2014年7月15日火曜日

おカネは刷り続けなければならないのか?


おカネを刷る事に抵抗感を覚える人が未だに多い様な気がします。しかし、おカネを刷り続けなければならない理由について考える人は少ないのではないでしょうか。

おカネを刷り続ける理由は、時代と共に微妙に変化してきているのではないかと思います。おカネの最も重要な役目は「財の交換機能」にあるでしょう。市場において、おカネを介することで人々は生産した財を交換します。経済活動が拡大すればするほど、市場での取引に使われるおカネは増えます。この時、おカネの量が増えないと、経済活動が低迷してしまいます。過去の時代、経済が劇的に拡大した時代においては、経済成長のためにおカネを刷り続ける必要があったわけです。

一方、経済成長が減速してきた今日では、別の原因でおカネを刷る必要が生じてきていると思います。その原因は貯蓄です。貯蓄されたおカネは取引に使われません。ですから、貯蓄がどんどん増えると、市場で取引に利用されるおカネの量がどんどん減少することになります。これが経済活動を低迷させる原因となります。

経済規模がどんどん拡大を続ける時代であれば、貯蓄は「投資」として、再び市場取引に使われます。しかし、地球の資源は有限であり、無限に経済規模を拡大し続けることはできません。経済規模が拡大しなくなると、投資はほどんど行われなくなりますから、おカネはひたすら貯め込まれるようになり、市場取引に利用されるおカネは減り続けます。

そこで、どうするか?

①おカネを刷り続ける(金融緩和)
②貯め込んだおカネを回収する(金融資産課税)

そのどちらかしかない、と思うのです。しかし、日本の野党は①も②もやってはいけないそうです。もちろん代案はありません。もし③の方法があるなら知りたいと思います。