にあると考えています。

企業からカネを吸い取れば済む(左派の主張)とか、解雇を自由にできるようにすれば済む(資本家の主張)とかいう一方的なレベルの話ではない気がします。