2016年8月18日木曜日

代案なきヘリマネ批判・再び失われた20年か

ヘリマネに対する批判記事は雨後のたけのこのように出てくるが、ヘリマネに代わる有効な代案を見たことがない。ヘリマネ反対論者は効果がないにも関わらず、従来と同じ方法を繰り返すだけである。代案なきヘリマネ批判が新聞マスコミに溢れている。このままでは失われた20年の再来だ。

個人消費の低迷は一向に改善していない。消費者にカネがないからだ。そういうと「日本にはカネが唸るほどある」と反論もあるだろう。確かに日本にカネはあるが、大部分は消費活動が低い高齢者や、カネを増やすことにだけ熱心な富裕層が保有しているのだから消費には回らない。消費の活発な若い世代にカネがないのだから消費が伸びないのは当たり前だろう。ヘリマネ以外の方法でどうやっておカネを消費者に渡すのか?

そう思っていたら、なんとIMFが社会主義者になった。
日本政府に「企業の賃金を上げさせろ」と言い出したw。

IMFが日本に求める急進的賃金戦略、70年代の米所得政策とは真逆
(ブルームバーグ 2016.8.15)

日本が社会主義の政治体制ならいざ知らず、自由主義経済において企業の賃上げを政府主導で実現するのは不可能なことだ。おまけに、今まで散々、「政府が企業に介入するな」と言ってきた新自由主義の連中が今度は「政府が企業に介入しろ」という。小学生でも馬鹿げているとわかるようなことを言い出して何かと思えば「ヘリマネは極めて大きなリスクがあるので止めろ」だそうだ。何のことはない、ヘリマネを何としてでも中止させたいために、IMFが日本政府に「企業に賃上げを強制しろ」と言ってきた。

つまり、新自由主義を曲げてでもヘリマネを止めろという。
奴らのご都合主義も極まった。

もちろん、IMFは財務省の天下り先なので、財務省の役人がそう言わせている可能性はあるだろう。なるほど、財務省の役人なら言いそうなことだ。マクロ経済を何も理解していないからね。「無理が通れば道理が引っ込む」ような発想も、役人なら厚顔無恥でごり押しするのが当然なのだろう。

ヘリマネに対する批判記事は新聞マスコミから雨後のたけのこのように出てくるが、ヘリマネに代わる有効な代案は、いつまで経っても何一つ出てこない。あきれたものだ。

「金融緩和は禁じ手」と言われて失われた20年が経過した。
「ヘリマネは禁じ手」と言われて次の20年が失われるのだろう。