2017年10月18日水曜日

内部留保に課税するなら家計の貯蓄にも

企業の内部留保が増え続けていることを受けて、内部留保への課税が主張されているようですが、なら家計の貯蓄にも課税すべきでしょう。

企業の内部留保(利益剰余金)は家計の貯蓄(預金)に該当する部分です。同じくストックだからです。どちらもおカネを使わずに貯めこんでいます。そのために世の中のおカネが回らずに景気が良くならない。なぜ企業が貯めこんだカネは責めるのに、家計が貯め込んだカネは責めないのか?どちらも経済を冷やしている点では同じです。

家計の貯蓄は、家庭の生計を安定させるために、ある程度は必要でしょう。だからむやみに責められるべきではないはずです。しかし何億円も使わないで貯めこんでいれば、これは責められるべきではないでしょうか。本人の努力の成果だという理由であれば、いくら貯めこんでも許されるのでしょうか。

同じように考えるなら、企業の内部留保(貯蓄)も企業経営を安定させるためにある程度は必要だと考えて当然でしょう。だからむやみに責められるのはどうかと思います。とはいえ、使わないで何十億も何百億も貯めこんでいれば、これは責められるべきだと思います。企業の努力の成果だという理由であれば、いくら貯めこんでも許されるのでしょうか。

ついでに言えば、政府の埋蔵金。あれは政府の貯蓄ですから。あれは責められて当然でしょう。しかし政府の役人に言わせれば、政府の業務を安定化させるためにある程度は必要だと言うでしょう。確かにある程度は埋蔵金があってもいいのですが、それだけ世の中のおカネは回りにくくなるのです。

家計だろうと企業だろうと、おまけに政府まで、おカネを貯め込むのが大好きなんですw。みんなでおカネを貯めこんだら、世の中のおカネが回らなくなるのはあたりまえでしょう。

それでもおカネを貯めこみたいのなら、おカネを増やしなさい。たくさん貯めこんでも、それ以上におカネを増やせば世の中におカネは回ります。しかしおカネを増やしたくないなら、貯めこんだおカネを課税で回収するしかありません。それは家計だろうと企業だろうと政府だろうと同じであって、それこそ「聖域」なんてありません。

課税に聖域なんか認めたら、
聖域におカネがどんどん吸い寄せられて、
社会が歪むんじゃないですか。

内部留保に課税しろと騒ぐのは大いに結構です。ならば家計の貯蓄にも、政府の埋蔵金にも厳しく対応すべきと主張するのが当然ではないかと思うのです。それが嫌ならカネを刷ればいいのです。