2016年7月18日月曜日

「痛みを伴う改革」が大好きな新聞マスコミ

日本人は苦行が好きらしい。新聞マスコミは「痛みを伴う改革」を受け入れろと、何年も何年も繰り返している。やれ消費税を増税しろ、社会保障を減らせ、労働時間によらない賃金制度を受け入れろ、構造改革しろ。なぜこうも痛みが好きなのか?

痛みを伴う改革と言えば、何かしら「ありがたく聞こえる」ものらしい。これは一種の「禁欲信仰」である。禁欲の代償として神から幸福を授けられるという、禁欲主義的な宗教と同じ精神構造に基づく心理ではないだろうか。人間には苦痛をありがたいと感じるストイックな欲求がある。卑近な例では「良薬口に苦し」である。こうした心理に付け込む手法といった側面もあるだろう。

しかし、宗教なら禁欲や苦行で神のご加護を得られるかもしれないが、人間世界の経済学ではあり得ない。苦痛を受け入れれば、世の中が良くなるというのは、およそ幻想に過ぎない。これは一種の「暗示」と思われます。

「痛みを我慢すれば良くなる」という考えは捨てた方が良い。
おそらく、痛みを我慢すれば、もっと悪くなる。
識者たちは、痛みを受け入れさせることに必死になるより、
痛みを伴わない方法を考えるべきだろう。