2018年3月16日金曜日

忖度は防止不可能、システムを変えよう

忖度が問題視されているようですが、忖度は人間の基本的な性質であって、忖度を防止することは不可能です。忖度があっても問題が起きないシステムが必要です。

これはシステムを考える際に当然に必要な視点ですが、ミスがないことを前提にしたシステムは脆弱です。どれほど注意してもミスは防ぎきれないからです。ミスした担当者を責めても問題は解決しません。ミスがあることを前提としたシステムが強固なシステムになります。同様に、忖度があることを前提としたシステムこそ必要だと考えられます。

忖度を無くせば良いと思うかも知れませんが、忖度は人間の基本的な性質(本能)なので、これを問題視しても意味がありません。程度の大小はあるものの、社会は忖度(=相手への気遣い)なしには成り立たないと言えます。

ただし、これが行政において横行すると不公正な行為を招く可能性があることもまた、事実だと思います。ですから忖度があることを前提としながら、忖度による不公正を防止するための仕組みを持ったシステムへ改変することが求められています。とはいえ、基本的な考えは簡単です。それは、

①権力の分散化を図る
②監視機能の強化

ではないかと思われます。

今回の公文書改ざん問題に関しては、本省による強烈な上意下達があったとも言われており、これにより上から下まで強固な隠蔽体質が築かれていたと考えられます。こうした本省の強力な命令権による、中央集権的な組織(システム)を改め、フラットで風通しのある組織に変える必要があると考えられます。これは民間組織と同じ考えであって、当たり前ですね。

また今回の件では会計監査院が改ざんを見抜けなかった点も指摘されています。これは彼らの人的な責任というより、そもそも監視機能が不十分であることに原因があると思われます。組織をフラット化して風通しを良くし、監視機能を強化すれば、仮に不正が行われても役所内における情報隠蔽を防ぐことができると思われます。これもいわゆるガバナンスとして民間組織における不正問題でも最近騒がれていますね。

外務省や防衛庁はその性質上難しいにしろ、それ以外の省庁に関しては、この機会に組織の大改革を行なうべきではないでしょうか。ハッキリ言って、森友問題で政治家や役人の首が何人飛んだところで、大衆はおお喜びかも知れませんが、何の得にもなりません。ノーパンシャブシャブ接待事件と同じで、何年かすれば、また同じ騒ぎが発生するだけです。

忖度がどうこう言って騒いでも意味ありません。少なくとも外務省に関しては、徹底的に組織を改革すべだと思うのです。