2015年11月10日火曜日

消費者の利益というエゴ

最近のニュースではTPPで輸入農産物が安くなるとの報道が多くなっています。番組では、たいがいスーパーで主婦を捕まえて「牛肉が安くなるそうですが、どう思いますか」などの質問をして「主婦としては値段が安くなるのはありがたいです」「消費者としては歓迎です」と答える映像が流れ、消費者のメリットが強調されます。しかし、同じような映像をどこかで見たような・・・・。

数年前のニュース番組でも主婦を捕まえて「デフレで物価が下落していますが、どう思いますか」との質問に対して「物価が安くなることは良いことです」「消費者としては歓迎です」のように答える人々が画面に映し出されていたと記憶しています。

結局のところ、構図は同じであって、「一部の人が犠牲になることで他の人が得をする構図」なのです。TPPの場合は農家や畜産業者が倒産し、デフレの場合は不況で労働者がリストラされ、そうした一部の人の生活の破壊が消費者の利益になっている。そして大多数の人は当事者になる心配がありませんから、安く買えるというメリットしか理解できないわけです、残念ですが。

なので、ああいうインタビューはあまり好きではありません。