2017年10月12日木曜日

不景気に「高齢化、潜在成長率、価値観」は関係ない

日本の経済が低迷(デフレ化)する理由として高齢化、潜在成長率、人々の価値観の変化が繰り返し新聞テレビで報道されますが、あんなものは関係ありません。国民にカネがないのが原因です。

もちろん、高齢化、潜在成長率、人々の価値観の変化が日本の経済の低迷にまったく無関係ではありませんが、およそ誤差範囲です。主たる原因は国民にカネがないこと、一部の金持ちや高齢者がしこたま貯蓄しているため、庶民にカネが回ってこないことです。ですから、カネを国民に配れば景気はたちどころに良くなります。バブル経済の頃を思い出してみれば良いのです。

と言えば、御用学者は「昔と今は時代が違う、昔は高齢化していなかったし、潜在成長率も高く、人々の購買欲も高かった」としたり顔で言うかも知れませんね。しかし本当ですか?

日本のデフレ化は、バブル経済の崩壊後に「いきなり」始まったのです。もしデフレの原因が高齢化、潜在成長率、価値観の変化にあるというならバブルが崩壊すると同時に、いきなり高齢化社会、潜在成長率の低下、人々の価値観の変化が生じたのか?そんなはずはありません。そうしたものは徐々に変化するからです。ではいきなり変化したのは何か?おカネの増え方なのです。

日本の不況は高齢化でも、潜在成長率の低下でも、人々の価値観の変化でもなく、おカネの供給が急激に低下したことで始まったのです。そして低下した状態は今でも続いているのです。

(グラフ:マネーストックの伸び率と経済成長率)

グラフを見れば誰でも直ぐにわかります。小学生でもわかる。ところが新聞テレビ、御用学者は見ざる、聞かざる、言わざるを決め込み、おカネ以外の理由探しを始めたのです。それが、高齢化、潜在成長率、価値観の変化です。そして、それがさも原因であるかのように、何度も何度も繰り返して国民を洗脳してゆきます。

もちろん、それらがまったく無関係なのではありません。関係はあるのですが、決して「主因」ではないのです。ここを見間違えると、問題は迷宮に入ってしまいます。

だからおカネを国民に配り、国民所得を引き上げれば日本の景気はまるでウソのように回復します。ウソだと思ったらやってみればいいのです。もう20年もおカネの増加を抑えてきたのですから、いい加減に元に戻すべきです。バブル崩壊前の水準までおカネの供給量を戻し、そのおカネを国民に配るべきです。にもかかわらず、何かの理由をつけては逃げてきたのです。

おカネの供給量をバブル崩壊前に戻すだけなので、ハイパーインフレなどになるわけがありません。バブル期でもインフレ率は3%程度です。そんな心配よりバブルの再燃(銀行債務の膨張)への対策の方が重要でしょう。それは規制強化で対処できます。

いい加減に「低成長の理由探し」はやめましょう。
国民におカネを配るのです。