2013年5月12日日曜日

アベノミクスに対抗するには?


 野党があまりにも無能すぎてアベノミクスに対抗する方法を打ち出せません。しかし、代案ならあるはずです。正直なところ、安倍政権については、金融緩和や対中韓への外交については賛同するものの、TPPや労働規制緩和など新自由主義的な考えには違和感があります。とはいえ、野党はまるでダメなので、安倍政権を支持するしか選択肢がない状態です。では、これなら自民党以外の政党に投票しても良いと自分が思う政策は何かを書いてみます。

1 金融緩和は継続する。ただし直接家計におカネを投入する。

アベノミクスの緩和策は銀行を通じた貸付を増やすことで、供給サイドから経済を動かす方法です。これも悪くないのですが、もう一つの方法として需要サイドから経済を動かす方法もあります。それが国民へ買い物ポイントを配布する方法です。すべての買い物や飲食・サービスなどに対して50%の補助をします(生鮮食料品やエネルギーを除く)。ただし買い物しないと使えないポイントです。

財源は金融緩和つまり国債の買い取りですが、発行済み国債ではなく、政府の新規国債を直接に引き受けるわけです(政府通貨=10兆円コインでもよい)。もちろん民主党の子ども手当みたいにケチケチ配布しても無意味ですから、長期的かつ大胆に行います。たとえば、2年間継続で、世帯当たり毎月5万円分の買い物ポイント給付とかします。

2 消費税増税の凍結。インタゲ2%達成後に実施すると明言。

増税すれば景気は腰折れし、インフレターゲットの実現が遠のきます。逆に、インフレになってから増税すれば、消費税はインフレを抑える効果があるため、物価のコントロール処方として利用できます。これにより、実体経済の成長にマイナス影響を与えずに増税が可能になります。景気が後退し始めたら、消費税は減税します。

3 原発の即時再稼働。ただし脱原発を推進する条件付きで。

原発の再稼働により、エネルギーコストの増加を防ぐ必要があります。とはいえ、長期的には原発は地震国に建設するとリスクが高いので全廃を目指します。輸出産業としての原発を捨てる必要はないので、研究用の原子炉や国の支援は継続します。同時に、核兵器保有のための策も講じます。

大きくこの3つは、アベノミクスの反対の政策ではなく、同じ方向を向きつつ、明らかに別の内容を提案できます。しかも、家計を助け、増税を凍結するなど、国民に人気の出そうな政策ですから、これを行わない手はないと思うのですが、どういうわけか主張する政党が居ないのが不思議です。



2013年4月13日土曜日

TPP グローバリズムの向こうへ


 盲目的なグローバリズム信教の宣教師たるマスコミは、3兆円の農産物が減産しても、輸出が3兆円増えるからよいと主張しています。しかしそれは、日本の輸入依存度の比率を高め、国家としての経済的自立性をより失うことを意味するのです。グローバリズムの本質は「外国頼み」「海外依存体質」である事を忘れるべきではないでしょう。

<グローバリズムで硬直化する経済>

「海外依存体質」は、世界経済環境の激変に対してより「影響を被りやすくなる」事を意味し、世界的な不況の連鎖反応に脆弱になることを意味します。実際、この負の連鎖反応の悪影響はサブプライムローン崩壊の影響が金融を通じて全世界を不況に陥れた事実に如実に表れています。

もちろん、これは金融に止まらないでしょう。世界が相互依存を高めれば高めるほど、ある国で発生した問題は隣国に、そして多くの他国に波及し、連鎖的に人々を不幸にします。不幸の連鎖反応です。そしてフリーダムの世界ではこれを阻止する「規制」はなくなります。規制は「悪」と決めつけられ、次々に磔にされてきました。もちろん無意味かつ不要な規制もあるでしょう。しかし、フリーダムの世界における規制の要・不要の判断基準は「カネ」です。投資に対する利潤の最大化が判断基準であり、人々の幸福度ではありません。

そのグローバリズムの先端を走るEUでは何が起こったか?「見えざる神の手」が次々と弱小国家を蹂躙するおぞましき姿が宣教師マスコミの目には入らないのです。弱小国家は「努力が足りないので滅びるべし」。だが本当に努力の問題でしょうか?カネの問題ではないのですか。

<通貨安戦争の原因はグローバリズム>

なぜ通貨安戦争が問題となるのか?それもグローバリズムが原因でしょう。通貨安戦争は、全世界が輸出依存体質になっている証拠です。別の角度から言えば、通貨安戦争は輸出戦争と言えるからです。「お前は俺の製品を買え」「お前こそ買え」という全世界押し売り戦争です。それでも宣教師マスコミはおかしいと思わないようです。

そんなに輸出してどうするのか。そもそも輸出とは国内では賄う事のできない貴重な資源を輸入するために必要十分なだけ行われるのが基本でしょう。にも関わらず、世界じゅうの国々がどんどん輸出したいという。供給過剰になるのは当たり前です。そんなバカげた争いがグローバリズムの実態なのです。そんなに「カネ」が欲しいのでしょうか?~ああ、欲しいとも。カネはいくらでも欲しい。

<グローバリズム崇拝を乗り越えて先へ進め>

森も山も、じゃまになるものはすべて取り払った、ただ真っ平らな荒野を「神の見えざる手」が駆け巡っています。これがフリーダムのイメージです。あるいは、すべて整地され、アスファルトで固められた大平原でしょうか。そこに球体を置けば、自由に、どこへでも転がることができます。障害物は何もありません。自由です。

日本は、いや世界は「グローバリズム崇拝」の巨大な圧力にさらされています。もちろんその目的は「カネ」です。サブプライムローンをはじめとする金融の貪欲な金儲け主義が世界の経済を大混乱に陥れたにもかかわらず、なぜ金融の根本的な制度の見直しが行われないのか?議論すらない。その偽善の理由は簡単です。金融がカネを生むからです。

グローバリズムは「カネを増やすだけで、何も解決しない」。

国民もそろそろ金融とグローバリズムの茶番に気づき、
新たな経済の仕組みを本気で模索する時代に入ったと思います。
そう思う人は、着実にふえつつあります。

2013年3月20日水曜日

キプロス預金課税~動き出した世界

 デフォルト危機に陥ったキプロスへEUが行う融資支援の条件として、キプロス国内の銀行口座の預金に最大10%の課税を求めることがEU財務相会議で決まりました。この提案はキプロス議会で否決されてしまいましたが、それでもこの提案が打ち出されたことの意味は極めて大きいと思われます。なぜなら、どれほど資産家が預金を膨大に貯め込んでいても、これまでは決して課税対象とされたことがなかったからです。地球を丸ごと買い取るほどのマネーが世界に溢れているにもかかわらず。つまり預金は決して課税されることのない、資産家にとっての「聖域」だったのです。

 この預金という聖域に切り込むEU財務相の決定は世界に前代未聞の衝撃を与えました。日本のマスコミや評論家は今やTPPで大騒ぎしているため、あまり気が付いていないようですが、これは世界の常識が変化する可能性を示唆しているのです。 

 <キプロス預金課税は「銀行戦争」か?>

 今回の預金課税を正当化する理由として掲げられたのはキプロスの「タックスヘイブン」を利用したロシア資産家のマネーロンダリングへの対処です。キプロスの銀行ではロシア資産家から非常に不透明な資金が莫大に入金され、運用されていたという話です。いかにも悪そうな話に聞こえますが、しかし、このようなマネーロンダリングはユーロ危機以前から存在していたはずで、なぜその時点で放置してきたのかが疑問です。「今頃になって気付いた」などという間抜けな嘘は通用しません。こうなる事を予測して放置した可能性もあるでしょう。つまり「銀行戦争」です。キプロスの銀行を潰すためです。

 実際、ロイター3月9日付けのコラム「キプロスの預金課税が正しい理由」という記事において、金融危機に際して銀行救済をしなかった(つまり銀行を潰した)アイスランドを例に挙げて、これを肯定的に紹介しています。
 http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE92I05G20130319?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0

 そして、ブルームバーグでは預金への課税にドイツ財務省が強く関与しているという話を紹介しています。
 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJW6HF6JIJUY01.html

 しかし、マネーロンダリングも金融に過度に依存した島国「アイスランド」「キプロス」の姿も、程度の差こそあれ世界中にあるわけであり、彼らだけを「悪」と決めつけることができるのでしょうか? 資本主義は競争社会ですから、あらゆる機会を利用して競合他社を排除しようとするのは当然です。そしてそれは「同じ通貨圏」なら国境を越えて容易に行う事ができる。グローバリズムです。金融の暗黒面を批判した日本のアニメ「C The Money of Soul and Possibility Control.」で語られるセリフ「カネは血のにおいがする」を思い出さずにはいられません。 

<緊縮財政地獄ギリシアよりは良い措置?>

 IMFが融資を行う条件として課してきたのは「緊縮財政」です。しかし緊縮財政は通貨の循環量を減らすことになり、経済が衰退し、とりわけ低所得者に対して過酷です。緊縮財政で失業者が溢れ、社会保障も切り捨てられるからです。しかもこれが何年も何年も続く可能性がある。むしろアルゼンチンのように「破綻して借金を踏み倒した方が経済の再生が早い」のです。アルゼンチン経済は一時的に混乱したものの、破たんしたおかげでむしろ絶好調になりました。

 しかし、破たんの道を選ばないなら緊縮財政しかない。それが今までは常識とされてきたのです。ところがキプロス支援では緊縮財政をもとめず、預金への課税を求めてきた。預金は通貨ストックですから、これを失っても緊縮財政のように、通貨の循環量が極端に減ることはありません。つまり過度に経済が冷え込むことはないのです。しかもその損失は低所得者よりもむしろ富裕層が主に引き受ける事になります。富裕層ほど大量の預金を保有しているからです。

 これは緊縮財政であえぐギリシアやスペインよりも、キプロスの多くの国民にとってはありがたい方法論なのかも知れません。もちろん富裕層や銀行の猛烈な反対運動が起こるのは当然でしょう。聖域である既得権を失うからです。 ところで、預金課税を広く拡大してゆくと、取り付け騒ぎが発生する可能性があります。取り付け騒ぎが起こると銀行は簡単に破綻します。

もともと預金は現金から派生した通貨ですから、圧倒的に預金のほうが現金より多い。預金を引き出す、つまり預金を現金に交換すると、たちどころに現金が不足する。これを防止する方法はただ一つ。すべての通貨を現金にすること。すなわち「政府通貨」です。 

 <驚くべき可能性>

 資産家と銀行の聖域である「預金」へ課税するという衝撃。キプロス融資の条件として発表された預金課税を「検討が不十分な政策」と批判する向きもあります。本当に検討が不十分なのでしょうか?預金課税が世界の金融システムにどれほど衝撃を与えるメッセージであるかは、素人でもほとんど瞬間的にわかるレベルであり、検討が不十分どころか、むしろ極めて十分に検討された上での発表であると考えるのが自然です。このメッセージがどのような権力を背景に出されたものであるかはわかりませんが、今までの常識を覆す「何か」が起こりつつあると考えるべきでしょう。日本のマスコミも識者もほとんど語りませんが、それを連想させるニュースが昨年ありました。

 2012年8月、IMFが民間銀行の信用創造(預金創造)の停止と100%政府通貨についてのレポートを紹介しました。しかもレポートの内容は驚くべきもので、100%政府通貨により政府債務が無くなり、国債デフォルトや信用危機の問題が解決されて、GDPが10%も増加するというのです。つまり、信用創造の停止と100%政府通貨を肯定したレポートをIMFが紹介したのです。これは単なるレポートですからキプロス預金課税のように世界的な騒ぎにはなりませんでしたが、銀行の親玉であるIMFが銀行の存在を脅かすレポートを紹介するなど信じられない出来事です。そして、今回はレポートではなく「預金課税」という強制力を伴う判断が示されました。 

何かが変化しています。
 もちろんそれはTPPなどのグローバリズムと無関係ではないでしょう。


2013年3月17日日曜日

TPPは国家弱体化への道

TPPで国家が繁栄するといます。確かに「カネ」という守銭奴的価値観によれば繁栄するかに見えるかも知れません。しかし、それが真の意味で国家の繁栄と言えるか、つまり、「カネ」に走ることが国家の繁栄なのか、問われるべきと思うのです。

<効率化は弱体化と表裏一体>

グローバリズムは国際分業という考え方に基づくのでしょう。それは世界全体としての生産性を高めるかも知れません。しかし、それは同時に世界が相互依存性を高める事であり、逆に言えば、国家としての経済的な独立性を失う過程でもあるのです。

たとえば、食料はアメリカとオーストラリアが生産し、自動車は日本が生産し、石油はサウジアラビアが生産するというような分業になったとしましょう。すると生産効率が高まり、商品単価が低下し、余剰生産力を新たな産業へ振り向ける可能性も生まれます。確かにこれだけ見れば良いことのように思われるかも知れません。

しかし、このときすでに、自国は他国に依存することなしに生きられない。
経済的な独立性を完全に失うのです。
これは極めて危険です。

<事件が起これば一気に連鎖崩壊する>

このような時、たとえばアメリカの穀倉地帯が異常気象で壊滅したらどうなるか?その影響は全世界を襲います。高度に分業化されているため、逃げることはできません。アメリカがダメになったら、世界は終わり。それが分業体制の極めて大きなリスクなのです。

一方、現在の日本のように貿易依存度が低く、自前主義で経済的な独立性が高ければ、確かに生産効率は落ちるかも知れません。しかしアメリカの食糧が全滅しても日本は生き残れる。日本の農業の効率化はTPPと無関係に推進されるべき事でしょう。しかし、それはあくまでも「カネ」のためではありません。リスクへの対処のためなのです。

<グローバリズム(効率化)は人類滅亡へのプロローグ>

今から遥か6500万年前、地上で大繁栄していた恐竜は絶滅しました。なぜでしょう?恐竜の繁栄の背景には無駄を徹底して排除し、環境へ適応した生物の姿がありました。環境が安定していれば、効率化=特殊化は生物の生存にとって有利であり、繁栄をもたらします。ただし、あまりにもその環境に適応して特殊化が進んでしまうと、環境が変化しても、もはやその変化を受け入れるだけの柔軟性は失われてしまいます。隕石衝突のような環境の変化があれば、あえなく絶滅します。

そして生き残ったのは、原始的な哺乳類。
原始的とは、まだ特殊化が進んでいない状態です。
つまり、非効率的ですが、何にでも対応できる柔軟性を持っています。

TPPをはじめ、グローバル化は世界の国々を分業化し特殊化を進めます。
それにより生産効率は高まり、カネは儲かるかもしれません。
しかし、国家としての柔軟性を失い、巨大なリスクを抱える事になるのです。



2013年3月10日日曜日

カネのちからを知り、新しい時代を作ろう

新しい時代へのビジョンはまだ描ききれません。しかし、そこへ至るための一つのステップとして金融制度改革(通貨改革)がきわめて重要な役割を果たすだろうことに自分は確信を持っています。通貨の性質を数年にわたり考察してきた結果、市場経済を主体とするシステムにおいては、通貨こそが経済のすべてをコントロールする鍵であると確信するに至りました。そしてリフレ政策の重要性を数年前から主張してきましたが、予想通り、安倍政権の「金融政策」で日本経済は劇的に変わろうとしています。カネはちからなり。カネは経済システムのすべてをコントロールし、支配する根本的な力なのです。

<20年のデフレ不況で学んだ国民>

金融制度の善し悪しがどれほど経済に大きな影響を与えるか?多くの日本国民はそれを安倍政権の金融緩和のもたらした威力で知ることとなったでしょう。なぜこれほどまでにカネが力を持つのか?それはカネが人を動かすからです。富とは人が動く(働く)ことで生み出されます。たとえそのカネが偽札であろうと、結果として人が動けば富が生み出されるのです。逆に言えば、どれほど優秀な人が多数いても、カネが無ければ富は何も生まれません。人が動かないからです。

もし、そんな強力な威力を持つカネ、つまり金融制度が「間違っていたら」どうなるのか?それも我々国民は20年間のデフレで学んだはずです。日銀の間違った金融政策がどれほど日本を苦しめたか?そして過去の政権が行った膨大な公共投資も、労働規制緩和も、富裕層の減税も、何の効果ももたらさなかった。ところが安倍が「金融緩和する、日銀法改正も辞さない」と言っただけで、今まで何をしても変わらなかった歯車が逆回転を始めたのだ。まさしくレジームの転換だった。これがカネのちからだ。

<国民の金融制度への無知は国を滅ぼす>

いまこそカネのちからを痛感し、国民は「金融制度」に真剣なまなざしを向けるべき時です。カネが世界を変える。そのカネの仕組みとはいかなるものなのか?ところが、大多数の国民は金融制度(通貨制度)についてほとんど「無知」なのです。驚くべき事に、およそ小学生のレベルを脱しません。嘘だと思うなら、偉そうな説教をたれる会社の上司に「準備預金制度」について訊ねてみましょう。ほぼ確実に何も答えられないでしょう。それなら、もっと簡単なところで「紙幣と硬貨の起源の違い」について上司に訊ねてみてください。「紙と金属の違い」と答えたら幼稚園レベルです。

国民はもっと金融制度を勉強し理解しなければなりません。 金融制度を知らなかったために、われわれは日銀に騙され続け、
20年もデフレに苦しめられてきたのです。

カネのちからを知る、新しい時代はそこから始まるのです。