2018年5月7日月曜日

日本には革新政党がない

人工知能、ロボット、3Dプリンタなどテクノロジーの革新は目覚しいものがあります。一方で政治は前世紀の政治闘争から一歩も進化しておらず、革新と呼べる政党はありません。日本にあるのは保守右派と保守左派だけです。

左派と言えば昔は「革新」などと言われたらしいですが、今や懐古趣味おびただしい保守左派に過ぎないと感じます。前世紀から主張がまったく変わらない。いまだに東西冷戦の政治イデオロギー、つまりアメリカ寄りか中国寄りかという争いが色濃く、経済面にしても労働闘争のごとく、労働者=善、企業=悪のステレオタイプな態度から、労働者の権利や賃上げに固執しています。もう50年は同じことをやっているでしょう。

そんな左派が「革新である」などとは間違っても言えません。日本の左派は昔ながらの(=保守)「保守左派」です。そのため、安保闘争時代を懐かしむ高齢者の方々の支持率は高いものの、若者の支持率はむしろ自民党の方が高い。そりゃあ若者にとって今の左派は「保守」の代表みたいなものですからね、未来へ向けて左派は打破すべき古い価値観になってしまいました。

もちろん右派である自民党は名実とも保守そのもの。旧来の資本主義の形を守る政策を行なっています。とはいえ安倍政権は保守左派の主張である労働者の賃上げ、同一労働同一賃金、子育て支援などをたくみに取り込み、保守左派の存在価値を打ち消す戦略に出ています(いわゆる論点つぶし)。実に賢いですね。今の左派は「保守左派」ですから、保守である自民党にとっても与し易いのでしょう。

そうした中で、左派はますます存在感を失うでしょう。今の左派はあまりにも古い。もし左派が情勢を挽回したいと思うなら、前世紀の殻に閉じこもるのではなく、未来を軸に据えた革新政党を目指すべきです。

これからの時代に「革新」と呼べる政党は、急速に進化するテクノロジーによる社会変革を見据えた政策を提案できることはあまりに当然でしょう。テクノロジーの最前線に立つビジネスマンや学者の意見を積極的に取り入れるべきです。具体的な政策は様々でしょうが、少なくとも次の点は重要な政策課題になると思います。

・ベーシックインカムとその導入方法
・通貨改革による政府債務問題の解決
・通貨改革によるバブルとバブル崩壊の解決

左派は相変わらず完全雇用と賃金に固執し、税収の不足に悩まされ、バブル崩壊の歴史を繰り返すことを、ただ受け入れるだけの保守左派政党であり続けるのでしょうか。