投資が伸びないのは日本の低い生産性に原因がある、などと新聞マスコミは書いています。しかし生産性が向上したところで企業の投資は増えないでしょう。私が株主だったら、生産性が向上しても新たな投資などせず、企業に配当金を要求するだけです。
なぜ企業や投資家が投資をするのか?それは投資に見合うだけの利潤の増加を期待するからです。そのためには、投資することで企業の売り上げが増加しなければならないわけです。
デフレで景気が悪く売り上げが増えないとすれば、投資に対する利潤の増加は見込めません。そんな状況では投資効率が悪すぎてカネをどぶに捨てるようなものです。ただし、企業や社員の努力で日本の生産性が向上すれば利潤は増えますので、配当金を要求します。ただし再投資して供給力を増やすよりもカネを回収したほうが得ですから、再投資せずに配当だけ回収します。
逆に言えば、生産性の如何に関わらず、売り上げ総額が増える見込みがあれば、投資する価値があります。生産性が上昇しなくても投資によって供給力を増やすほど確実に利潤が増えるからです。ですから、ごく当たり前に考えて、生産性の向上よりも売り上げの増加の方が投資を促進するでしょう。
一方、投資によって生産性を向上することで利潤を増やす方法はあります。本当に日本の生産性が低いのなら、投資によって生産性を高めることができます。この場合は新聞マスコミの言うような「生産性が向上することで投資が促進される」のではなく、「投資によって生産性が高まる」のです。つまり新聞マスコミの解釈は本末転倒です。
ただし、投資によって生産性を高めるとは、たとえば人工知能やロボットを導入することを意味します。つまり、それによって従業員をリストラし、人件費コストをカットすることで生産性を向上させるわけです。その結果、失業者が増大して、経済にはデフレ圧力が生じます。しかも、投資家は配当金を抜くだけで、デフレ環境下で事業を拡大しようとは考えません。自分なら抜いた利益で売り上げ増加の見込める途上国に投資します。
ですから、変なことを考える必要はありません、
ヘリマネで国民におカネを配ればよいのです。
そうすれば企業は「売り上げが増える」と予想しますから、企業も資産家も設備投資に動きます。投資増と消費増の両方が期待できます。そして企業の売り上げが増えれば、従業員1人当たりの売り上げ(=生産性)が増加しますから、生産性は必然的に向上すると思います。