2016年1月12日火曜日

日銀は日本最大の権力機関

日本銀行は日本最大の権力機関だ。それは、司法、立法、行政のうちでほぼ最大と言って間違いないでしょう。その権力とは「通貨」です。通貨は現代の経済の根幹システムだからです。

ところが、世間には日銀の権力を過小評価する立場があるように思われます。たとえば「日銀頼み」とか「本来は目立たないはずの中央銀行が」などの表現に見られます。しかし日銀は間違いなく日本経済の生殺与奪の権を握っています。

日銀は日本経済を簡単に破壊できます。もし日銀が金利を一気に引き上げ、金融引き締めによって世の中のおかねを減らしてしまえば、経済はなすすべもなく崩壊するでしょう。通貨収縮によるデフレ恐慌が発生します。どんなイノベーションもおカネが回らなくなれば機能しません。

では逆に、日銀には景気を良くすることはできないのでしょうか?そもそもダメな経済をおカネの力だけで良くすることは無理でしょう。しかし、もし日銀がおカネを絞ることで悪くなった経済であれば、世の中のおカネを増やせば「元に戻る」つまり「潜在的な経済の力を取り戻す」可能性は高いでしょう。つまり現在の金融緩和は、失われた20年間に絞り続けたおカネで疲弊した日本の力をおカネで取り戻す過程であると考えることが可能です。

もし「日銀頼み」などの批判をする、日銀の権力を理解しない意見があるとすれば、通貨の威力を過小評価していると思えます。