2017年9月26日火曜日

財政再建はまったく不要、むしろ毒薬

財政再建は日本経済を死に至らしめる毒薬です。必要なのは財政再建から頭を切り替えることです。国債発行も通貨発行も、同じ「通貨の供給」だからです。

財政再建はまったく不要です。必要なのは「国債発行による通貨供給」から「通貨発行による通貨供給」への発想の転換です。税収の不足分を国債ではなく通貨発行によって賄えば、そもそも国債なんて必要ないのです。そうすれば財政再建・財政赤字の問題は根本的に発生しません。本当は将来のツケなんて存在しないのです。国債を発行することで、わざわざツケを作っているのです。歳入を「税収+国債」ではなく「税収+通貨発行」に変更するのが根本的な問題の解決方法です。

国債の代わりに通貨を発行するとインフレになる、と騒ぐ人が居るでしょう。しかし、国債の代わりに通貨発行をしてもインフレの短期リスクは国債発行と同じ程度に過ぎません。なぜなら通貨発行も国債発行も、ほとんど同じだけ世の中のおカネ(マネーストック)を増やすからです。だから、国債発行でも通貨発行でも同じだけインフレになる。通貨発行してインフレになるなら、国債を発行してもインフレになるのです。

ではなぜ日本では1000兆円以上の国債を発行してもインフレにならないのか。国債の発行によって供給された1000兆円のおカネの大部分が、貯蓄されたまま動かないからです。国債だからインフレにならないのではなく、おカネが貯めこまれて動かないからインフレにならないのです。ですから国債ではなく通貨発行で1000兆円のおカネを供給しても動かなければ同じなのです。

ただし政府による通貨発行はマネタリーベースを増やすので、金融緩和と同じ効果があります。市中銀行はこれを元に何倍にも膨らませて預金(マネーストック)を信用創造するので、これがバブルやインフレの長期リスクとなります。とはいえ、これは日銀の行っている金融緩和と同じです。ご存知のように、金融緩和してもちっともインフレになりません。ですから、過度にインフレの心配をする必要はありません。

そして、財政再建は不要どころか毒薬です。
財政再建は金融引き締めどころの騒ぎではないからです

金融引き締めは中央銀行がマネタリーベースを減らすことです。これが市中銀行の金利の引き上げを促し、貸し出しの増加を抑制します。貸し出しが抑制されることで世の中のおカネ(マネーストック)の伸びが低下するわけですから、それは間接的な方法です。基本的に世の中のおカネが減るわけではありません。

ところが、財政再建は家計に課税して世の中のおカネを直接に吸い上げて相殺(おカネを消す)してしまうため、世の中のおカネ(マネーストック)を直接減らすのです。つまり、財政再建は経済の「毒薬」なのです。財政再建によって、世の中のおカネが直接にドンドン減ってしまうのです。これは強力なデフレ圧力となります。

日銀が、金融緩和によって貸し出しを増やし、世の中のおカネを増やしてデフレを脱却しようという最中に、財務省が財政再建によって世の中のおカネを減らそうと言うのですから、まさに「アクセルとブレーキを同時に踏む」ような行為であり、飛行機なら「逆噴射」で墜落間違いなしですね。財務省はやる事が支離滅裂です。

財政再建はまったく不要、むしろ毒薬なのです。