2018年1月5日金曜日

全国民が日銀に口座を持つとどうなる?

国民が日銀に口座を持つことは現在できませんが、マイナンバーに対応した日銀の口座をすべての国民が一つずつ保有すべきと思います。それは何を意味するでしょうか。

日銀に全国民の口座を開くと聞けば、日銀の業務が爆発的に増加すると思われるかも知れませんが、その心配はないでしょう。送金・預け入れ・引き出し等の業務をすべて日銀が行えばえらいことになるでしょうが、口座を提供するだけなら電子的なシステムを構築するだけで済む話なので、そのシステムの維持費が必要なだけです。送金処理は民間に委託すれば可能であり、これまで同様、民間銀行に手数料を払って処理できると思います。

国民が日銀に当座預金口座を持つなら、その預金は100%安全です。もちろん政府が崩壊してしまえば円通貨そのものが崩壊するのでダメですが、例えば金融危機やらで民間銀行が破綻する事態が生じたとしても、日銀が潰れることはあり得ませんので、預金は100%保護されます。万一の際にも、すべての預金を一円残らず引き出すことが可能です(紙幣の印刷時間が必要ですがw)。

ただし、日銀当座預金には金利が付きません。おカネを預金しているだけで増えることはないからです。もしおカネを増やしたいのであれば、日銀当座預金を引き出して、民間銀行などの金融機関に預金しなければなりません。民間銀行の預金は利子が付きますが、当然、預金の100%は保護されません。

しかし、それは「あたりまえ」の話です。そもそも預けるだけで自動的におカネが増えるわけではないのですから。

多くの人は忘れているようですが、民間銀行の預金に金利が付くのは、それが「貸し出しによって生まれたおカネ」だからです。皆さんの預金はすべて民間銀行が企業などにおカネを貸した際に発生した「貸し出し債権」です。だから金利が付くわけです。ということは、貸し出し債権が不良化すれば金利が得られなくなるばかりでなく、原本すら消失する可能性があるのです。

民間銀行の預金は常にリスクを伴います。だから100%保障されないのは当たり前なのです。運用主体である銀行が倒産すれば、本来は預金がすべて消えても文句は言えません。ただしそれだと怖くて誰も銀行預金を利用しませんから、政府が預金保険制度を利用して1000万円まで保証してくれることになっているのです。

しかし、金利はいらないから、100%完全に保障される口座が欲しいと思う人もいるでしょう。もし、日銀に当座預金口座を開設すれば、それは100%完全に保障される口座です。現金(紙幣・硬貨)で保管するのとまったく同じです。この場合は、預金保険制度とも無関係に保障されますから、大恐慌になっても日本国がなくならない限り安全です。

こうして、全ての国民が日銀に当座預金を開設することで、①金利は付かないけれど絶対安全な日銀当座預金口座と、②リスクを取りつつ貸し出しによる金利の得られる民間銀行預金口座、の二つを持つことができます。目的に応じて使い分けできますよ。

その方が、面白いでしょうw。