2016年9月5日月曜日

中国に対する戦略について

多くの場合、中国共産党も中国の人々も、ひとくくりで「中国」と言ってしまう傾向があります。しかしこれはあまり賢明ではありません。中国に言及する場合は、中国共産党と中国の人々を意図的に分けて言うべきだと思われます。

日本人にとって最も脅威なのは中国共産党です。ことあるごとに過去の日本の侵略を持ち出し、事実を肥大化して既成事実化し、民族主義を煽っています。尖閣諸島に武装した船を送り込み、AIIBなどで経済的な覇権を目指し、また南沙諸島をはじめ領土的野心をむき出しにしているのは、共産党であって、中国の一般庶民ではありません。どの国も庶民は生活の向上が最大の関心事であって、日本を潰すことではありません。

ですから、中国共産党を打倒する事こそ日本人の利益にかなうわけです。しかし、日本人が直接に共産党を打倒することができるでしょうか?不可能です。日本人には共産党を倒すことはできません。共産党を倒すことができるのは、中国の人だけです。ですから、中国共産党は敵に回しても、中国の庶民を敵にしてはならないわけです。

中国国内でも共産党の独裁や言論などの統制、汚職などに対する人々の不満があり、心のそこから共産党を支持しているわけではないはずです。彼らも自由化を望んでいるはずです。抑圧者である中国共産党が中国人日本人共通の敵であることを、中国の人々に認識していただくのが重要です。

もちろん、共産党はそれを阻止するために、中国人の民族感情を煽ろうとして尖閣諸島にますます圧力をかけてくるでしょう。ここで共産党の手口に乗ってはいけません。中国人への反感ではなく「共産党」を意識的に批判すべきです。中国が独裁であることの危険性を、過去の戦争の歴史をからめて批判するのが良いと思います。そして中国人を褒め、同情し、友好を深め、民主化を支持し、抑圧者としての中国共産党を非難する。

共産党が崩壊して中国が本当に民主化されれば、それだけで日本の脅威は半分以下になると思います。米軍基地も安全法制も、それだけで問題の半分は解決したようなものです。少なくとも中国のような独裁政権が民主政権より危険なことは、歴史が証明しています。まず中国の民主化です。

そのためには、中国の庶民を動かさないといけない。抑圧者としての中国共産党を鮮明にしなければならない。大衆運動だけが、革命を起こす力を持っているからです。