2014年10月21日火曜日

借金によって消費が増える?

借金すると消費が増えるかと問われれば、そうでもあるし、そうでもないと答えるしかないでしょう。確かに、家庭や会社のようなミクロ経済レベルでは、消費は所持金(購買力)によって左右されます。ですから、借金をしておカネを調達すれば消費は増えます。

ところが、社会全体のようなマクロ経済レベルでは、消費は借金しただけでは増えません。それより、国内生産力が問題となります。つまりマクロで考えると、社会全体の財の生産量が多いほど、一人あたりが受け取ることのできる財の量は増える。つまり、生産力に応じて消費は増える事が可能となるのです。借金しても、生産力が無ければ消費は増えません。

もちろん、国民の受け取る事のできる財の量を増やすには、消費者におカネがきちんと行き渡らねばなりません。おカネは市場を介して財を分配する道具です。いきわたらなければ消費不足=デフレとなります。それに対処するため、いままでは国債という借金に頼っていました。つまりおカネを借りていたのです。しかしなぜ借金なのか?道具が足りなければ増やす必要があります。

借金というのはミクロ経済での方法論であり、それがマクロでも正しいとは限りません。マクロ経済では「国民の主権である通貨発行」で良いでしょう。国民が「カネを刷れ」と指示すれば、それに政府が従うのは当然ですね。

もちろん、おカネの刷り過ぎはあまり良くありません。刷り過ぎによって生じるインフレへの予防策は以前に書いた通り(預金課税)だと思います。