2017年2月8日水曜日

御用一般人と、なんちゃってセレブ

御用学者という俗語があります。これは、常に役人の立場に沿った発言をして役人の主張や政策を弁護する学者のことです。異論は唱えないか、偽装程度です。今日で言えば、財務省が推し進めている消費税の増税や、年金削減などを強く主張している学者・評論家などがそうだと言えます。

御用一般人というネットスラング(俗語)があります。これは、役人あるいは御用学者でもないのに、役人の側に立って、役人の主張を擁護する(擁護したがる)一般の人たちです。御用学者は御用することで、研究費とか、原稿依頼とか、それなりの利益供与を受けている(違法にならない範囲で)わけですが、御用一般人の場合はそういうわけではありません。いわば自己満足なわけです。

しかし、自己満足は人間の動機として重要です。例えば他者より自分が優れているという優越感のようなものは自己満足感を高めてくれます。そういう点で、お役人という強い立場に同調することで、それを自分と重ね合わせ、優越体験を得ることができる、という点は否定できないでしょう。もちろん、それは一面であって、純粋に役人の理論に同調する場合もあるでしょうけれど。

ところで、自分が資産家でもないのに、資産家の立場に立って、資産家を擁護する一般人がいるように思われます。なぜかわかりませんが、富裕層に対する課税強化とか、格差の縮小を推進する動きに反対してくる人がいます。そこには御用一般人と共通する心理的な側面があるような気がするのです。こういう人を「なんちゃってセレブ」と呼んだらどうでしょう。自己意識だけセレブな人です。

でも、「なんちゃってセレブ」という言い回しは、ちょっと挑発的過ぎるかも知れませんね。ですからやめておきましょう。しかし、気のせいかも知れませんが、そういう傾向のある人が世の中に居るような気がするんです。なぜそういう人がいるのか不思議ですが、純粋に資産家に憧れている人、ファンなのかも知れませんね。

御用一般人もなんちゃってセレブも、人間の一側面ですから、その立場を一概に否定はできないと思います。しかし彼らとは話が合いそうにありません。