2017年2月3日金曜日

米国の石油・ガスを買って黒字削減

日米首脳会談において、トランプ氏が日本の貿易不均衡を批判する可能性があります。これに対し、日本がアメリカにインフラ投資を行うとの話がありますが冗談ではありません。アメリカから石油・天然ガスの輸入量を増やすことで対応したいところです。

日本には石油も金属資源もほとんどありませんから、それらの資源は必ず輸入しなければなりません。その意味では必ず工業製品を輸出しておカネを稼がなければなりません。それならアメリカから稼いだカネでアメリカから石油・ガスを買えば丸く収まります。

もちろん石油は民間企業が買うわけですから、企業に「アメリカから買え」と強制はできませんが、賃上げ要請のように安倍首相は何かと企業に働きかけを行っていますから、実際の数量はともかく、そうした行動を行うことがアメリカに対するアピールになるはずです。そもそも対米インフラ投資だって民間に働きかける話でしょう。政府の直接支出のわけがない(そんなカネはない)。

日本の石油輸入額は年間で10兆円以上、天然ガスも5兆円以上ありますから、そのうち2割をアメリカ産に切り替えれば3兆円の貿易黒字が減少します。対米貿易黒字は年間およそ7兆円程度ですから、対米黒字の半分近くが解消します。

このまま貿易不均衡を放置すると、二国間貿易協定で強引に農産物を輸入させられたり、自動車に関税をかけられる危険性もあります。トランプ氏はシェールオイルの生産に積極的ですから、これを利用できれば、貿易不均衡に関する交渉カードに使えると思うのです。

追伸)原油の中東依存を低減すればシーレーン防衛の必要性は減るから、中国共産党による南沙諸島占領のリスクも減る。政情の不安定な中東に振り回されるリスクも減る。