2016年8月29日月曜日

民営の国有企業はありか?

民営とは民間が事業を管理・運営することですが、民営が国営よりも効率的な経営を行うことは良く知られています。その理由を簡単に言えば、国営の場合は取引にしがらみが強かったり、簡単に社員をリストラしませんが、民営の場合は利益優先なので、冷徹に合理化するからです(合理化しないと潰れる)。なので、効率性を追求するなら民営のほうが優れています。

しかし、民営であっても民間所有の会社である必要はなく、国有企業であることは可能です。簡単に言えば株式の大部分を国が所有していれば良いだけです。株主は「所有すれど統治せず」ですから、国有企業だからと言って、国が経営に介入することはありません。

株主である国としては、配当金を社会福祉財源などに利用すればよいわけです。もちろん、利益率の低い企業には株主総会で国が「もっと利益を出せ」と経営陣に圧力をかけることもあります。そうなると、民間所有と国有の違いは、配当金を払う先が資本家なのか、政府なのか、の違いだけです。

国有企業と聞くと違和感を覚えるかもしれませんが、それは今までの国有企業が国営だったからです。確かに国営ではダメですが、単に政府が株主というだけなら問題ないでしょう。実際のところ、年金基金など、政府に準じる機関が株式を購入して株主になっているわけですから、国有化といっても株の持分を増やすだけの話なので、国有化は驚くような発想ではありません。

もちろん、自営業や中小の企業では国有化などありえませんし、すべてを国有化するなど不可能です。しかし、二言目には「政府の財源ガー」という話になりますので、配当金を目的とした政府による企業買収もありかと。何しろ、政府(国民)には通貨発行権がありますので、買おうと思えばいくらでも買えます。もちろん、やりすぎると弊害ありますが。

ただし、やるなら、バブル崩壊後に株価など資産が暴落しているときに政府が暴落した資産を買い取るほうが良いです。株価の高いときに買うのはアホです。株価が暴落したときに政府が株などを買い取れば、世の中のおカネを増やしますし、資産市場も持ち直してきます。ハゲタカ・マネーに買い取られるより、よほど良いと思いますね。