2016年3月18日金曜日

成長戦略連呼は○○の一つ覚え

二回目の国際金融経済分析会は予想通りスティグリッツとは方向性の違う、緊縮派の外国の経済学者が呼ばれたようだ。著名な経済学者だと言うが、一般の人はほとんど名前を聞いたこともない。当然ながら緊縮派だから財政再建の必要性と成長戦略を言ってきた。

もう何十年も成長戦略と聞かされてきたが、何か出てきただろうか?出てくるわけがない。学者もマスコミも成長戦略を連呼するが、やった事と言えば規制緩和だけだ。そして今後も規制緩和だけだろう。いい加減にしていただきたい。

規制緩和すれば既存の産業に多数の企業が参加することで生産性が向上する。その結果、余剰人員が生まれて失業者が増加する。景気過熱の時は、こうした失業者が新たな産業に吸収されることで経済成長を促す。ところが、デフレ不況の時は、失業者は失業したままなので、むしろマクロ的な通貨循環を低下させて経済を失速させる。そしてブラック企業が台頭してくるわけだ。あまりに簡単明白。

必要なことは成長戦略ではなく、研究開発投資だ。研究開発投資を行って新たな産業を作り出さない限り、生産性を向上させても経済にとってはまったく意味がない。研究開発があってこそ、生産性の向上は意味を持つ。政府は財政をフル出動して研究開発を促進すべきだ。

このように、物事の「優先度」「相互関連性」を無視して成長戦略を連呼するのは、○○の一つ覚えに過ぎない。さもなければ世論誘導を企んでいるかのどちらかだ。