2016年2月19日金曜日

ゼロ金利で国際協調 面白い案だ

ロイターに面白い記事が出ていました。

国際政策協調、同時ゼロ金利のすすめ
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yoshinori-shigemi-idJPKCN0VR0JD

最近は為替急激な変動と株価の下落が問題になっています。そこで安定した為替相場(固定相場)と資本の自由な移動(投資活動)を得るために、ゼロ金利で国際協調すべきだ、という内容です。これは面白いです。

ちょっと内容が難しくて、細かい部分まで全て理解することは難しいのですが、基本部分は難しくないです。金融のトリレンマという仮説があって、これは「自由な資本移動、為替の安定、自由な金融政策」の3つを同時に達成することは出来ないという説ですが、ほぼ定説です。これを使ってます。

自由な投資や為替の安定が世界経済にとって重要だとすれば、これを達成しなければならないわけですが、そうすると、トリレンマ説から言えば、自由な金融政策は達成できないことになります。自由な金融政策とは、各国が自国の事情によって自由に金利の差を付けることです。つまり、現在は米国、欧州、日本の金利はバラバラです。だから為替が安定しない。金利を統一すべきという話なんですね。

言われてみれば、確かにそうですよね。それで、各国が金利をゼロで統一すべきだという話なんです。う~ん、しかしこれでうまく行くのだろうか。確かに理論から言えば為替は安定するだろうと思われます。問題は国内の経済をどうコントロールするかですよね。

そこで、各国の金融政策においてゼロ金利を共通目標とし、財政政策や税制で国内経済のコントロールをすれば良いかも知れません。財政政策は金利に影響を与えますが、その金利変動を、中央銀行のオペレーションで調整する。あるいは景気が過熱すれば、消費税を増税すれば良い。

日本の場合は景気が悪いので財政出動する。そのために日銀が国債を引き受ければ良い。財政出動で景気が回復して金利が上昇すれば、財政出動も引き受けも止めれば良い。米国の場合は、もしゼロ金利で景気が過熱するようなら増税すれば良い。つまり、金融政策だけで国内景気をコントロールする考えを止めれば、方法はあるかも知れません。

もしそうなら、ゼロ金利国際協調はありかも。