2016年7月11日月曜日

参院選の結果、民進党は心を入れ替えるべき

事前のマスコミの予測とおり、今回の参議院で民進党の敗北が明らかとなりました。この結果を自分は大変に喜んでいます。といっても、民進党に壊滅して欲しいからではなく、これを機会に、本当に生まれ変わって欲しいからです。

民主党の時代に政権を失ってから、この政党は何一つ変わらなかった。政権時代の判断(増税、緊縮、基地問題)を正当化するばかりで反省がない。運が悪かった程度にしか思っていないのでしょう。まず当時から居る古い執行部を全面的に刷新していただきたいと思います。

もちろん民進党は一部の国民から支持を得ています。しかし、それだけでは政権を担うことは決してできません。今の民進党はより多くの国民の支持を得る必要があります。民進党は、一部の支持層に受けるための政治を捨て、より大衆の政党へと新たに生まれ変わる必要があるはずです。

そもそも左派系のコアな有権者は共産党へ流れるはずです。だからこそ民進党はより大衆的でなければなりません。それが本来の役割なはずです。しかしその役割をはたしていません。

とても左派系の政党とは思えない、庶民に負担を押し付ける政策を堂々と打ち出している。なぜそうなるかと言えば、民進党に限らず、左派系の野党は「自民党に反対することを政策の原点にしている」からでしょう。

民進党の政策はどう変わるべきか。

1)消費税の増税をきっぱり捨てる

社会保障の財源を消費税にリンクするおかしな国はどこにもありません。そもそも社会保障は再分配政策なのですから、所得税によって富裕層の所得を社会保障として低所得層に再分配するのが正しいわけです。再分配を受けるべき低所得層に課税して社会保障の財源を取るのはナンセンスです。消費税と社会保障をリンクする根本的な過ちを正すべきです。

2)財政支出を拡大する

世界の常識から言えば、左派政党は財政を拡大するものです。ところが民進党の基本は緊縮(財政再建+金融緩和否定的)です。富裕層の税を引き上げるのは良いのですが、その前にデフレを脱却しないと増税逆噴射になります。まずはおカネをどんどん世の中に流しておカネの回りを良くする。そのためには金融緩和と財政出動をどんどん行わなければならない。

財政出動と言っても、自民党は基本的に「供給サイド」へのテコ入れを行うわけです。ですから民進党は「需要サイド」からテコ入れを図ることで差別化が可能です。とりわけ消費拡大のための大胆な給付金支給が必要です。また成長戦略として、未来産業のためのイノベーション研究開発投資が必要です。

財源はヘリマネでまったく問題ありません。財政支出を増やせば、資本主義社会では、流したおカネは必ず富裕層や大企業に集まって貯め込まれます。それから増税して税で回収すればよいわけです。

3)財政再建するなら金融資産課税で行う

そもそも日銀が国債をすべて買い切れば財政再建の必要はないはずです。しかし、どうしても税で国債を相殺したいのであれば、金融資産課税で行うべきです。政府の負債は家計や企業の金融資産に化けています。ですから、政府の負債を返済するには、この金融資産を回収するしか基本的に方法はありません。わずか1%の課税で十分です。そしてこれは資産格差の是正にも資するのです。もちろん、それは景気が十分に回復してインフレ目標を達成してからの話です。

細かい経済政策や外交、憲法についてもいろいろ要望はありますが、とにかく、この3つだけは必ず政策転換してほしいと思います。