2016年7月25日月曜日

リサイクル技術開発の政府投資

世界の人口が爆発的に増加し、将来において本格的な資源枯渇が生じたときに、必ず必要となるのが「資源完全リサイクル」です。お分かりだと思いますが、資源を完全にリサイクルできれば、資源の輸入は必要なくなり、世界の資源が枯渇しても、我々が資源不足になることはありません。

仮に完全リサイクルが実現しても、人口が増加し続ければ、必要な資源量は増加するため、資源の輸入を増やす必要があります。しかし日本の人口が増加し続けるとは考えにくいです。ですから、ある一定の資源を輸入してしまえば、それを未来にわたって使いまわすことで、それ以上の資源は必要ありません。

もちろん、財のストックを増加する場合、資源が不足する可能性はありますから、平行して、容易に調達できる資源の実用化技術の開発が同時に必要となります。金属ではなく、植物系のプラスチック、炭素繊維系、セラミック系のようなものです。また、省資源化すなわち財を生産する際に使用される金属の使用量を減らす技術も重要です。それでもなお、基礎において最も重要なのは希少資源の完全リサイクルだと思われます。

リサイクル技術の研究開発は、採算性が厳しいために、民間の投資は限界があると思われます。そこで採算とは無関係である政府が、財政支出を用いてこうしたリサイクル技術の研究にどんどん投資すべきでしょう。いまは必要性が低くても、採算性が低くても、将来において必ず資源の枯渇問題に突き当たりますので、基礎研究が完了していれば、速やかに対処ができます。

財政支出は土木建築工事だけではありません。効率的で完全な資源リサイクルの技術を確立し、資源の輸入を減らすために、日本のデフレギャップ(余剰生産力)をどんどん利用すべきです。それは通貨発行益を利用することで、採算性に拘束されることなく、果敢に挑戦できます。

二言目には「将来世代のツケ」を心配するより、将来世代の資源枯渇を心配すべきではないかと思います。そのほうがはるかに建設的ではないでしょうか。