2014年10月11日土曜日

イラクはフセイン支配下の方がマシだった

「イラクはフセイン支配下の方がましだった」という声がネットで聞かれます。結果論かも知れませんが、イスラム国が出てきて手に負えなくなったのも、強力な軍を擁していたフセインを抹殺してしまった事が原因でしょう。当然フセインは凶暴な政治家ですが、イスラム国よりは国としてのまとまりもあるし、当然、フセインは世俗的でイスラム原理主義ではなかったわけです。ただし強烈な「反欧米主義者」でしたから、大量破壊兵器を保持してるなどとアメリカに難癖を付けられて殺された。イラクと同様に独裁政権だったリビアも、欧米の後押しでカダフィが抹殺されてから混乱しているらしい。

ですから中東には強力な独裁政権があった方がよかった、と思うわけです。しかし、そういう主張に対して、中国も共産党の独裁政権を擁護する理屈として、同様の発言をしているではないか、という反論があるようです。中国にも共産党独裁が必要であると。

いや、しかし多少考えればわかりますが、中東はまだ途上国、しかもかなりの途上国ですよ。そういう発展段階では独裁も必要でしょう。特にイスラム圏なら「原理主義」があるので、これを押さえるためには強力な軍と中央集権体制が必要だと理解できます。しかし、中国はGDP世界2位ですよ。どこが途上国なの。しかも過激なイスラム原理主義などない。あるのはチベットやウィグルで共産党が弾圧をしている反動じゃないですかね。いつまで途上国のつもりか知りませんが、そろそろ民主化するのは当然でしょう。もはや、中国は民主化を先送りする段階ではないと思います。

中東と中国は別。中東は安定が優先。中国は民主化が優先。