2015年11月5日木曜日

南沙諸島 経済制裁まで踏み切れるか

このところ、南沙諸島におけるアメリカと中国の対立がいよいよ本格化してきた。中国は吠えているだけだが、この先、場合によっては人工島のさらなる拡大や、軍事基地化を推し進める可能性がある。あるいは他国が領有を主張する島や環礁に中国が軍艦を派遣して圧力を加えるようになる可能性もある。日本の尖閣諸島のように、漁船や公船が押し掛け、中国の領有を主張するかも知れない。もし中国がそのような行動に出た場合、アメリカはさらに強い姿勢に出る覚悟があるのだろうか。

覚悟と言っても、アメリカが軍事行動をエスカレートすれば非常に大きな危険を伴うので現実的ではない。普通に考えれば次の段階は経済制裁、金融制裁だろう。アメリカはそれをやるだけの覚悟があるのだろうか。ロシアがクリミア半島を併合し、ウクライナに干渉した際には、何の躊躇もなく、即座にロシアへの制裁に踏み切った。アジアの地ではどうなのだろう。

もしアメリカが弱腰であるなら、日本の国防政策が大きな転換点となることは間違いない。核武装も含む、より強力な防衛力が必要となるからだ。経済的負荷が増加するので、できれば国防予算の伸びを抑制すべきだと思うが、もしアメリカが本気でないなら、日本の軍備強化は避けられない。今後のアメリカの対応に極めて大きな関心があります。