2020年8月22日土曜日

コロナ経済危機の真相とは?第6回

 国民におカネを給付する制度が必要

 この問題を解決する方法は極めて簡単です。科学技術の進化に伴って、そもそも人間が働かなくても自動的に財(モノやサービス)が生産されるようになるのですから、人間が無理に働く必要などありません。「働かなくても所得が得られる社会」にすれば良いだけなのです。未来において、人間の働く必要がない社会、働かなくても、すべての人が所得を得られる社会が実現しなければなりません。

 もちろん、明日からいきなり「働かなくても高額なおカネがもらえるようになる」わけではありません。テクノロジーの進化によって人間の労働力が余剰になりつつあるとはいえ、現段階では、まだまだ労働力も必要とされています。ですから、いきなり高額なおカネを国民に支給するのではなく、まず、すべての国民に毎月1万円を支給するところからはじめればよいのです。こうして、徐々に、誰でもおカネがもらえる社会になる必要があります。そうすれば、科学技術の進歩の恩恵を一部の富裕層が独占することなく、すべての人々に分配することができ、豊かな社会を実現できます。

 また、働かなくてもおカネが支給される時代になったとしても、働くことが禁じられるわけではありません。おカネを受け取る一方で、それに加えてこれまでと同様に、働いておカネを稼ぐこともできます。また、働くと言っても、必ずしもすべてが賃金労働である必要はありません。さまざまなボランティア活動も労働ですが、賃金が得られるわけではありません。自らの自発的な意欲に従って、様々な活動を行うことが期待されます。これまでの社会のように「カネが無いから仕方なく働く」のではなく、「カネとは無関係に、社会貢献、名誉、自己実現のために働く」社会になります。

 こうして、生活必需品を買うために十分なだけの所得を、たとえ働かなくても、誰でも無償で得られるようになれば、仮に今回の新型コロナウィルスのような伝染病が発生した場合でも、経済を破綻させることなく、感染拡大防止のための行動制限を長期的に維持することが可能になります。

 今回の新型コロナウィルスは感染力が極めて高いものの、毒性はそれほど強くなかったため、行動制限を早期に解除する国も多数出てきましたが、これがもし、鳥インフルエンザのような致死率50%に達する猛毒性のウィルスが発生した際には、行動制限の早期解除など絶対にできません。そうした猛毒性の感染症が流行した場合に備えて、生活必需品を買うためのおカネを無償で人々に給付する社会制度を事前に実現しておくことは大切です。感染症が国境を越えて自由に行き来するグローバル社会なのですから。仮に永続的な給付金制度の早期実現が難しい場合であっても、パンデミックの際には、感染が終息するまでの間、人々におカネを無償で給付する仕組みを整える必要があることは明白だと思います。

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