2015年11月24日火曜日

予期せぬ事態を配慮すべき

最近の政治はどうも「予期せぬ事態」への配慮が足りない気がします。世の中は理屈通りに動かかない場合が多いので、理に走りすぎると足元をすくわれます。理屈は正しくても、必ず予期せぬ事態が必ず発生するからです。

たとえば消費税の増税。消費税を8%へ引き上げる前までは順調に回復してきた日本経済が、消費税の増税と同時に低迷を始め、なんとマイナス成長に落ち込む事態に。増税前に「消費増税の影響は軽微」などと主張していた御用学者は、一斉に「これは消費税じゃなくて中国の景気減速の影響だ」と言い出した。

しかし中国だろうと何だろうと関係ない。結果として消費税の増税後に日本経済が落ち込めば、明らかに失策だ。なぜなら「マイナスの相乗効果」があるからです。仮にデフレが十分に脱却してインフレ目標が達成したあとで増税するなら、中国の景気減速の影響も軽減されたことは想像に難くありません。つまり、予期せぬ事態をまったく無視して、理論だけで増税するからこうなる。

こうした傾向はますます増えているような気がします。たとえば国土強靭化についても、バラマキだと言って反対する識者が多数いるようですが、大震災が予想外に大規模だったらどうするんでしょうか。TPPによって農業などの関税を廃止してしまうことで、予想外に農業がダメージを受けたらどうするんでしょうか。

予想外の問題が発生した時に「これは予想外だったから仕方ありませんね」と役人が言えば済むのか?冗談じゃないです。