2019年1月24日木曜日

左派・右派の違いは強弱・敵味方

ある人が、右派と左派の違いは、関心の対象が内と外、上と下の違いである、と主張していたが、それはちょっと例外が大きい気がしますね。むしろ右派と左派の違いは強弱と敵味方だと思います。

いきなり話がわかりにくいですが、最初からキチンと説明します。右派と左派の違いはどこにあるか?を考えたとき、ある人は、「右派は内側(日本)と外側(外国)の関係に注目する、だから、外交や軍事に興味の中心があり、中国や韓国などに厳しく、安全保障に熱心」と考え、また「左派は上(ブルジョアジー)と下(プロレタリアート)に興味の中心があり、搾取や格差に厳しく、社会保障に熱心」と考えているようです。

確かにこれは面白い考えだと思います。しかし例外が大きいと思います。なぜなら、今日の右派、いわゆる保守派と思われる人の多くが、内外の関係だけでなく、上下の関係、つまり格差の問題や社会保障の問題にも非常に敏感であるということです。つまり、右派の多くの人は内外にも上下にも強い関心があるのです。

そこで、別の分け方を考えてみることにしました。まあ、そんな風にステレオタイプな見方をするのは良くないのですが、しかし、右派や左派を理解する一助になるかもしれません。そのわけ方は、次のようなものです。

左派は強弱に関心がある、というか、弱者に関心があり、弱者を守ろうとする傾向があり、逆に強者を排除する、強者を嫌う傾向があるということです。極めて単純に言えば、弱者=善、強者=悪、とみる傾向があると思います。「弱きを助け、強きをくじく正義の味方」。なので、国内国外を問わず、弱者であれば、すべて善であり、守るべき対象になる一方、強者は悪であり、弱めたり、攻撃したりする対象にされます。弱者としての中国や韓国に対して好意的であり、強者としてのアメリカを嫌います。強い者が嫌いであって、自らの帰属集団にはあまり関心がないようです。そのように見えます。

一方、右派は敵味方に関心がある。敵か味方かを判別し、敵を嫌い、味方を好むわけです。この場合は、アメリカのような強者であっても、味方であると判断すれば好意的になります。しかし、アメリカのような強者は潜在的に敵となる可能性があるので、右派も潜在的に反米の気持ちがあります。反米右派です。もちろん、日本と対立がある中国や韓国は敵になりますから、当然ながら中国や韓国を嫌います。一方、日本と直接の利害関係のない国、つまり敵ではない外国に対しては非常に友好的になりますし、安全保障の観点から、積極的に味方を増やそうとします。

また、右派は同時にまた労働者階級でもあるわけです。労働者にとって労働者は同胞=味方です。経営者や資本家はある意味で敵ともなりえるわけです。身内つまり味方である労働者が貧困であるなら、それを許している経営者や資本家は敵なのですから、当然ながら攻撃対象となります。こうした敵味方の考え方は、自らの帰属集団を維持、拡大する価値観です。帰属集団はさまざまあり、国家、会社、社会階級、家族、サークルなど、さまざまです。

面白いことに、左派は女性が多く、右派は男性が多いように思われますが、これはおそらく性差による性格特性の違いによるものだと思われます。これは、自然界ではごく普通にみられる現象なので、驚くに値しません。が、あまりこれを書くと差別だといって絡まれるのでやめます。

だらだらと、思いつくままに書きましたが、以上のように、左派については弱者に興味が強く、右派については敵か味方か、帰属集団の維持拡大に興味がある、このように思いました。どちらも理性ではなく、人間の原始的な「本能」が、そうさせていることは間違いないのですが。