2016年7月21日木曜日

ハイパーインフレが怖ければ準備率100%に

また一部のメディアで「ハイパーインフレになるぞー」が出没しているようです。しかし、銀行からの貸し出し増加がなければ世の中のおカネは増えない。世の中のおカネが増えなければ、それ以上はインフレになりようがない。世の中のおカネが増えないのに、どうやったらハイパーインフレになるのか。

ある識者に言わせると、日銀が国債を買い続けるとハイパーインフレになるという。しかし周知のごとく、日銀が国債を買っても民間銀行の当座預金(マネタリーベース)が増えるだけで、世の中のおカネ(マネーストック)はまったく増えない。銀行からの貸し出しが増えることで、世の中のおカネは、はじめて増える。

ところが、ある識者に言わせると、徐々にインフレになり始めると、インフレが加速して止まらなくなるという。しかし、これを別の側から見ると、貸し出しが増え始めると、貸し出しが止まらなくなることを意味する。そんなことがあるのか?あり得ない。

もし仮にあるとすれば、貸し出しの増加を止めればよい。
つまり金利を引き上げれば良いだけだ。
ならば「預金準備率」を引き上げるだけでよい。

現在の預金準備率は1~2%程度ですから、現金がじゃぶじゃぶに預金ぶくれします。これでは信用膨張を抑えられません。預金準備率を引き上げれば、たちどころに金利は上昇します。もしハイパーインフレになったら、準備率を100%にすればよいでしょう。

すると、中央銀行の発行する現金の量(マネタリーベース)によってのみ、世の中のおカネの量は決まるため、マネタリーベースがおカネ(マネーストック)の最大値となります。もし、中央銀行がおカネの供給を止めたなら、その時点で、それ以上に貸し出しを増やすことはできなくなる。インフレは収束へ向かう。

一時的な混乱はあったとしても、預金準備率を100%にしてしまえば、それ以後のインフレや過度なバブルの発生はなくなり、経済は安定したものになるでしょう。もし、おかしな識者が何の根拠もなく「ハイパーインフレになるぞー」と騒ぐなら、いっそ預金準備率を100%にしましょうw。

これは荒唐無稽な話ではありません。アービング・フィッシャーやミルトン・フリードマンの支持したシカゴプランとして知られている考えです。