2016年2月16日火曜日

保守とはイデオロギーではなくスタンス?

保守とは何か?なんてテーマの議論があったりします。判断が難しいですが、ところで米国の保守ってどんなのかと言えば、最近、ネットにこんな記事がありました。

世界を危険に晒すゲームに沸き立つ米国人(JBpress)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46056

例のトランプ氏が米国で高い支持を受ける理由についてコメントした記事ですが、トランプ氏といえば共和党候補、共和党と言えば保守です。で、記事によれば、トランプ氏を支持する保守支持層はどういう人たちかと言えば、

(1)緊縮財政を主張するリバタリアン(経済的保守主義者)
(2)伝統的なピューリタン的価値観の堅持を目指すモラリスト(社会的・倫理的保守主義者)
(3)超大国・米国の再生を重視するナショナリスト(人種差別的国家主義者)

だそうです。最近、若い人の間で自分たちは保守であるとする人たちの主張とはけっこう違ってまして、特に(1)は顕著に違います。日本の若い保守は緊縮財政を批判し、大きな政府を目指しているからです。新自由主義や格差の拡大にも反対しています。つまり経済政策におけるイデオロギーが米国の保守とは正反対なのです。

こうした状況を観察すると、どうやら保守とは特定のイデオロギーを指す言葉ではないような気がします。つまり国によって保守の考え方が大きく違うのです。米国の保守はいわば「自由放任」ですが、日本の保守は「経世済民」と言っています。保守とはイデオロギーではなく、政治に対するスタンスなのかもしれません。

余談ですが、この経世済民の考え方は社会主義に近いわけで、非常に面白いですね。おそらく、日本の社会主義勢力(民主党や共産党)が、あまりにも非現実的で無能で役に立たないので、多くの若者があきれ果てたのでしょう。そして経世済民の考えを社会主義勢力に求めるのではなく、保守というポジションに求めたのかも知れません。これは憶測ですが。