2017年3月6日月曜日

ベーシックインカムと共に通貨改革が必要

ベーシックインカム(BI)と共に通貨改革が必要です。BIだけでも貧困・格差問題の解決は可能でしょう。しかし通貨制度の問題を残せば禍根になると思います。

格差や貧困問題の根底には、現在の通貨制度すなわち「信用創造」「準備預金制度」が大きく関係していると思われます。安定した経済のためにはこの問題を解決しなければなりません。

貧困や格差がどうして生じるのでしょうか。大きな要因としてバブルとバブル崩壊があります。バブルは「預金の信用膨張」が根本的な原因です。民間銀行が預金を発生させて貸し出しを増やすことでバブルが膨れ上がりますが、これは同時に世の中の借金が爆発的に増えていることを意味します。そしてバブルが崩壊すると、この借金が焦げ付き、深刻なデフレ不況を引き起こすのです。これが「借金経済システム」です。

バブル後のデフレ不況、例えば失われた20年が日本のサラリーマンの所得を減少させ続け、非正規雇用の労働者を増やし、マスコミが大好きな「勝ち組と負け組み」を作り出し、格差を生み出して来ました。同じことはバブル後のアメリカや欧州でも起きています。

もし仮にベーシックインカムによって貧困が解消されたとしても、通貨制度を放置すればバブルが再び繰り返される可能性は高いでしょう。もちろんベーシックインカムが実現していれば、バブル崩壊の後に生じるデフレ不況は、日本の失われた20年ほど酷い状況に陥らないかも知れません。しかしそれは単に「死ぬほど貧困な人が生じない」だけであって、やはり富める者はますます富み、庶民は最低限の生活が保障されるだけの社会になると思われるのです。

根本的にバブルとバブル崩壊を食い止め、
経済を安定させる必要があります。

さらに言えば、通貨制度を放置したままヘリコプターマネーによって小額ベーシックインカムをスタートすると、バブルを引き起こすかも知れません。世の中のおカネが増えると、そのおカネを銀行がさらに膨らませて貸し出しを行い、バブルを引き起こすからです。銀行が勝手にカネを膨らませたのでは、日銀が世の中の通貨量をコントロールできるわけがありません。

ベーシックインカムは、銀行制度に潜むガンを隠蔽してしまう恐れがあります。ベーシックインカムを行うなら、通貨改革も同時に必要だと思うのです。