2014年10月18日土曜日

「脱時間給」が長時間労働を助長する

脱時間給で生産性が高まるような、怪しげな論調がマスコミをにぎわせていますが、そんな程度のことで生産性が高まるんなら誰も苦労などしないでしょう。それどころか、脱時間給で長時間労働が助長され、過労死問題がひどくなる可能性もあると思うのです。

口で言うほど生産性を高めるのは簡単ではありません。ですから、結局のところ、仕事の成果を上げるためには長時間労働に頼る事になります。実際、勤務時間が長いほど、成果はあがります(経験上)。そして、同じ能力の社員同士であれば、長時間労働する社員ほど高い成果をあげます。会社は高い評価をする社員を評価しますから、結果として「長時間労働する社員ほど高い評価を得る」結果を生みます。

従って、脱時間給は生産性を高めることは無く、それどころか、長時間労働をますます強いる結果になると予想されるのです。

もちろん、会社での昇進よりも家庭生活の時間を大切にする人は、長時間労働することは無いと思う人もいるでしょう。確かにそうなのですが、問題はそれで生活できるだけの給与所得が会社から支払われるか、という事です。

「多様な働き方に対応するため、成果に応じた報酬を」などと言いながら、結局は長時間労働して成果を出さないと給料が安くて生活できない、そんな結果に終わる気がするです。