2018年3月9日金曜日

緊縮ニッポンでは物価を上げられない

緊縮ニッポンではパッケージの内容量を減らして価格を押さえる「シュリンクフレーション」が進行中。原材料が値上がりしても、庶民におカネがないから値上げできないのです。

例えば、私が好んで食べるチーズ。これはデザインが新しくなって、包み箱の仕様も二分割できるようにすることで付加価値を高めたように見せかけて、実は内容量が少なくなっています。

つまりパッケージの価格を上げずに内容量を減らす。

チーズは原材料が値上がりしているため、本来であればメーカーが原材料の値上がり分を価格に転嫁することでチーズ商品が値上がります。もちろん内容量はそのままにです。

ところが国民におカネがない、購買力がないために値上げできないのです。つまり物価が上昇しないのは、マスコミがまことしやかに言う「デフレマインド」などではなく、買うカネがないからです。

つまり商品価格は値上がりしないが、質が低下する。

これが世の中のおカネを増やさない「緊縮ニッポン」の実態でしょう。緊縮主義は国民をどんどん貧困(おカネの無い状態)にしています。原材料が上昇しても、企業は今後も必死にパッケージをリニューアルし続け、そのたびに内容量を減らしたり質を落としたりし続けるでしょう。

国民にカネがないからです。

もし、カネがあったらどうでしょう?国民におカネがあれば値上げしても商品は売れます。商品が売れるなら企業は商品の質や内容量を落とすのではなく値上げできますから、物価が上昇してデフレを脱却するでしょう。

それだけではありません。高くても売れるのであれば「質を高めることで売ろう」とする動機が企業サイドに生じてきます。つまり値段が多少高くても質の良い商品が売れる経済状態になってきます。こうして「多少高くても質の良い商品」が消費者の手に渡る社会になります。質的な豊かさが実現します。

こうして、循環するおカネの量が増加すれば国民生活の質が向上するだけでなく、税収も増加するでしょう。これこそが経済の好循環と呼べるのではないでしょうか。

ですから、経済の好循環のためには、まずは国民の購買力を高めること。そのためにヘリコプターマネーです。すべての国民に毎月1万円を支給しましょう。この金額なら年間予算15兆円、通貨発行だけで十分に賄うことができます。